「や」から始まる用語一覧
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焼杉(やきすぎ)
焼杉とは、耐久性を増すために杉板の表面を焼き焦がし炭素層を人為的に形成した建材を指す。
製造方法は「三角焼き」と「バーナー焼き」が主流である。三角焼きは、縄で縛った3枚の杉板を煙突のように立て、火をつけて焼き上げる焼き方である。古くからの製造方法で、手間はかかるが高品質の焼杉が製造できる。バーナー焼きは、バーナーで直接杉板を焼いていく焼き方で、三角焼きに比べると歴史は浅いが小規模な作業場などでも製造でき、大量生産に適している。
黒色の個性的な意匠が魅力で、高品質なものであれば、50年以上の寿命があると言われている。耐久性に優れ、経済的にも優れている。ただし防音性や断熱性、気密性は高くない。焼杉を使用した建造物は圧倒的に西日本に多い。
焼き過ぎレンガ(やきすぎれんが)
焼き過ぎレンガとは、良質の粘土を使い普通レンガよりも高温で焼成したレンガを指す。
色は赤褐色で焼きムラがあり、約900度まで耐えられるのが特徴である。耐久性や摩擦に強く、吸水性が少ない性質がある。舗道や建築の仕上げ、門まわりや花壇のガーデニングDIYなどに使用される。歴史的建築物にも使われており、独特の風格が魅力とされている。焼き過ぎレンガの基本的なサイズはJIS規格の普通レンガと同様の約210mm×100mm×60mmで、重さは約2.5kg程度である。
焼付け塗装(やきつけとそう)
焼付け塗装とは、塗装皮膜の樹脂に熱を加えて焼き付けることにより、皮膜を硬化させる塗装方法を指す。大別すると3種類の焼き付け塗装がある。メラミン焼付け塗装は、表面の硬度が非常に高く、対候性も高いのでシャッターなどに利用される。フッ素焼付け塗装は、紫外線や太陽光などの自然から出る影響に対し、超耐候性をもつ。マンションや一軒家の外壁に利用されることが多い。アクリル焼付け塗装は、メラミン焼付け塗装より高い硬度を持っているので、電化製品や自動車といった耐久性を求められる用途に使用されている。
焼き破り(やきやぶり)
焼き破りとは、空き巣が行うガラス破りの手口の一つで、バーナーやライターでガラスを焼いて割ったり、熱くなったところに水をかけてヒビを入れて割ったりして侵入する方法のことを指す。ハンマーやドライバーなどの工具で窓ガラスを叩く打ち破りより、衝撃音がほとんどない、侵入までにかかる時間が短い、ホームセンターで購入できる道具で行えることなどから、ガラス破り手法の主流になっている。焼き破りに対抗するには、ガラスセンサーを取り付ける、耐火性のあるガラスに変更する、防犯フィルムを貼り付けるなどが考えられる。
役瓦(やくがわら)
役瓦とは、標準タイプの主要材料に対して特殊な部分の納まりに使われる役物のうち、瓦葺きに用いられるものを指す。
本瓦葺きでは平瓦と丸瓦、桟瓦葺きでは桟瓦、平板葺きでは平板瓦が主要材料で、使用量が多い。これらを除いた各種の瓦、たとえば、屋根の最上部に乗せる冠瓦や熨斗瓦、切妻屋根の両側に使う袖瓦、四隅に使う角瓦、軒先用の軒瓦、棟の端部に据える巴瓦や鬼瓦、すき間を埋める面戸瓦など、すべて役物である。積もった雪の落下防止のために突起について雪止め瓦も役物の一種と言える。
役物(やくもの)
役物とは、棟や隅など特定の場所に装飾として用いられる特殊な形のタイルや瓦、レンガなどの建築部材を指す。
役物タイルの種類には、面取りタイル、段鼻タイル、内幅木タイル、曲がりタイルがあり、役物瓦の種類には、のし瓦、冠瓦、面戸瓦、鬼瓦などがある。屋根にある役物の目的は、主に防水性能、部材の固定、外観イメージの印象付けなどである。
役物鴨居(やくものかもい)
役物鴨居とは、造作材を用いて作られた鴨居を指す。構造的に木材の幅を広くとる必要があるため、役物鴨居に用いる造作材にはある程度の太さがなければならない。したがって、先端に近い末口が直径20~28cm以上の太さを持つ原木から切り出されるものを使う。また、役物鴨居には、側面と下面が表に出るため見た目が美しくなるよう、節が少なく素性の良い造作材が素材として選ばれる。
役物柱(やくものばしら)
役物柱とは、住宅が完成した後も、壁の中に隠れず、表に現れている柱を指す。住宅を支える大黒柱や床の間の脇に建てられる床柱、真壁造りの和室の柱などがそれに該当する。主にヒノキやスギ、ヒバなどが使用されており、目に見える形で設置される造作用の柱なので、通常は無節材や上小節材と呼ばれる節の少ない良質な素材が用いられている。単価はやや高めとなっている。
屋敷林(やしきりん)
屋敷林とは、家の敷地内に建物を囲むように作った樹林を指す。防風、防砂など自然災害から家を守るためや、木材や燃料を得るために作られる。
特に季節風が強く吹く地域によく見られ、例えば西側のみに設けるなど、風向きに合わせて設ける例も多い。まばらに植えるところや建物が見えないほど密生させるところ、生け垣状に整えるところなど、地方によってしつらえ方には差異が見られ、用いられる樹種も多岐にわたる。
屋敷林の中には、自治体が歴史的・文化的な価値を認め、保存樹林として保全に努めているものもある。
家賃(やちん)
家賃とは、賃貸マンションやアパートなど賃貸物件の借主が貸主に支払う料金のことを指す。
一般的に家賃は1ヶ月分の金額で設定される。月の途中で入退去がある場合は、日割りで計算されることも通例である。入居する前には、日割り計算された当月分と翌月分を支払う前家賃制の契約となることが多い。
家賃交渉(やちんこうしょう)
家賃交渉とは、賃貸物件において大家や入居者が家賃の増減を要求する交渉を指す。
一般的に、家賃は建物の築年数や立地、日当たり、階数など部屋ごとの特徴によって決められる。しかし、借地借家法第三十二条では「契約の条件に関わらず、当事者は将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」とされており、経済事情や類似する他の賃貸物件との家賃の差を理由に、入居者が大家に家賃の金額交渉をすることは法的に認められている。同様に、地価や税金の上昇を理由に大家側から入居者に対して家賃の値上げを請求することもできる。
家賃債務保証(やちんさいむほしょう)
家賃債務保証とは、賃貸住宅の契約時に保証会社が借主から保証料を受け取り、従来の連帯保証人に代わって保証する制度を指す。借主が賃貸借契約の期間中に家賃等を滞納した場合に、保証会社が一定範囲内で立て替える。保証の仕組みは主に2種類があり、家賃滞納時に保証会社が貸主に弁済し、保証会社が借主に請求する一般保証型と、滞納時に限らず、保証会社が借主から委託された時に貸主に家賃を支払い、立替金を借主に請求する支払委託型がある。
家賃相場(やちんそうば)
家賃相場とは、ある地域における賃貸住宅の平均家賃を指す。
家賃は立地、建物の特徴、市況により左右される。インターネット上でエリア別や沿線別、間取り別などさまざまな切り口で家賃相場を調べることができ、予算にあった賃貸物件選びの参考にすることができる。
家賃滞納(やちんたいのう)
家賃滞納とは、賃貸物件で契約した賃料が期限を越えても支払われていない状態を指す。
滞納への対処は契約の内容により異なるが、延滞損害金の請求や契約解除、退去などが借主に求められる。契約に連帯保証人がいる場合は、連帯保証人に対して支払いが求められることもある。
家賃督促(やちんとくそく)
家賃督促とは、支払期日を過ぎても賃借人より家賃の支払いがなかった場合に家主または管理会社より賃借人に対し家賃の支払いを催促することを指す。
家賃督促の手順としては、まず支払いを忘れていないかを電話や書面、訪問などで確認を行う。それでも滞納が続けば「督促状」を賃借人に送る。依頼をしても支払いのないときは「連帯保証人へ連絡する」と伝える。さらに支払いがなければ、賃借人に督促状を送るとともに、連帯保証人にも督促状を送り家賃の支払いを求める。契約解除の内容を盛り込んだ催告書を内容証明郵便で送る。退去が決まったら、賃貸借契約を解除し部屋を明け渡してもらう。未納の家賃があるときは、引き続き督促を行う。家賃は滞納、退去もしないとなれば、法的な手続きを取ったのち強制退去となる。
家賃保証(やちんほしょう)
家賃保証とは、家賃保証会社が入居者の連帯保証人に代わって債務不履行の場合に家賃などの代位弁済をする契約を指す。
家賃保証会社の家賃保証により、連帯保証人が見つからない場合でも入居審査がスムーズになる。一般的に入居者は賃貸借契約時、月額賃料の30~100%を保証料として家賃保証会社に一括で支払う。
家賃保証会社(やちんほしょうがいしゃ)
家賃保証会社とは、賃貸借契約時に借主の連帯保証人を代行し、借主に家賃滞納などの債務不履行があった場合、貸主に支払いを保証する会社を指す。家賃保証は、従来、連帯保証人によることが多かったが、保証人に予期しない負担を負わせる可能性があること、保証人を依頼することが難しいことなどから、それに代わって、家賃保証を業務とするビジネスが広まった。家賃保証会社に保証委託する際は、入居審査として借主の家賃支払い能力が審査される。審査に通れば、借りる物件の家賃に応じて保証料が決まる。
家賃補助(やちんほじょ)
家賃補助とは、賃貸物件に入居する借主が、支払う家賃に補助してもらうお金を指す。
補助は勤務先や居住地の自治体から出される場合がほとんどである。自治体では家賃補助を前提とした公営住宅や災害支援、人口増加策として誘致するための補助などさまざまな形態がある。
柳障子(やなぎしょうじ)
柳障子とは、枠を黒塗りにした縦繁障子を指す。「短冊障子」とも言う。
障子の名称は組子の縦横の本数によって異なる。標準的なタイプの「荒組障子(荒間障子)」は「竪3本×横5本」が基本である。竪と横いずれかの組子の本数を荒組障子の2倍程度に増やしたものを「竪組障子」「横組障子」、同じく3倍くらい多いものを「竪繁障子」「横繁障子」と呼ぶ。柳障子はこの竪繁障子の別称でもあり、特に竪繁の腰高障子を指す場合もある。格式のある書院造りなど、厳格で座敷に用いられることが多く、端正な雰囲気を醸し出す。
家主(やぬし)
家主とは、主に賃貸物件の所有者を指す。貸主、大家ともいう。個人であるか法人であるかは問わない。