「れ」から始まる用語一覧
42件
レトロ(れとろ)
レトロとは、懐古趣味を指す。回顧という意味の「レトロスペクティブ(retrospective)」の略語であり、フランス語の接頭語retroからできた和製語でもある。古さを感じるものや事柄を良い意味で、「レトロな」としてファッション、インテリア、雰囲気などに使用される言葉である。住宅建築においては、古民家のレトロな雰囲気を壊さずに残してリフォームしたり、フローリングや壁に「エイジング」という加工方法を用いたりして、あえてレトロなイメージを作るスタイルも見られる。レトロな空間は、アンティークな家具や照明を使用したり、タイルを使用した水場にしたりすることでも実現することができる。
レバータンブラー錠(ればーたんぶらーじょう)
レバータンブラー錠とは、板状のタンブラーが鍵を押し回すことで障害物をレバーで跳ね上げながら解錠する仕組みの錠前を指す。
18世紀頃のイギリスで原型が作られた。現代でも引き戸や南京錠、古い自動ドアに使われていることがある。
仕組みがシンプルなので、ピッキング被害にも遭いやすい傾向がある。
比較的どこにでも設置できるメリットや鍵穴がおしゃれであることから、インテリアの観点から注目されている。
レバーハンドルドア(ればーはんどるどあ)
レバーハンドルドアとは、棒状の把手を押し下げる動作だけでドアの開閉ができるドアを指す。
テコの原理を使うため、握り玉タイプの把手をつかんで回す握力の弱い人でも、操作しやすい仕組みとなっている。握り玉との違いは使い勝手だけではない。把手の位置が壁に近すぎると物理的に握り玉タイプは握れなくなるため、おのずとレバーハンドルになる。主に、セキュリティの要求度が低い住宅内の部屋やトイレなどの室内ドアに使われる。
レフランプ(れふらんぷ)
レフランプとは、電球の内側に反射鏡を取り付け、光を効率よく前方に集めるように設計された白熱電球を指す。光をピンポイントで照らせるため、スポットライトやダウンライトとして住宅や店舗、ホテルなどで使用されている。
口金サイズは直径が17mmのE17口金と、直径が26mmのE26口金がある。屋内用にはミニレフランプと呼ばれるE17口金と、一般的なレフランプのE26口金が使用できる。屋外用ではE26口金が使用される。
消費電力は、ミニレフランプは25~40Wで、レフランプは40~300Wと幅広い。
近年では、LEDタイプのレフランプも普及しており、従来は電球色のみだった色もLEDタイプなら昼光色も展開している。また、LEDは寿命も長く、電気代も約90%削減できるメリットもある。従来と口金サイズも同じなので取り替えが簡単に行える。
レベラー(れべらー)
レベラーとは、セメント系または石膏系の、自己水平性をもったセルフレベリング材のことを指す。表面が水平ではないコンクリートの床面や布基礎、べた基礎にレベラーを流すと、レベラーにはとろみがあるので自然と水平になる。このため、トンボでならすだけで、金ゴテ仕上げ以上の平たんでなめらかな床下地を素早く仕上げることができる。品質の安定性に優れており、素早く施工できるため、工期が短縮できるという特徴がある。学校や病院、マンションやビル、フォークリフトなどの重機が使用される工場、厨房や食品工場、駐車場などの仕上げ材施工前に地下調整のために用いられている。
レベル1地震(れべるいちじしん)
レベル1地震とは、耐震設計で使われる用語で住宅などの構造物の耐用年数(50~100年位)の間に1回以上受ける可能性が高い地震を指す。
建築基準法では、構造設計においてレベル1地震が発生した際、柱や梁などの主要構造部は倒壊や損傷を起こさないことを目標としている。
レベル1地震は「L1地震」ともいい、25カイン(cm/s)以上の地震波を想定している。
しかし現在では、建物の耐震性能を「等級1」「等級2」「等級3」と表し、「レベル1地震に対応」と表記はされていない。
レベル2地震(れべるにじしん)
レベル2地震とは、耐震設計で使われる用語で住宅などの構造物が500年位に1回程度の割合で受ける可能性がある強い揺れの地震を指す。
建築基準法では、構造設計においてレベル2地震が発生した際、建物が倒壊したり、外壁の脱落等により人命に損傷を与える可能性のある破損を生じないことを目標としている。これは耐震設計時に想定しうる中で最大規模の地震とされる。
レベル2地震はL2地震ともいい、50カイン(cm/s)以上という非常に大きな地震波を想定している。
しかし現在では、建物の耐震性能を「等級1」「等級2」「等級3」と表し、「レベル2地震に対応」と表記はされていない。
レンガ(れんが)
レンガとは、粘土類を片手で持てる重さの直方体に成形した建築材料の総称を指す。
古くは黄褐色の石灰質粘土を太陽光で自然乾燥した「日干しレンガ」(「アドベ」とも言う)から始まり、古代ローマ時代の頃から乾燥後に焼き固めたレンガが量産されるようになった。
普通粘土類で焼成される普通レンガと、千数百度以上の耐火性を持つ耐火レンガ、普通レンガの強度を高めた建築用レンガ、穴あきレンガなどの種類がある。また、直方体以外に、開口部のアーチ部分に用いられる迫持ち(せりもち)型、橋梁や煙突などに使われる楔型や扇型など、特殊形状の異形レンガもある。
日本では、耐震性の問題から構造を支える壁への使用は禁止されており、鉄筋や鉄骨構造の被覆材、または化粧材として使われる。
レンガ造(れんがづくり)
レンガ造とは、レンガを積み上げて造られた建造物を指す。璧体のみをレンガ積みまたはレンガタイル張りにした建造物も含まれる。
日本では明治の文明開化期に洋風建築として多く建造され、文化財に指定されているものも多数存在する。紫外線を防ぎ、雨や風に強く、耐熱性と蓄熱性に優れているため室温を一定に保ちやすい、耐火性があるなどの利点がある。
れんが塀(れんがべい)
れんが塀とは、れんがを積み重ねて作成した塀を指す。素朴さや温かみを感じさせるだけではなく、緑とも調和し環境にも優しいことが特徴である。
また、れんがは吸湿性が高く、温度を下げたり、湿気を吸い取る効果も期待できる。
組み方にも様々なパターンがあり、上部を曲線にするデザインなども可能である。
連結散水設備(れんけつさんすいせつび)
連結散水設備とは、地階下に設置される消火活動上必要な設備を指す。
火災が発生した場合、煙や熱が充満することによって消防活動が難しくなることが予想される地下街や地下階に設置される設備で、消防ポンプ車から送水口や送水配管を使用して送水し、散水ヘッドから放水して消火活動が行われる。
連結散水設備は、散水ヘッド、送水口、配管、弁類などから構成されており散水ヘッドは、開放型、閉鎖型の2種類がある。開放型散水ヘッドは、送水区域内のヘッドから一斉に散水する。閉鎖型散水ヘッドは、火災による加熱を受けた部分のヘッドが解放される。火災が起こっている部分に限られるため、他の部分への水損が最小限におさえられる。
連結送水管(れんけつそうすいかん)
連結送水管とは、火災を鎮火させる際に必要な消火用の水を火災発生現場まで送水するため、高層建築物や地下街等に設置される設備を指す。連結送水管は、放水口・送水口・放水用器具格納箱などから構成されている。消防法施行令29条において、地階を除く階数が7階以上、あるいは地階を除く階数が5階以上、かつ延べ面積6,000m2以上、あるいは地下街の延面積が1,000m2以上、あるいは延長50m以上のアーケード道路に供される部分を有するもの(自走式駐車場の建物、ショッピングセンター屋上駐車場等の自動車の道路)、のいずれかに当てはまれば、凍結送水管の設置対象と定められている。
連結送水口(れんけつそうすいこう)
連結送水口とは、消防隊が消火活動を行う際に使う連結送水管の中の設備を指す。
連結送水管は、消防車から直接放水できない高層建築物や地下街の火災発生時に、消火用の水を火災発生現場の階まで送水する施設である。連結送水管は、連結送水口の他に放水口、放水用器具格納箱などで構成されており、火災発生時には消防車と連結送水口を連結して送水し、現場の消防隊が放水口に消火ホースを連結して消火活動を行う。連結送水口を含む連結送水管の設置対象は、消防法施行令第29条により定められている。
連子(れんじ)
連子とは、細長い木や竹などの木材を一定の間隔で連続的に、縦または横に連ねた状態を指す。
連子の木幅よりも木材同士の間隔の方が広いものを「連子格子」という。連子格子は、今でいう面格子のことである。面格子とは、サッシの外側に設置される防犯を目的とした格子のことである。
連子格子をはめこんである窓や欄間などの開口部を「連子窓」と呼ぶ。連子窓はガラス戸などの建具を内部に建て込まずに、採光と通風、そして防犯性をかねた格子窓である。
レンジフード(れんじふーど)
レンジフードとは、キッチンのコンロの上部に設置する換気用設備を指す。
フードと呼ばれるカバー奥のダクトを通じて、室内の空気とともに煙やにおいを排出する。フードの形状は、ブーツ型とスリム型、フラット型、レンジフード内の換気用ファンは、プロペラファン、シロッコファン、ターボファンのそれぞれ3種類が主流である。
連続建て住宅(れんぞくだてじゅうたく)
連続建て住宅とは、2戸以上の住宅を水平に連結して建てた住宅を指す。1枚の壁を隣り合う2戸で共有しているのが特徴である。
代表的なものに、タウンハウスとテラスハウスがある。両者は建物の構造や形状は同じだが、敷地の権利形態が異なる。タウンハウスの敷地は住戸の専有面積割合による共有であるが、テラスハウスの敷地は各住戸で分けて登記した所有権である。また一戸あたりの住戸の床面積が70m2以上の場合は、どちらも「フラット35」の融資対象となる。
連続窓(れんぞくまど)
連続窓とは、水平に連続しているデザインの窓を指す。壁をはさまずに、または最小限の壁だけをはさんで窓が連続しているので、光が差し込みやすく室内が暗くなりにくい。また、開放感があり、室内から風景を楽しむこともできる。なお、壁や柱は建物の崩壊を防ぐ役割をするため、耐震性に注意が必要である。
一般的にはリビングダイニングに使用されることが多い。有名なものとして、2016年に世界遺産登録されたル・コルビジェ建築のサヴォア邸がある。
連帯債務(れんたいさいむ)
連帯債務とは、1つの借り入れを複数の者それぞれが全額の債務を負うことを指す。住宅ローンにおける連帯債務の場合、夫婦や親子など2人のうちどちらか1人が主債務者となり、もう1人が連帯債務者として借り入れを行い、連帯債務者も主債務者と同じ債務を負うことになる。連帯債務を利用した場合の住宅の名義は、主債務者と連帯債務者が、それぞれの出資割合を持ち分とした共有名義にすることが一般的である。二者とも債務者になるため、年収の比率や住宅の持ち分割合などに応じた、ローン控除が受けられる税制上のメリットがある。
連帯保証(れんたいほしょう)
連帯保証とは、主たる債務者と連帯して債務の履行責任を負う契約を指す。
債権者と保証人とが連帯保証契約を締結することによって成立する。一般的な保証人には、債権者に対して債務履行を催告すべきと主張する民法第452条に定められた「催告の抗弁権」がある。さらに、債務者に弁済の資金があって容易に債務の履行が可能と証明したときには、まずは債務者本人の財産から徴収すべきと主張する民法第453条の「検索の抗弁権」という権利がある。
しかし連帯保証ではこれらの権利がなく、債務者本人と区別されずに同様の扱いを受けるため、債権者が要求すれば直ちに債務を履行する責任がある。連帯保証人として契約を締結する場合に考慮すべき点である。
連帯保証人(れんたいほしょうにん)
連帯保証人とは、主たる債務者と連帯して債務を保証する人を指す。
主たる債務者Aと連帯保証人Bがいた場合、ともに債権者への返済の義務を負うことになる。例えば賃貸住宅を借りていて、Aが家賃を払えなくなった場合、直ちにBが返済する義務を負うということである。賃貸住宅では連帯保証人が必要なケースがほとんどだが、連帯保証に近い役割を果たす「保証会社」の家賃債務保証を利用できる場合もある。また、住宅の購入・新築等のために住宅ローンを借りる場合も、現在は金融機関が指定する保証会社が連帯保証を行うことが多い。この場合、もし支払いや返済が滞って保証会社が代わりに弁済を行った場合でも、主たる債務者はその後、保証会社に対して支払いを行うことになる。