塗装コンクリート
(とそうこんくりーと)
塗装コンクリートとは、建築分野では、外装仕上げせず、無色の塗装だけを施した打ち放しコンクリートを指す。
コンクリートがむき出しに見えるが、防水のための撥水剤を塗布してある。5~10年程度で、雨や大気中の炭酸ガスの影響で撥水剤の効果がなくなり、表面が黒ずんで汚れてくる。さらに、ひび割れが生じ、もともとアルカリ性だったコンクリートが中性化して中の鉄筋が錆びやすくなる。
この劣化を防ぐために、再度、撥水剤を塗り直す。劣化が激しい場合は、下地を補修した上で、アルカリ性を回復して中性化を防ぐ改質剤を塗るのが望ましい。無色透明なため「クリヤー剤」と呼ぶ。表面を被服する通常の塗料とは異なり、コンクリートに浸透して、クラック抑止や白華現象防止などの複合的機能を持つことから「表面含侵剤」とも言う。コンクリートの素材感、美観を回復するには、改質後に打ち放しコンクリート風塗装を行う。