落とし掛けとは、
床の間の
天井から垂れる小壁を受け止める横木を指す。
隣接する
床脇の
長押よりやや高い位置で、鴨井より少し厚めの
平角材か
丸太、または竹材を用いる。材の種類は、
床柱や
床框との組み合わせ、
座敷の構えとのバランスを考えて選ぶ。正式な書院でヒノキやマツ、
キリなどの
平角材を使う場合は、正面に向く見付けを
柾目、下端は
板目(杢)とする。角材を斜めに削り、見付け部分を刀の刃のように薄くする「刀刃(はっかけ)納め」にすることで、軽妙な雰囲気を出す仕様もある。
一説によると、落とし掛けは取り外し自由にしておき、敵が突然侵入した際に落として武器として使ったという。それが言葉の由来とも言われる。