暖簾
(のれん)
暖簾とは、部屋の仕切りとして吊り下げられた布のことを指す。もともとは、直接屋内に日差しや風塵が入るのを防ぐもの、人目などを遮るための目隠しとして用いられていた。
これを飲食店や商家が、屋号などを染めて、目印として軒先に垂らすようになった。
現在では、インテリアとして使用されることも多い。木管や竹、ビーズやガラス玉、縄などでつくられたものもある。
暖簾は日本固有のもので、平安時代末期作といわれている絵巻物にすでに暖簾が描かれており、白無地・色無地など無機質なデザインだった。暖簾の中央に様々な文様が描かれたのは、鎌倉時代以降である。室町時代に入ると、すべての商家がオリジナルの意匠を描いて業種や屋号を表した。江戸時代になると、庶民の識字率が高まったため、暖簾に文字の入ったものが広く用いられるようになった。