サワラとは、ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹を指す。日本特産種の木材で、本州北部から中部、中国、九州地方と広範囲に分布している。樹皮に近い周辺部から採った辺材は白色、樹心に近い心材はくすんだ淡黄褐色をしている。ヒノキとよく似ているが、特有の香りがなく、光沢が少ない。湿気に強く軽軟で、乾燥や加工は容易だが、割裂しやすい。匂いがつきにくい特性を活かし、米を入れるお櫃や飯台、水桶などに使用されてきた。他にも造作用の建築材や
障子、
襖、
家具、包装材など、日本古来のさまざまな製品の材料に用いられている。