「み」から始まる用語一覧
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見え隠れ(みえがくれ)
見え隠れとは、建築部材のうち施工後に他の部材に隠れて目に見えない部分を指す。
板材の木口面、仕上げ材の裏側に入る部分などが、見え隠れに当る。これに対して、目に見える部分を意味する「見え掛かり」と言う。造作や仕上げに使う見え掛かり材は、木目のきれいな面や節の少ない良い面が出るように使う向き、位置を決める。
なお、伝統的な造園技法の1つで、庭木・灯篭・滝・亭などの一部を樹木などで隠すようにすることも見え隠れと呼ぶ。
御影石(みかげいし)
御影石とは、花崗岩を指す。地球のマグマが地下深部でゆっくり冷却され、地中の高い圧力によって形成される。堅硬で耐久性に優れ、吸水率が低く雨風にも強いため、建築物の外壁や内壁、床、外構、造園など多くの部分に使われる。最近ではキッチンワークトップや洗面台のカウンターに御影石を用いることも多い。
産地により模様や色はさまざまで、黒やグレー以外にも、赤やピンク、ブルー系など多くの色がある。
磨き丸太(みがきまるた)
磨き丸太とは、原木の皮を剥いて、表面を滑らかに磨き上げた丸太を指す。
磨き丸太は、十分に成育したスギやヒノキなどを使う。幹が真円でまっすぐで、かつ節がなく木肌の光沢が美しいことが条件となる。磨き丸太は、床柱や玄関のポーチ柱、棟木のほか、手すり、長押などに使われる。和風建築で利用されてきた磨き丸太であるが、洋風住宅にも取り入れられるケースが増えている。京都府北山産の磨き丸太が有名である。
幹割れ(みきわれ)
幹割れとは、さまざまな要因で樹木の表面または表面近くが、乾燥以外の原因で幹表面にできる亀裂を指す。
縦筋状にナイフで裂いたような数本の割れが入るのが一般的で、過度な乾燥や日光の直射が原因で起こる内部および表面部の割れとは区別される。
幹割れが起こる原因は、気候の変化や大雪が積もった際の沈降圧力、木自身の枝の伸び具合や傾きによる重みなどが挙げられる。また、シロアリやシロスジカミキリといった害虫が幹の内部に侵食し、空洞ができたところに強風等の外部の力が加わり幹割れすることもある。
ミストサウナ(みすとさうな)
ミストサウナとは、霧状の温水を室内に充満させた低温・高湿度のサウナを指す。
「蒸し風呂」とも言う。いわゆるドライサウナが室温80~100度で湿度10~15%なのに対して、ミストサウナは同40~45度で70~100%が適度な水準とされる。低温でも湿度が高いため、身体への負担が軽く、一定の発汗作用が得られる。住宅のバスルームで、浴室暖房乾燥機にプラスアルファの機能として搭載されているケースも多い。
高湿度でも身体やモノが濡れにくい超微粒子のマイクロミスト、夏場に涼める冷水ミストなど、ミスト機能自体にもいろいろなバリエーションがある。
水切り棚(みずきりだな)
水切り棚とは、キッチンに設置してある、洗った食器や調理器具などの水を切るための棚のことを指す。水に強く錆びにくいステンレス製のものが多い。キッチン上部にある棚から吊り下げる形式で設置されているタイプや、壁に取り付けられているタイプ、シンク廻りの空間を利用して置く形で取り付けられているタイプなどがある。また、1段タイプのものから、複数のフライパンや鍋などを置くことが可能な2段タイプのものまで大きさもさまざまである。
水勾配(みずこうばい)
水勾配とは、排水を目的に、水平よりわずかに傾斜させた勾配を指す。
雨水のかかるベランダなどの床や、水洗いを必要とする床面、例えば駐車場、屋上、ウッドデッキ、玄関アプローチ、庭、外階段など、屋外のさまざまなエクステリアに施工される。
水勾配は、通常2~3%(1mにつき2~3cm)の傾きがつけられる。雨が降っても速やかに排水され、乾燥も早くなるため、カビ、コケ等の対策となる。また湿気や浸水によるコンクリート等の錆びやひび割れといった劣化を防ぐ。ただし、駐車場など広い面積では、水たまりができてしまう恐れがあるので、中央もしくは両端に溝を付けて、溝に向けて水勾配をとるなどの対策が必要である。
水腰障子(みずこししょうじ)
水腰障子とは、下部に腰板を張らずに全面に紙を張った障子のことを指す。腰無障子とも言う。
昭和以前の縁側がある家屋では、雨避けとして腰板が取り付けられていたが、現代の家では障子が雨に濡れることも少なく、腰板を取り付けることはなくなった。腰板がない分、入ってくる光の量が多くなり部屋内が明るくなるので、水腰障子が広く使われるようになった。
ミズナラ(みずなら)
ミズナラとは、日本各地の冷涼な山中で見られるブナ科の広葉樹を指す。同種の木はヨーロッパではオークと呼ばれる。特に北海道のミズナラは良材として珍重され、小樽オークと称してヨーロッパに輸出されていた。硬くて強度が高く、乾燥による狂いが発生しにくいため、家具材や床材などの内装材、窓枠などの建材として使用される。
辺材は灰白色、心材は黄褐色。虎斑と呼ばれる特徴的な木目が出ることがあり、珍重される。
水噴霧消火設備(みずふんむしょうかせつび)
水噴霧消火設備とは、噴霧ヘッドから水を微細な噴霧状に放射して、火点一帯を包み、火災を消火するもので、主として冷却作用及び水蒸気で酸素を遮断する窒息作用によって燃焼を阻止する仕組みの設備を指す。
おもに、道路のトンネル・駐車場の他、指定可燃物を貯蔵・取り扱う場所などに設置される。
水回り(みずまわり)
水回りとは、建物内にあるキッチン、浴室、洗面所、トイレ、浴室など、水を使う場所を指す。
水回りを住宅内の近い位置に集中させると、家事動線が効率的になる。また、配管を張り巡らせる必要がないので、配管工事のコストを抑えられる。
水屋(みずや)
水屋とは、一般的には台所のことを指す。
もともとは社寺で参拝者が手や口を清める場所や、茶室で客をもてなすための茶道具を保管・準備するための茶室に隣接した場所の呼び方であり、時代を経て同じく水を扱うところから台所を意味するようになった。
さらに、台所に置かれる食器を収納する棚を水屋箪笥と呼ぶようになったが、これは現代における食器棚のことである。
溝型ガラス(みぞがたがらす)
溝型ガラスとは、両端を直角に曲げてコの字型あるいはU字型に加工されたガラスを指す。優れた採光性と不透過性を持ち合わせているのが特徴で、重厚な印象のガラス壁を構成したり演出するために利用されることが多い。1枚で使用するシングル構成と、箱のように2枚を向かい合わせて曲げ部分を重ねて立体的に用いるダブル構成などがある。防火性や耐候性、遮音性もあり、曲げに対して強さを発揮するため、建物の外装やオフィスビルのガラス窓、間仕切りなどにも用いられている。
密集市街地(みっしゅうしがいち)
密集市街地とは、古い木造住宅が密集し、道路の幅員が狭く、付近に公園などのオープンスペースが少ないなどといった理由から、地震や火災などの災害時の防災機能が確保されていない市街地を指す。
法律においては、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集法)」で定義され、該当する地区を「防災再開開発促進地区」としている。
密集住宅市街地整備計画区域(みっしゅうじゅうたくしがいちせいびけいかくくいき)
密集住宅市街地整備計画区域とは、防災上、住環環境上の課題を抱える密集住宅市街地において、防災性の向上と住環境の改善を図ることを促進する地区を指す。
指定される区域は、三大都市圏(重点供給地域を除く)については概ね20ha以上、重点供給地域、地方圏については概ね5ha以上、防災再開発促進地区のいずれかの要件を満たしている。かつ、住宅戸数密度が原則として30戸/ha以上であることが必要である。
密集住宅市街地整備事業地区(みっしゅうじゅうたくしがいちせいびじぎょうちく)
密集住宅市街地整備事業地区とは、「密集市街地における防災街区整備事業」などを行うために、住宅市街地整備計画に定める区域を指す。
都道府県知事や市区町村の長によって定められ、該当する区域においては老朽住宅等の建て替え、公共施設の整備などを促進し、住環環境改善、防災性の向上等が図れるように再生・整備を行わなければならない。指定される要件は、原則1ha以上の面積かつ、住宅数密度と老朽住宅の割合が一定以上あることなどがある。
密集法(みっしゅうほう)
密集法とは、密集市街地において、計画的な再開発などを行う場合に防災街区の整備に必要な措置を取るため、密集市街地の防災機能の確立や土地の合理的で健全な利用を推進することを目的とした法律を指す。正しくは密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律と呼び、1997年に制定された。
密集市街地と呼ばれる、老朽化した木造の建築物が密集している区域や、道路や公園などの公共施設の整備が不十分な市街地などは、有事の際に危険が生じる。これらの密集市街地に防災機能を確保するための法律である。密集法では、密集市街地の各地域において、防災街区整備方針、防災再開発促進地区の整備計画など、防災面に有益な計画を定め、その計画を実行する手続き等について規定されている。密集法の施行者は、個人や事業会社をはじめ、地方公共団体、都市再生機構、防災街区整備事業組合、地方住宅供給公社などがある。
密着張り工法(みっちゃくばりこうほう)
密着張り工法とは、タイルの張り方の一種で、外壁下地に張り付けモルタルを塗り付けた上に専用の振動工具を使ってタイルを埋め込む工法を指す。「ヴィブラート工法」とも言う。
振動を与えることによって張り付けモルタルが軟化し、タイルがもみ込まれるように張り付くため、十分な接着力が得られる。目地部分に盛り上がってくるモルタルがタイルの周囲に回り込むため、剥離もしにくい。
目地仕上げは、タイル周辺にはみ出したモルタルを細長い目地ゴテで押さえるだけで済ませる方法もあるが、浮きを誘発しやすい深目地になることから、モルタルが硬化した後に目地詰めを行う一般的な方法が推奨されている。
3口コンロ(みつくちこんろ)
3口コンロとは、キッチンにあるガスコンロの中で、コンロの口が3つ付いた機器を指す。
以前は、グリル部分と操作部が一体となっている据え置き型の家庭用ガステーブルコンロにも、3口コンロは存在していたが、2008年の法改正に伴い、ガスコンロの全ての口に過熱防止装置の設置が必須となったため、現在では流通しなくなった。ただし、業務用においては現在でも据え置き型がある。
3ツ割筋交い(みつわりすじかい)
3ツ割筋交いとは、木造軸組工法で建てられる住宅において、垂直材の縦の柱と横架材の間に組み入れる筋交いの太さが、幅9cm×奥行き3cmのものを指す。元々の木材は約9cm角に製材されているが、その厚みを均等に3分割して使用することから、3ツ割の名称がつけられている。この他、均等に2分割する2ツ割筋交いや、均等に6分割する6ツ割筋交いなどがある。取りつけることで、水平方向に対する力の強度が増し、強風や地震時の揺れに対する耐久性を高めることができる。建築基準法において、3ツ割筋交いを1本設置した場合は壁の強度が1.5倍に、2本を交差させて設置した場合は3倍になると示されている。