「つ」から始まる用語一覧
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坪庭(つぼにわ)
坪庭とは、和風建築において、建物や塀で囲われた狭い庭のことを指す。「壺前栽(つぼせんざい)」と言われることもある。採光や通風、観賞や癒しを目的とした空間である。坪庭の起源は間口が狭く奥行きの深い京町家と言われている。そこで採光や通風を確保するための空間が、徐々に趣向を凝らした「坪庭文化」を形成するようになり、中庭や玄関脇のスペースを垣根などで囲い、飛び石や灯篭などを配置し、草花や木、竹などを植えることが一般的となった。また、都心の住宅密集地ではプライバシーを確保するために隣家との間に壁や目隠しが必要となるが、開放感を生み出すために内側に坪庭を設けるケースが多い。狭小住宅などで通風・採光を確保する方法としても、坪庭が見直されている。
妻側住戸(つまがわじゅうこ)
妻側住戸とは、マンションなどの集合住宅で建物の両端に位置する住戸を指す。角住戸ともいう。呼び名の由来は、棟に直角な短面を妻側と言うところからきている。マンションなどの建物の長辺である棟に対し、直角な側面にあることから呼ばれるようになった。
妻側住戸は、2方向あるいは3方向に開口部が設けられており、他住戸に挟まれる中住戸よりも採光や通風に優れている。間取りの自由度も高く、広めのバルコニーを確保した住戸や、上層階ではルーフバルコニー付きの住戸もある。また、隣り合う住戸が少ないことでプライバシーも確保しやすい。
積み上げ張り工法(つみあげばりこうほう)
積み上げ張り工法とは、湿式のタイル張り工法の1つで、タイルを壁の下から上に向かって順番に積み込んで行くように張る方法を指す。タイルの裏面全体にモルタルを塗り付けて均してから下地に押し付けることから「付けとろ張り」とも言う。
白華現象が起きやすいため、屋外には向かないとされる。もっとも古くから行われてきた熟練の必要な手張り工法で、下地の精度はあまり問わないが、施工能率は低い。現在では、下地とタイルの密着性をより高めた改良積み上げ張り工法が一般的である。
ツメダニ(つめだに)
ツメダニとは、ダニ目前気門亜目ツメダニ科に属するダニを指す。
大きさは0.2~1.0mm程度で梅雨時から秋口に増殖し活発に活動する。チリダニやコナダニなどの体液をエサとするため、これらのダニが生息する場所には一緒にいる可能性が高い。
ツメダニは人間の血を吸わないが体液を吸うため、肌の露出部分を刺されることが多く、その場合、赤みやかゆみの症状が出やすい。ツメダニは死骸になると掃除機で簡単に吸い取ることができるが、生きているダニを吸い取るのは難しい。くん煙剤を使って殺虫するか、ふとんなら布団乾燥機を使い熱で死滅させた後、掃除機を丁寧にかけると効果的である。
吊り押入れ(つりおしいれ)
吊り押入れとは、吊戸棚のように天井から吊った状態の押し入れを指す。
通常の押し入れの床から数10cmほどのスペースを空け、浮き上がっているように見える形である。内部は、底板が通常の押し入れの中棚に当り、上部にやや奥行の浅い枕棚が設けられているケースが多い。建具は引き違い戸、開き戸、折り畳む形の折れ戸など、部屋の内装に合わせてさまざまなスタイルがある。下部の空いたスペースには、床の間のように装飾品を置いたり、床面に接する位置に地窓を設けて自然の光を採り入れたり、間接照明を付けたり、和モダン・テイストの多様なデザインが見られる。子供の玩具などを一時的に収納している家庭もある。
吊り階段(つりかいだん)
吊り階段とは、踏み板を上部からワイヤーなどで吊って支える階段を指す。
ただし、踏み板の片側のみを吊り、もう一方は壁に固定されているタイプが一般的である。踏み板と踏み板の間に蹴込み板がないスケルトン階段の一種で、圧迫感がなくデザイン性が高いためリビングに多く用いられる。吊り材の起点は天井部である場合が多いが、手すりから吊るす構造の場合もある。
吊り天井(つりてんじょう)
吊り天井とは、天井裏のコンクリート部分にボルトを装着し、格子状の骨組みを吊り下げた表面に石膏ボードなどを取り付けて作られる天井を指す。天井裏に空間ができることに加えて、照明器具や空調器具を配置できるため、空間を有効活用できるメリットがある。また、防音効果を意識した造りにすることもできる。吊り天井の仕組みは、主にショッピングモール、学校の体育館、工場などの大空間で取り入れられている。2011年3月に発生した東日本大震災の際に天井ボードが落下するなどの被害が頻発したことで耐震性が問題視されるようになり、2014年に構造基準が見直され、特定天井として一定の安全性が求められるようになった。
吊り戸棚(つりとだな)
吊り戸棚とは、主にキッチンの調理台の上に、天井や壁を使って吊り下げるように設置された扉付きの棚のことを指す。壁付けのキッチンや対面式のセミオープンキッチンに取り付けられており、後付けも可能である。収納スペースが増えること、上方のデッドスペースの有効活用ができることからマンションでも一戸建てでも採用されるケースが多い。吊り戸棚の扉の種類には開き戸のほか、扉が頭に当たる心配のない引き戸やフラップ扉がある。吊り戸棚を取り付けるときは、収納力や使い勝手を考慮して戸棚の高さを選ぶことが大切である。高さのある吊り戸棚だと手が届きにくい上段が使いづらくなるが、低めに設置するとどの段も有効活用できる。
吊り戸(つりど)
吊り戸とは、レールなどを使って部屋の上部分から吊るし、引き戸のように開け閉めする戸を指す。
一般的な引き戸と異なり、床にレールやレールの溝などがないため、足元がフラットになるのが吊り戸のメリットである。部屋の間仕切りとして使用するとき、室内をバリアフリーにするときなどによく用いられる。シンプルなデザインが多く、ライフスタイルに合わせて部屋を作り上げられる。
釣床(つりどこ)
釣床とは、床の間の形式のひとつで、天井から釣束(鴨居)を下げて落掛(上方に架した横木)を付け、小壁を施した床の間を指す。その形状から、壁床や吊床と称されることもある。下部に床板や床框などはなく、座敷畳のままであることが多い。そのため、床の間ではあるものの、座敷の一部として空間を広く使うことができる。