耐震偽装
(たいしんぎそう)
耐震偽装とは、地震に対する建物の安全性を記した構造計算書を偽造する、建築基準法に違反する行為を指す。
建築設計事務所の元一級建築士が、ホテルや分譲マンションなど合わせて6棟の、地震などに対する安全性の計算を記した構造計算書を偽造していたことが明るみに出た2005年の11月の事件が発端で世間に広く知られるようになった。耐震強度が建築基準法で定められた指針値の半分に満たない物件もあり、社会問題となった。この事件に関わった元建築士や建設会社社長、不動産開発業者社長など数名が逮捕・起訴され、有罪判決を受けている。この耐震偽装問題を契機に、2006年の6月に建築基準法や建築士法、宅地建物取引業法および建設業法が改正され、一定高さ以上等の建築物への構造計算審査の義務付けや、違反を行った建築士に対する罰則の大幅な強化などが図られた。