アンリ2世様式
(あんりにせいようしき)
アンリ2世様式とは、16世紀後半からのアンリ2世の統治期にフランスで流行した装飾様式を指す。
当時のイタリアでは、華麗な装飾性を示したマニエリスムの絶頂期にあったが、フランスのアンリ2世様式ではルネサンスの古典期を指向し、イタリア人を招かずにフランスの独自性に基づいた簡潔かつ優雅なフランス古典主義を確立しようとした。
マニエリスムでは、自然調和を崩した技巧や非現実的な色彩が特徴なのに対して、アンリ2世様式では、直線や平行線を用いた表現、繊細な模様や彫刻の組み合わせが特徴で、調和を重んじるルネサンス様式の影響を受けた端麗かつ優美な様式である。