平瓦とは、少し湾曲した薄い長方形の
粘土瓦を指す。
日本の伝統的な
屋根葺き工法である本瓦葺きに使われる
瓦で、平瓦を並べた境目に半円筒状の
丸瓦をかぶせる形になる。古代には、円筒形の桶型に巻いて固めた後に4等分して作っていたため、形状が凹型になった経緯がある。中世以降、凸型成形台に乗せる1枚作りに変わり、現在のプレス成型につながった。古くは平瓦を「雌瓦」、
丸瓦を「雄瓦」「筒瓦」とも呼んだ。平瓦は、細かく分類すると、凹みが小さい「並平瓦」、大きく湾曲した「深窪平瓦」、
軒に使う唐草瓦の下に置く「敷き平瓦」などがある。