坪庭
(つぼにわ)
別称・略称
箱庭、壺前栽
坪庭とは、和風建築において、建物や塀で囲われた狭い庭のことを指す。「壺前栽(つぼせんざい)」と言われることもある。採光や通風、観賞や癒しを目的とした空間である。坪庭の起源は間口が狭く奥行きの深い京町家と言われている。そこで採光や通風を確保するための空間が、徐々に趣向を凝らした「坪庭文化」を形成するようになり、中庭や玄関脇のスペースを垣根などで囲い、飛び石や灯篭などを配置し、草花や木、竹などを植えることが一般的となった。また、都心の住宅密集地ではプライバシーを確保するために隣家との間に壁や目隠しが必要となるが、開放感を生み出すために内側に坪庭を設けるケースが多い。狭小住宅などで通風・採光を確保する方法としても、坪庭が見直されている。