織部床とは、
床の間の様式のひとつで、
茶室や
和室の壁を
床の間に見立てたもの及びその造作を指す。
織部床は、
天井と壁の境界にある
廻り縁の下部に幅180~210mmほどの織部板、あるいは雲板、錦板と呼ばれる化粧板を渡し、その
板の上に掛け軸をかけるための
折れ釘が取り付けられる。この織部板に掛け軸を吊るすことで、
奥行こそないが、簡略的な
床の間が出現する。さらに織部床では床前畳に
地板等を置き、花差し等を飾ることもできる。織部床は安土桃山時代の武将、古田織部の考案と伝えられている。古田織部は千利休の高弟で、蒲生氏郷や細川三斎らと並ぶ利休七哲の一人である。