蟻害
(ぎがい)
蟻害とは、シロアリが木材などを食い荒らして起こる建物被害を指す。食害によって柱や床材がスカスカになり、建物がゆがんだり傾いたりする。シロアリは白色や茶褐色をした雑食性の昆虫で、木や植物だけでなく、プラスチックまたはゴムなどの人工合成物や、レンガやコンクリート、金属板といった硬い物質にまで加害が及ぶ。姿形が蟻に似ていることからシロアリと名付けられたが蟻特有の胴体のくびれがなく、実際の分類はゴキブリの仲間に近い。生殖の時期には羽を持ち、羽アリとなって戸外へと移動する。国内で建築物を食害するシロアリは、日本全土に広く分布するヤマトシロアリ、西日本の温暖な海岸線沿いに生息するイエシロアリ、都市部で見られるアメリカカンザイシロアリ、奄美大島より南に生息するダイコクシロアリなど主に4種類である。急速に繁殖し旺盛な食欲で加害するため完全駆除しづらく、建築物を破壊することから経済的被害も大きい。