イギリス式庭園
(いぎりすしきていえん)
イギリス式庭園とは、18世紀イギリスの自然回帰を目指した庭園様式を指す。
17世紀後半までは、広大な平地に幾何学的なモチーフを人工的に作り込むフランス式庭園がイギリスでも流行していたが、イギリス式庭園は、自然に見えることに重きを置いた風景庭園である。クロード・ロランやサルヴァトール・ローザなどの画家たちが描いたローマ的風景画が、当時のイギリス貴族の間で流行し、貴族たちが絵画の風景を現実の庭園に求めたことが背景となっている。
非対称や曲線が意識され、高低を利用してなだらかな起伏を持つように土地を整形することで、庭園に森林の中のような風景を表現することが特徴である。また、絵画のような自然な雰囲気の美しさを作り出すために、自然風景との境目を消すことで、自分の庭が永遠と続いているかのような錯覚を起こす「ハハー」と呼ばれる空堀なども生まれた。