「へ」から始まる用語一覧
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ヘアクラック(へあくらっく)
ヘアクラックとは、建築物の外壁や内壁にできるひび割れのうち、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のものを指す。
経年劣化やモルタル・コンクリートなどの乾燥、地震や地盤沈下、施工不良が主な原因である。特に経年劣化は最も多い原因で、外壁などは雨水の吸水・乾燥を繰り返すと、外壁自体が膨張・収縮を繰り返し、その負荷からひび割れが起きる。補修に緊急性はないが、見栄えの悪さや構造への影響を防ぐためにメンテナンスが必要である。修復はコーキング剤や塗料、モルタルなどを用いて行われる。
髪の毛ほどのヒビ、という意味でヘアクラックと呼ばれ、クラックが幅0.3mm以上、また構造そのものに影響を与える場所(基礎部分など)にできるものは、構造クラックといわれる。
平行突出し窓(へいこうつきだしまど)
平行突出し窓とは、壁面と並行に外に押し出す窓を指す。
窓を押し出すことで、窓枠との間にできた隙間から換気を行う。わずかな隙間のため風が直接入ることなく、室内外の温度差による気流が発生することで狭いスペースでも効率よく換気ができる。外側に大きく窓を開け放つことが難しい密集住宅地や、隣家との距離が近い場所に適している。人の目に触れにくいトイレや風呂場、洗面所などの水回りに設置されることも多い。一般的に、窓サッシや建具の素材にはアルミ、スチール、無垢材、樹脂などが使われる。
平坦地(へいたんち)
平坦地とは、敷地に高低差が少ない平らな土地のことを指す。高低差がある傾斜地に比べると建築がしやすく、工事自体も進めやすい。工事期間も短くなるので建築コストを抑えることができる。また、平坦地はプランの自由度も高く、建物完成後の生活もしやすい。道路からのアプローチがスムーズで車を横付けすることができ、買い物の運搬も楽である。ガーデニングを楽しんだり、畑を作ったりすることも可能である。
平板瓦(へいばんがわら)
平板瓦とは、長方形のフラットな洋瓦を指す。
もともとフランスから伝わった洋瓦を日本でアレンジしたもので、伝統的な本瓦葺きに使う平瓦のような湾曲はない。平板瓦は形状によって3タイプに分かれる。両端に少し盛り上がった部分のあるU型、やや大きめの山が2つあるM型、ほぼ完全に真っ平らなF型である。U型がスタンダードなタイプで、F型は屋根面に凹凸が出ないため太陽光発電のソーラーパネルを設置しやすい。U型とM型は立ち上がり部分にそって雨水が集まって流れやすいので雨仕舞が良い。
この他に、瓦を重ね合わせる部分にフックと溝をつけて相互にかみ合わせるオーバーラップロック方式によって、地震の揺れや強風の吹き上げに耐えられる防災性の高いタイプもある。
平米(へいべい)
平米とは、面積を表す単位を指す。正式名称は平方メートルである。1平米は1m2であり、タテ1m×ヨコ1mの正方形の面積を表す。
日本にメーターモジュールが導入された際に、長さの単位であるm(メートル)を米と漢字表記したため、面積の単位に平米という名称が用いられるようになった。
壁芯面積(へきしんめんせき)
壁芯面積とは、柱や壁の厚みの中心線で測られた建物の面積を指す。一方、壁の内側の寸法で測られた面積を内法面積という。建築基準法では床面積は壁芯面積のことを指すので、広告やパンフレットなどに記載されている建物面積や専有面積は壁芯面積で表示されている。ただし、マンションなどの区分所有建物では内法面積で登記されるため、パンフレットなどの専有面積より、実際の登記面積はやや狭くなる。
壁面収納ベッド(へきめんしゅうのうべっど)
壁面収納ベッドとは、壁面に設置した収納設備に格納できるベッドを指す。
発明者の名前からマーフィーベッドとも呼ばれる。ベッドを収納することで部屋を有効活用できるため、使用スペースが限られたワンルームマンションや子供部屋などに採用されることが多い。標準的に掛布団も一緒に収納できるため、ベッド使用時は引き出すだけですぐに利用できる。
壁面緑化(へきめんりょっか)
壁面緑化とは、オフィスビルや高層住宅、マンションなど、建物の壁に植物を植えるなどして、壁面を緑で覆うことを指す。
ビルの外観に自然を用いて景観を美しく変えられるだけでなく、壁面の温度上昇を抑制したり、騒音を軽減させたりする効果もあり、導入が増えている。また、雰囲気のあるカフェなどインテリアにこだわる施設では、内装に採用して、壁に草木が生い茂っているかのようにしているところもある。壁面緑化を施すことで、省エネルギー効果が期待できるうえ、植物や緑色には精神安定や疲労回復効果があり、ストレス緩和にも役立つことから、導入しているオフィスビルも多い。
壁量(へきりょう)
壁量とは、地震や強風に耐えられる木造建築を造るため、床面積1m2あたりに必要とされる壁の量を指す。建築基準法で、壁の骨組みの種類、屋根の種類、階数などにより最低限必要な壁量が定められている。まず住宅の各階ごとに地震力に対する必要壁量を求める。その際に床面積を加味するが、バルコニーや吹き抜けなどは床面積に含まない。次に風圧力に対する各階、各方向の必要壁量を求める。算出には見付面積が必要だが、垂直投影面積を求めることになる。その後、存在壁量を各階、各方向で算出する。最後に壁量充足率を判定して、各階、各方向全ての壁量充足率が1.00以上で適合となる。
ヘッドボード(へっどぼーど)
ヘッドボードとは、ベッドの頭を向ける側に取り付けられた板を指す。ヘッドボードがストッパーの役割を果たすため、マットレスや布団、枕のズレや落下を防ぐなどの効果がある。
そのほか、背もたれのように活用できるデザインになっているものや、棚になっていて小物を収納できるもの、ライトやコンセントがついているものなど様々な種類がある。なお、ヘッドボードがないタイプのベッドもある。
ヘップルホワイト様式(へっぷるほわいとようしき)
ヘップルホワイト様式とは、18世紀後半にイギリスの家具作家であるジョージヘップルホワイトが確立した様式のことを指す。シェラトン様式・チッペンデール様式とともに、18世紀に隆盛を見たイギリス家具の三大流行様式のひとつである。新古典主義に基づいた優美な形態が特徴である。代表的なモチーフとして、盾型・ハート型などの繊細な意匠を施した背もたれの椅子があげられる。
HEMS(へむす)
HEMSとは、Home Energy Management Systemの略で、家庭内の電気やガスなどのエネルギー使用量を可視化したり、自動制御したりすることで、エネルギー使用の最適化を図る仕組みを指す。
ネットワーク化されたエアコンや給湯機器、照明器具などの家電や太陽光発電、蓄電などの使用料をパソコンや専用モニターを通じて随時モニタリングすることが可能。水道やガスとも連携し、家庭内のエネルギー全てを「見える化」する。HEMSを導入することで、電気やガスの消費量を意識的にコントロールできるようになり、省エネ化が期待できる。2012年に政府から示された「グリーン政策大綱」では、2030年までに全世帯へのHEMS設置を目指すとしている。
部屋型耐震シェルター(へやがたたいしんしぇるたー)
部屋型耐震シェルターとは、住居内の一部屋丸ごとを補強してシェルターにする耐震シェルターのことを指す。
耐震シェルターには、部屋型タイプの他にベッド型、クローゼット型、押入れ型、テーブル型などがある。部屋型耐震シェルターの施工では、部屋の内側に土台の設置、床パネルの敷設を行い、壁パネル及び天井パネルを組み合わせることにより補強された箱状の空間が作られる。床の補強工事を必要とする場合もあるが、基本的には組み立てのみで施工が可能であるため、極めて短い工期で部屋のシェルター化が行える。予期せぬ災害に備え、日常生活において長時間過ごす部屋や寝室などを部屋型耐震シェルター化にすることが一般的である。
縁付き畳(へりつきたたみ)
縁付き畳とは、半畳の畳や、1畳の畳の長手方向に長い布(畳縁)を付けた畳を指す。
一般的な畳のことを指す。畳を並べて敷き詰めたときにすき間ができにくく、畳表の角の磨耗を防ぐ役割も果たす。縁は元来、畳を使用する者の身分や位を表すために、色や柄が使い分けられていた。昨今では、縁の柄は和柄や無地のほかにパステル調のものなど、デザインも豊富である。
表面が古くなってきたら畳床はそのままに、畳表を裏返して縁を付け替えて使用することができる。
縁なし畳(へりなしたたみ)
縁なし畳とは、その名の通り縁(へり)がない畳を指す。
通常は半畳の大きさで作られる。縁なし畳を琉球畳と呼ぶことが多いが、厳密には、琉球畳は、琉球畳表を使用した縁なし畳のことを指す。琉球畳表には、通常のい草とは異なる植物が使われている。
縁無し畳の製作方法は、通常使う畳表より幅の広い畳表を使い、四方に折り曲げながら土台を包み込むように加工する。その際、畳表を割らないように折る必要があり、製作に手間と技術を要する。
縁なし畳を敷くときには、畳の目で市松模様が作られることが多い。縁がないことで見た目にもスッキリとし、モダンなインテリアを実現することが可能となる。
変圧器(へんあつき)
変圧器とは、電圧を変換するための機器や部品を指す。トランスフォーマー、略してトランスとも呼ばれる。
高圧から低圧に下げるものを降圧専用変圧器(ダウントランス)、低圧から高圧に上げるものを昇圧専用変圧器(アップトランス)と呼ぶ。
電圧の上げ・下げ、両方ができる変圧器は昇圧降圧切替式変圧器(アップ・ダウントランス)と呼ぶ。
変形敷地(へんけいしきち)
変形敷地とは、三角形の土地や台形などの形の土地、旗竿地、傾斜地や崖際の土地、段差のある土地、L字地、極端に細長いうなぎの寝床と呼ばれる敷地等を指す。正方形や長方形の整形地と比較すると、一般的には住宅建築には不向きとされるため、土地価格が安目に設定される傾向にある。こうした敷地に家を建てる場合、建物の形状も敷地に合わせて変形にせざるを得ないケースが出てくるので、規格量産型のハウスメーカーでは対応できないケースがあり、フルオーダーでプランニングすることが多い。建築コストは割高になるが、一方で他にはない個性的な住宅を実現できることが特徴でもある。
片務契約(へんむけいやく)
片務契約とは、当事者の片方だけが債務を負うことを定めた契約を指す。民法では13種類の典型契約を定めていて、片務契約にあたるのは贈与・使用賃借・消費賃借・無償の委任・無償の寄託である。例えば贈与契約を結んだ場合、片方が相手に対して支払いを行う義務を背負う一方で、もう片方が何かしらの義務を負う必要はないため片務契約となる。また、消費賃借の場合で代表的なのが現金の貸し借りで、貸主は契約の成立後は何らの債務を負担する必要はなく片務契約になる。
ベースプレート(べーすぷれーと)
ベースプレートとは、柱脚を構成する部材で、鉄骨柱の脚部分に溶接し一体化される鋼板を指す。ベースプレートは、上部構造(鉄骨造)と下部構造(基礎)とを繋げる橋渡しの役割をし、基礎に埋め込まれたアンカーボルトと緊結される。 緊結する方法は、ベースプレートにアンカーボルトを差し込む穴を設け、鉄骨柱と溶接して接合し、基礎に、接合された柱やベースプレート、アンカーボルトを差し込み、コンクリートを流し込み一体化させる。
ベイウインドウ(べいういんどう)
ベイウインドウとは、台形に張り出した形の出窓のことを指す。もともとはサンフランシスコにおいて、自宅から湾岸の景色を楽しむために作られた窓といわれている。窓が張り出している分、室内に広がりがもたすことができる。張り出した部分に台所や洗面の設備を組み込んだり、窓の下方のデッドスペースにエアコンやデスクなどを内蔵した製品もある。