排煙設備
(はいえんせつび)
排煙設備とは、火災時に発生した煙を建物の外へ排出し、避難時間を確保するための設備を指す。火災時に発生する有毒ガスや一酸化炭素による中毒を防ぎ、煙による視界不良で非常口を見失うリスクを避ける目的もある。構造には大きく分けて2種類あり、煙が上昇する力を利用して建物上部に逃げ道を作る自然排煙設備と、機械で強制的に排煙する機械排煙設備がある。排煙設備の設置基準は、建築基準法と消防法で定められているが、それぞれ内容が異なり、両方の基準を満たす必要がある。建築基準法における設置基準は、人命を救うことを最優先としており、映画館・病院・学校・工場・倉庫など、建物の特性や床面積、何階建てかなどによって基準が異なる。一方、消防法における設置基準は、消火活動をしやすくするための基準となっており、同じく建物の特性や床面積などにより基準が異なる。