「よ」から始まる用語一覧
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用益物権(ようえきぶっけん)
用益物権とは、一定の目的のために他人の土地を使用収益する権利を指す。土地そのものは所有せず、土地の上の建物や農地を利用し、利益を生み出す権利である。
民法上の代表的なものに、建物などの所有を目的として他人の土地を利用する地上権、小作料を払い他人の土地で耕作・牧畜を行う永小作権、通行など自分の土地のために他人の土地を利用する地役権、一定の地域の住民が特定の森林・原野・漁場等を共同で利用する入会権などがある。
ようかん型マンション(ようかんがたまんしょん)
ようかん型マンションとは、外観がシンプルな長方形のマンション、またはその外観の形状を指す。長方形の建物形状が切り分けた羊羹に似ていることから呼ばれている。
ようかん型マンションは、敷地に対して多くの建物棟を配置しやすく、シンプルなだけに建設コストも抑えやすいとされている。
洋瓦(ようがわら)
洋瓦とは、もともと西洋の住宅屋根に噴かれていた瓦を国内で改良した瓦を指す。「洋風瓦」「洋形瓦」とも言う。
幕末から明治期に最初に日本に入ったのはフランス瓦で、現在のフラットな洋瓦F型の原型となった。大正時代にスペインから上丸と下丸を組み合わせたバレル瓦が入り、その形状を応用したS字型の洋瓦S型が誕生した。現在も洋瓦の主流はF型とS型である。輸入瓦にはイタリア、イギリス、ギリシャ産などもある。素材は、和瓦と同じ粘土が基本で、色合いは自然な斑模様のテラコッタ風、赤瓦などが多い。1970~80年代以降にヨーロッパから導入されたセメント瓦は平板瓦に含まれ、通常は洋瓦とは呼ばれない。
窯業系サイディング材(ようぎょうけいさいでぃんぐざい)
窯業系サイディング材とは、セメントに繊維質を混ぜ、板状に加工した外壁素材を指す。
その製造過程で、窯の中で高熱処理されることから窯業系と呼ばれる。
窯業系サイディング材は機能性やデザイン性に優れていることから、住宅に用いられる外壁材としては最も一般的である。
大量生産が可能なため、他の外壁材と比べ安価でありながら、タイル調やレンガ調などさまざまな色やデザインに加工ができる。また、あらかじめ整型されている素材を壁に貼るため工期が短く、仕上がりの差ができにくい特徴がある。耐火性にも優れ、衝撃や地震の揺れなどにも強いとされる。
一方、セメントで作られていることから防水性には乏しいため、防水機能付塗装材でコーティングされることが多い。表面の塗装材、目地を埋めるコーキング材などにはメンテナンス作業が必要となる。
洋小屋構造(ようごやこうぞう)
洋小屋構造とは、屋根を支える構造のひとつで、三角形を作るトラスと呼ばれる組み方で荷重を担う構造を指す。従来、住宅によく使われたのは、垂直部材と水平部材で構成する和小屋とよばれる工法であったが、洋小屋は方杖と呼ばれる斜めの部材を用いた工法である。なお、洋小屋構造は短い部材をつなぎ合わせて使うため、長い部材に頼らずにすみ、和小屋よりも長尺スパンにも対応することができるので、住宅だけでなく体育館など大きな屋根空間を構築するのに用いられることが多いのも特徴である。洋小屋の部材は地上で組んで桁上まで上げるため、クレーンでの作業となる。
洋式トイレ(ようしきといれ)
洋式トイレとは、戦後に欧米から輸入され普及した便座に腰掛けて排泄するタイプの便器を指す。
洋式トイレは、足腰の不自由な人やお腹が大きい妊婦でも負担が少なく、服の裾が床につかないなどのメリットがあるほか、近年では便座を暖める機能や洗浄機能、節水機能、消臭機能など、様々な機能が開発され快適性が向上している。一方で、パーツのつなぎ目や段差などがあるため掃除はより丁寧に行う必要がある。
容積率(ようせきりつ)
容積率とは、建物の敷地面積に対する延べ床面積の割合を指す。
延べ床面積/敷地面積で計算できる。例えば、敷地面積が100m2、その敷地上にある住宅の延べ面積が90m2ならば、この住宅の容積率は90%ということになる。
建物の容積率の限度は、原則的に用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
また、延べ床面積は建物の各階の床面積を合計した面積を指すが、容積率を計算する場合、一定条件を満たす地階の床面積は含まないなどの規定があるため、実際の面積よりも小さくなることがある。
要措置区域(ようそちくいき)
要措置区域とは、土壌汚染対策法で規定されている基準を満たさない土地に指定された区域を指す。
土壌汚染対策法は、土壌の汚染を起因とする人体への悪影響を未然に防ぐことを目的に施行された法律である。土壌汚染の摂取経路の有無で人体への悪影響が出る可能性を判断するが、要措置区域は摂取経路があり、悪影響が出る可能性がある区域に指定される。要措置区域は都道府県知事が指定するが、指定した区域は都道府県のHP上などに公示される。一旦汚染された土壌は、なんらかの措置を施さないと人体に有害な物質が残ってしまうため、都道府県知事により土壌汚染を除去する措置が指示される。
用途地域(ようとちいき)
用途地域とは、建てられる建物等の大きさや種類などの用途が制限された地域を指す。
都市計画法の地域区分のひとつで、用途が混在することを防止することで、地域に合った環境が守られ、それぞれの土地で効率の良い活動を行うことが可能となる。
用途地域は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、田園住居地域の13種類あり、それぞれに建築できる建物の種類や用途、容積率、建ぺい率などの基準や規制が建築基準法で定められている。
用土(ようど)
用土とは、植物を園芸用に栽培するための土を指す。
用土は、土のベースとなる基本用土と、基本用土に成分や性能を補う改良用土の2つに分けられる。基本用土でよく使われる土が赤玉土である。他にも黒土や軽石を多く含んだ鹿沼土、粘土質の荒木田土や真砂土などがある。それぞれ特徴が異なっており、育てたい植物に合わせて性質の異なった土と混ぜ合わせて使用する。
改良用土には、有機物と無機物があり、基本用土と混ぜ合わせて空気の通りや水はけをよくする。
有機物の改良用土は植物に良い微生物の動きを活発にし、土の養分を増やす作用がある。ビートモスやたい肥、腐葉土などが有機物の改良用土であり、軽石やバーミキュライト、パーライトが無機物の改良用土である。
洋風建具(ようふうたてぐ)
洋風建具とは、西洋風の建物に合わせてデザインされた扉や窓などの建具を指す。
洋風建具でよく使われる木材は、オーク、チーク、チェリーであり、オークは堅く重厚感があり耐久性に優れ、チークは耐久性・耐水性に優れ虫害にもつよく、チェリーはきめ細やかな木目と手触り、経年による色の変化に特徴がある。
また、窓にステンドグラスを取り付けてアレンジしたり、洋風欄間を採用したりと、色々な建具を組み合わせることも可能である。
高齢者がつまづきやすい段差をなくするため、全面フローリングにリフォームを行う際にも、襖から洋風の引き戸をつける対応をすることもある。
擁壁(ようへき)
擁壁とは、高低差のある崖などの崩落を防ぐため、斜面を壁状に覆った人工の建造物を指す。
崖だけでなく、建物を建てるため土地を造成する際にも、切土や盛土で高低差ができた土地に用いられる。高低差が2m以上ある土地は、各自治体が定めている条例等により、擁壁を設けることが義務付けられていることが多い。擁壁には、鉄筋コンクリート、石、コンクリートブロックの3種類の素材がある。多くの擁壁は鉄筋コンクリート製で、逆T字型、L字型、逆L字型の3種類あり、構造計算がしやすく、敷地を有効に使うことができる。
窯変タイル(ようへんたいる)
窯変タイルとは、窯の焼成温度や酸素の量など、窯内の条件や釉の性質により表面の色味が変化したタイルを指す。
窯内のタイルの表面に釉変が生まれる。また、釉薬をかける回数やタイルの面の状態によっても、釉変の発現の仕方が変わってくる。釉変は炎と釉薬の性質を起因として予測不能に起こる現象であるため、模様を意図することはできず同一の模様を作ることはできない。そのため、タイルの色や模様が不揃いなので使用される場所は外壁の一部か、内壁でキッチンやトイレなど特殊な部分に使用されることが多い。
羊毛(ようもう)
羊毛とは、羊から毛刈りによってとれる体毛を原料とする動物繊維を指す。ウールとも呼ばれるが、この場合ヤギやウサギの毛の総称でもある。メリノ種の羊からとれる毛が一般的で、他品種の毛は編み物用、カーペット用として利用される。
羊毛は毛糸や毛織物の原料のほか、建築業界では主に羊毛断熱材の素材として使用されている。羊毛断熱材に用いられる羊毛は、バージンウールとリサイクルウールがあり、バージンウールは衣類用として使われなかった羊毛、リサイクルウールは古着を再利用した羊毛である。羊毛は、保温性のほかに、給放湿性にも優れており、羊毛断熱材を用いた建築物の壁内結露を防ぐこともできる。さらに羊毛は、難燃性や撥水性、吸音性も備えており、いずれも断熱材素材に適した特徴である。
浴室(よくしつ)
浴室とは、浴槽、洗い場などが設置された入浴のための空間を指す。風呂場、湯殿ともいう。
浴室内には、浴槽、鏡、照明、水栓などの他、水気や湿気がこもらないよう換気扇が設置される。広さや素材などを自由に選べる在来工法と、あらかじめ壁、床、天井、浴槽などのパーツがセットになった工場生産のユニットバスがあり、ユニットバスにはシャワーブースのみのシャワールームタイプ、洗面台やトイレなどが一体化した洋式バスルームタイプなどがある。
浴室乾燥機(よくしつかんそうき)
浴室乾燥機とは、浴室に設置された乾燥や換気、暖房などができる設備を指す。
電気式とガス式がある。電気式には、内部のシステムで熱を発生させる電気ヒーター式と、周囲にある空気を活用して熱を作り出すヒートポンプ式がある。ガス式はガスで沸かした熱湯の熱を利用するため、ガス温水器を設置する必要があるが、電気式と比較して乾燥にかかる時間が短縮されるという利点がある。浴室内を乾燥させるのでカビの発生を抑制でき、梅雨時など雨が降る日でも洗濯物を干すことができる。また寒い日は浴室内を暖めたりと、季節問わず快適に入浴することができる。
浴室窓(よくしつまど)
浴室窓とは、浴室に設置された窓を指す。
浴室に窓があると日光が入り、開放的な空間となる。また、カビの発生を抑制でき、窓を開けるだけで換気ができるため、電気代を節約することもできる。浴室窓には、2枚の窓をスライドさせて開閉する引き違い窓、家のドアのように一方を開閉する縦すべり窓、内側に開く内倒し窓、上下にスライドして開閉する上げ下げ窓、建物から突き出した状態の出窓、開閉できず採光だけをとるはめ殺し窓などの種類がある。また面格子を取り付けたり、目隠しルーバーを取り付けるなどの防犯対策も大切である。
浴室床暖房(よくしつゆかだんぼう)
浴室床暖房とは、床を加温することで生じる熱伝導、対流および放射を利用する床暖房のうち、浴室に設置しているものを指す。
入浴で温まった身体を足元から冷やすことを防ぐほか、暖房が効いた暖かい部屋と寒い浴室の温度差によって引き起こされるヒートショックのリスクを軽減するなどの効果がある。
床下に電熱線ヒーターを通して温める電気式と、給湯器などで沸かしたお湯を床下に通したパイプに循環させる温水式に分類される。電気式は初期費用が安いこと、温水式は床が早く温まることやランニングコストが安いといった特徴がある。
昔ながらの工法である在来工法で作られた浴室は床がタイルでできているため、床の工事のみで設置が可能。ユニットバスの場合は、床暖房を組み込んだユニットバスへの交換が必要になる。
浴槽(よくそう)
浴槽とは、浴室において水あるいはお湯を貯めて入浴に使う水槽部分を指す。深さが60cmほどあり、肩までつかることのできる「和式」、浅く細長い浴槽で、体を横にして入浴する「洋式」、深さ55cm程度のものを「和洋折衷式」の三種類に分けられる。素材は、FRP樹脂や人造大理石を使用したものが主流で、木製やステンレス・ホーロー製の浴槽も存在する。
浴槽内イス(よくそうないいす)
浴槽内イスとは、浴槽内に入れる台を指す。浴槽の中で座って姿勢を保持したり、浴槽の出入りの際に踏み台として使用したりする用具である。筋力や平衡機能等の低下で立ち上がりが難しい人にとっては安心・安全なバスタイム実現のために有効な用具となる。脚の先端部分に吸盤がついたもので、浴槽の底に吸着させて固定する吸盤式と浴槽の底において使用する据置式、浴槽上縁面に吊り下げる浴槽縁式がある。