本勝手
(ほんがって)
別称・略称
右勝手
本勝手とは、床の間や茶室などの和室の作り方における形式を指す。
床の間については「本勝手床」「本床」と言い、和風住宅の格式ある座敷でしつらえる正式な床の間を意味する。平面構成は、中央に床の間、向かって右側に床脇、左は縁側越しに庭に面した付け書院を配す。床柱はすべて面取りした角材で、床框は黒蝋色(くろろいろ)漆塗りなど、各部材の様式も決まっている。床脇と付け書院を左右逆にした配置を「逆床」と呼ぶ。
茶室の場合は「本勝手切り」と言い、茶会の亭主が茶を点てる畳(点前座)で炉に向かって座ったときに、客の座る位置が右手になるように炉を切る作りを意味する。本勝手切りは茶室の広さによってさらに細かく分かれ、「四畳半切り」、三畳は「台目切り」や「向こう切り」、二畳は「隅炉」などと言う。本勝手と反対に炉を切ることを「逆勝手」と言う。