「や」から始まる用語一覧
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屋根(やね)
屋根とは、日射や雨風を防ぐために設けられた、建物の上部を覆う構造物を指す。
屋根の形状や瓦の種類によって、耐震性、耐久性、断熱性、防水性、防火性に違いがある。屋根の最頂部から地上に向かって2つの傾斜があり、本を開いて伏せたような山形をしている「切妻屋根」や、屋根の最頂部から地上に向かって4つの傾斜がある「寄棟屋根」、屋根の最長部から1方向のみに傾斜があり、ソーラーパネルを設置する場合などに取り入れられる「片流れ屋根」などの種類がある。
屋根裏収納(やねうらしゅうのう)
屋根裏収納とは、小屋裏・屋根裏などとよばれる屋根と最上階の天井との間にできる空間の収納スペースを指す。折り畳みはしごなどを利用して出入りする。陸屋根と呼ばれているフラットな形状の屋根では作るのは難しいが、片流れ・寄棟・切妻などある程度角度のある屋根では一定のスペースが確保できるため設置が可能である。屋根裏収納の設置の際には以下の2点に注意したい。一つ目は、屋根裏の床から天井までの高さが14cm未満であること、二つ目は、屋根裏の面積が下の階の面積の2分の1までであることである。この2つの条件を満たしていなければフロアとして見なされ、法律で決められた容積率の対象となる。
屋根形状係数(やねけいじょうけいすう)
屋根形状係数とは、積雪の際にその建築物が構造上安全であるか計算する上で、屋根の角度や勾配を考慮するために用いられる係数を指す。具体的には積雪荷重を求める際に使用され、例えば多雪区域外の地域では、単位荷重(20N/cm・m2)×屋根の水平投影面積×屋根形状係数×垂直積雪量で、積雪荷重が求められる。
屋根工事(やねこうじ)
屋根工事とは、葺き替え、断熱、防水など、屋根に関する工事のことを指す。
雨漏りの防止、断熱性能の向上、屋根一体型の太陽光パネル設置、家のイメージを変えるなどの目的で行われる。屋根工事業者が施工する際には、建設上許可や道路使用許可などが必要になるほか、工事の目的に応じて専任技術者も置かなければならない。
屋根工事には古くなった屋根材を部分的に剥がして新しい材料に変える葺き替え工事、外観の美しさを保ち劣化を防ぐ塗装工事、雨どい交換工事などの種類がある。
屋根勾配(やねこうばい)
屋根勾配とは、屋根の角度を指す。使用する屋根材の種類や形、居住している地域の気候から決めるのが一般的である。平坦な屋根の家もあるが、雨水や雪を効率よく流すためには勾配は欠かせない。日本の建築物では、屋根勾配の単位は、寸で表すことが多く、数字が大きくなるにつれて勾配が急になることを意味する。3寸勾配以下の屋根を緩勾配、3から5寸程度のを並勾配、6寸勾配以上は急勾配と呼ぶ。
屋根材(やねざい)
屋根材とは、屋根となる住宅上部に覆いとして取り付けられる仕上げ材を指す。屋根材の材料は、主に粘土瓦、スレート瓦、セメント瓦、金属系などがある。
素材によって耐久性や価格などが異なり、耐久性は、粘土を使った焼きものの瓦である粘土瓦が秀でており、塗り替えの必要がない。価格は、セメントを原料とするスレート瓦や、カラートタンやガルバリウム鋼板などを用いた金属瓦を使用することで安価に抑えることができる。また住宅外観のデザイン性にも大きく影響し、例えば、和風建築で、高級感や格式の高さを出す際には粘土瓦が用いられることが多い。
屋根付き駐車場(やねつきちゅうしゃじょう)
屋根付き駐車場とは、屋根が付いている駐車場を指す。屋根により、劣化や傷の原因となる雨風や紫外線、飛来物、鳥の糞などから車体を守ることができ、悪天候時の車の乗り降りもしやすい。また、冬は屋根に霜が降りることで車に霜が降りにくく、夏は屋根が直射日光を遮ることで車内温度の上昇が抑えられる。高温による車体と部品の劣化予防にも役立つ。ただし、屋根の高さにより駐車できる車種が制限される場合がある。
屋根葺き替え工事(やねふきかえこうじ)
屋根葺き替え工事とは、現在の屋根をすべて解体し、新しい屋根を設置する工事のことを指す。
屋根は表面にある一次防水と内側にある二次防水に分かれていて、工事では一次防水と二次防水どちらも取り外し、新しいものに変える。業者や作業員の人数にもよるが、工期は一週間から二週間が目安とされる。メリットとしては、一次防水と二次防水をすべて取り外すため、下地の点検および補修が可能になること、屋根材が新しくなることで、寿命が延びることである。また、より軽い屋根材に交換すれば基礎部分や柱への負担を減らせ、耐震性を高められる。
屋根不燃区域(やねふねんくいき)
屋根不燃区域とは、防火地域と準防火地域に指定されていないエリアにおいて、火災の拡大などを防ぐために屋根に一定の耐火性を持たせなければならないと定められている地域を指す。
建築基準法第63条により、「防火地域と準防火地域にあるすべての建築物は、耐火建築物または準耐火建築物としない場合には、その屋根を不燃材料で造り、または不燃材料でふくことが必要である」と定められており、一定の耐火性を満たしている必要がある。
しかし、これ以外の地域では建築基準法が適用されない。そのため、火災の拡大の恐れがあるエリアなどは、都道府県知事や建築主事を置く市町村の長の判断で屋根の不燃化を強制できるように建築基準法第22条で定められており、これが「屋根不燃区域」である。
屋根不燃区域に指定された場合、屋根や外壁などさまざまな部分で一定の防火基準をクリアしなければならない。
ヤマトゴキブリ(やまとごきぶり)
ヤマトゴキブリとは、ゴキブリ目ゴキブリ科ゴキブリ属に属する日本固有種のゴキブリを指す。
東北、関東、北陸、近畿、中国地方で見られ、北海道や九州の一部でも確認されている。
体長は20~35mm程度で比較的細め、体色は全体的に黒茶褐色、光沢が少ない、翅脈の網目様が目立つことなどが特徴である。
他の種類のゴキブリと同様、屋内の不衛生な場所に生息するため、食中毒菌などの病原微生物を媒介する恐れがあるほか、古書や屏風などの和紙を食害することから、書籍害虫、文化財害虫といわれることもある。
ヤマトシロアリ(やまとしろあり)
ヤマトシロアリとは、日本に生息するシロアリの一種を指す。比較的寒さに強いため北海道の一部を除きほとんどの地域で生息する。日本のシロアリの中で最も被害件数が多いと言われており、主に木造建築に被害をもたらす。
羽アリは黒褐色で、兵アリは頭部が大きな長方形という特徴があり、女王アリは大きいもので全長1.5㎝にもなる。湿気が多い日陰で風通しの悪い場所にある木材を好み、湿った木材を食べる。そのため土の中から木造住宅の床下に侵入し、浴室や厨房などの水回りの周辺に侵食することが多い。しかしイエシロアリのように周辺の木材へ網目のように巣を広げ、広く食害することはあまりないといわれる。繁殖時期は気候が温暖な春から初夏にかけて。水漏れや結露で水分を含んだ壁や天井に繁殖することが多い。毎年4から5月に羽アリが大量に群飛して新しい巣を作り、交尾と産卵を行う。