「ひ」から始まる用語一覧
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ヒューム管(ひゅーむかん)
ヒューム管とは、鉄条を芯にしたコンクリート管を指す。
鉄筋を芯に、コンクリートを型枠に入れて軸回転させ、遠心力を利用して、締め、固めてつくるため、強度が高く、外圧にも内圧にも強いのが特徴である。耐久性があり、コストパフォーマンスに優れたパイプであることから、下水道、灌漑、一般土木、宅地造成などを中心にさまざまな分野で活用されている。特に下水道分野においては、主要管材として数多く用いられている。
表札(ひょうさつ)
表札とは、住居の玄関などに名前、主に名字を掲げている札を指す。
表札をつける習慣があるのは日本特有のものであり、アメリカやイギリスなどではプライバシー保護や防犯上などの理由から表札を掲げる習慣はない。表札をつけることで、自分の家であるという意識が持て、近隣住民とのコミュニケーションが潤滑になり、地域コミュニティに溶け込みやすくなる。また、郵便物の誤送防止などからも表札をつけることが広まったとされている。
表札灯(ひょうさつとう)
表札灯とは、表札を照らすために設置される照明を指す。主に門柱の壁面に取り付けられることが多い。表札灯を点けると表札まわりが明るく照らされるため、夜間の来客の際に相手が家を探しやすくなる効果がある。表札灯には、シンプルなもの以外に、デザイン性の高い商品も多数販売されているので、家の顔となる表札まわりをおしゃれに演出するアイテムとしても活躍する。表札灯のライトの色は、おだやかな雰囲気を感じさせる暖色系の需要が高い。
表示規約(ひょうじきやく)
表示規約とは、不動産業界が定めた不動産広告に関する自主規制ルールを指す。一般消費者の利益を守ること(自主的かつ合理的な選択を確保すること)、事業者間の公正な競争を確保することを目的に、内閣総理大臣(消費者庁)及び公正取引委員会の認定を受けて設定されている。
正式名称は「不動産の表示に関する公正競争規約」といい、不動産公正取引協議会の加盟事業者は、この規約を遵守しなければならない。表示規約の改正作業は、全国にある不動産公正取引協議会が行っている。規約に違反した場合も、同協議会から警告や違約金などが科せられる。
表示錠(ひょうじじょう)
表示錠とは、施錠されているか解錠されているかの状態を表示する表示窓と非常解錠装置が備わった錠前を指す。
ドアの内側から施錠するタイプの錠前で、室内で使われている錠前の1つである。トイレや洗面所、浴室などに採用されているケースが多い。鍵穴は付いていないので、基本的にはドアの内側からしか解錠できないが、非常解錠装置が付いており、緊急時にはコインなどを使って解錠できる。
表層崩壊(ひょうそうほうかい)
表層崩壊とは、山の土砂が崩れ落ちる斜面崩壊のうち、山肌にある表層の土壌だけが崩落する現象を指す。「山崩れ」「崖崩れ」とも言う。
深い岩盤の層まで一緒に崩れ落ちる現象は「深層崩壊」と呼ぶ。崩壊は、速いスピードで一気に土壌が移動するもので、移動速度が遅く断続的に移動する「地すべり」とは区別される。英語では、崩壊は「slump」、地すべりは「slide」となる。崩壊の誘因としては、地震、地殻変動、豪雨、融雪などが挙げられる。
森林がある山でも崩壊しにくいとは限らない。林業家の間では「尾根マツ、谷スギ、腹ヒノキ」と言われ、水分の多いところを好む杉林のある谷間は危ないとされる。
避雷針(ひらいしん)
避雷針とは、雷を安全に地面に逃して建築物や人命を雷や落雷から保護するためのシステムを指す。
避雷針は銅やアルミなどの電気を通しやすい金属でできており、避雷針に落ちた電気は導線を通って地中の電極に向かって流れ、地面に放電することで建築物や人命を落雷被害から守る。避雷針の設置基準は、建築基準法により20mを超える建築物には避雷設備を設置が義務付けられている。また火薬取締法規則により一般火薬庫にも設置が義務付けられている。
平置駐車場(ひらおきちゅうしゃじょう)
平置駐車場とは、車道から運転したまま入出庫できるように作られた駐車場を指す。
屋根付きで1階または地下に作られるものや、屋外にスペースを確保した青空駐車場タイプのものがある。一般的には、土地を確保しやすい郊外のマンションや大規模マンションなどに多く見られる。平置駐車場は、機械を使わず出入りできる自走式駐車場であり、敷地内に平面的に駐車スペースが並んでいるのが特徴である。
平織りカーペット(ひらおりかーぺっと)
平織りカーペットとは、縦糸と横糸を交互に組み合わせて織られたカーペットを指す。
表面にパイル(毛足)がない、あるいはパイルが短く厚みが小さいという特徴を持つ。パイルのあるカーペットに比べ掃除しやすく、折り畳みが容易なため収納しやすい。代表的な平織りカーペットには、裏表の糸色を反対にして二重織りをした「三笠織り」、三笠織りの横糸にウール糸を用いた「菊水織り」、羊毛などの繊維を絡ませて作った赤いフェルト状の「緋毛氈」などがある。トルコなど中近東の遊牧民が作る手織の織物「キリム」も平織カーペットの一種である。
平角(ひらかく)
平角とは、横断面が長方形で、幅と厚さが共に7.5cm以上の角材を指す。主に木造住宅の梁と桁といった構造材として用いられる。JAS機械等級区分構造用製材として製材されており、大量生産される安価な合板材に比べると、高価な木材となっている。柱などに用いられる横断面が正方形の木材は正角と呼ばれ、断面が長方形であっても、幅が7.5cm未満の化粧板などは平角とは呼ばない。平角を製材するための木取り方法のことを「平角木取り」と呼ぶ。
ひら金物(ひらかなもの)
ひら金物とは、建築で使用する場合において、木材同士をつなぎ合わせるための金具を指す。かすがいに代わる金物として開発された補強金物で、平らで長方形をしており、40cm程度の長いものと、10cm程度の短いものがあり、用途で使い分ける。外壁の下地材施工で、何かしらの支障がある際に用いられる。用途は主に、木造2階建以上の建物の上下階の菅柱同士の緊結、大引きと床束の連結、小屋梁と小屋束の連結、母屋同士の連結、母屋と梁の結合、連結部の補強などである。
平型スレート(ひらがたすれーと)
平型スレートとは、平らな形状の屋根材を指す。主原料には、セメントやけい酸質原料、混和材料、石綿以外の繊維質原料などが含まれている。瓦と比べると軽くて丈夫、且つ日本瓦よりも価格が安い為、現在の一般住宅の屋根でよく用いられている。豊富なカラーバリエーションと、化粧加工されたパターンが大きな特徴で、新生瓦とも呼ばれている。平型スレート屋根の寿命は20~30年ほどとされていて、長期間使用するには定期的なメンテナンスが必要不可欠である。
平瓦(ひらがわら)
平瓦とは、少し湾曲した薄い長方形の粘土瓦を指す。
日本の伝統的な屋根葺き工法である本瓦葺きに使われる瓦で、平瓦を並べた境目に半円筒状の丸瓦をかぶせる形になる。古代には、円筒形の桶型に巻いて固めた後に4等分して作っていたため、形状が凹型になった経緯がある。中世以降、凸型成形台に乗せる1枚作りに変わり、現在のプレス成型につながった。古くは平瓦を「雌瓦」、丸瓦を「雄瓦」「筒瓦」とも呼んだ。平瓦は、細かく分類すると、凹みが小さい「並平瓦」、大きく湾曲した「深窪平瓦」、軒に使う唐草瓦の下に置く「敷き平瓦」などがある。
開き戸(ひらきど)
開き戸とは、蝶番や枢(くるる)を回転軸として弧を描き、前後に扉が開閉する戸を指す。
1枚の扉を設置する片開き戸と、2枚の扉を設置する両開き戸がある。両開き戸は観音開きとも呼ばれる。
開き戸は、施工上、戸袋のスペースなどの場所を取らないため、マンションの各住戸の玄関扉には開き戸が多く採用される。また、気密性の高さから、音漏れが気になる場所などには、開き戸が採用される場合がある。扉を開く際に稼働するだけのスペースが必要になるので、場所に応じて前後どちらに開くかを考慮して設置する必要がある。
平天井(ひらてんじょう)
平天井とは、天井面全体が水平に張られた一般的な天井の構造を指す。
材料や形式に関わらず、平らであれば平天井と呼ぶ。造作方法としては、天井板と直角に45cm程度の間隔で細い材を並べた「竿縁天井」、天井板の継ぎ目の裏側に狭い板を張り付ける「敷目張り天井」が多い。格子の間に裏側から四角い鏡板を張った「格天井」は格式の高い部屋に、スギのへぎ板(薄く割いた板)や竹皮を編んだものを下地板に取り付けた「網代天井」は茶室などによく見られる。
なお、平天井の場合、正確に水平に張ってしまうと目の錯覚で垂れ下がっているように見えるため、中央部をわずかに上げ気味に納める「天井起り」を付ける。
平庭(ひらにわ)
平庭とは、起伏がなく平らな土地に作られた日本庭園を指す。
平安時代からある伝統的な日本庭園は、池を備えた池泉式庭園と白砂敷きの平庭を併設していたが、京都の区画整備により面積が狭くなりどちらかの庭しか残せなくなった。白砂敷きの平庭は元来儀式で使用していたこともあり、その後寺院で多く採用された。庭園を縮小しなければならならなかったことにより、結果的に平庭の様式が普及した。枯山水庭園のほとんどが、平庭式か平庭式に低い築山のある準平庭式である。
平庭式枯山水(ひらにわしきかれさんすい)
平庭式枯山水とは、枯山水の庭園の様式を指す。
枯山水とは、水を使用せず、石や砂、植物、地形を利用して、山や川、水の流れを表現した日本の代表的な庭園の様式である。石だけのものや、草木の緑と石のコントラストが美しいものなど多くの種類が存在する。さまざまな様式があり、そのうち、起伏のない平らな庭につくられたものを平庭式枯山水という。代表的なものとして、京都府の龍安寺庭園がある。
平蒔絵(ひらまきえ)
平蒔絵とは、蒔絵の技法を指す。
一般的に蒔絵と呼ばれるものは平蒔絵である。平蒔絵の方法とは、まず漆下地の上に漆で絵を描き、固まらないうちに金粉や銀粉、錫粉などの金属粉や色粉などを表面へ蒔いて付着させる。漆を乾燥させたのち、文様の部分のみに漆をつけ、漆が硬化するのを待つ。最後に、磨き蒔絵の場合は、磨き上げて艶を出し完成となる。
平屋(ひらや)
平屋とは、地上階数が1階だけの住宅を指す。フラットハウスと呼ばれることもある。平屋の特徴は、まず災害に強いこととされる。2階建てや3階建てなど、多階建ての縦長構造と比べると、平屋の構造は安定していて損傷が生じにくく、地震や台風に強い。次に、階段がないので子どもや高齢者でも安全で、家事動線が平面のみとなるので、家事の負担も減らせる。また、増築や間取りの変更もしやすい。一方で、部屋の数を増やすためには建築面積を広めに確保しなければならない点、開放的である分、プライバシーの確保や防犯面についてしっかり対策を行う必要がある点は注意したい。平屋は昭和中期までは多く建てられていたが、その後は多階建ての建物が主流になり数を減らしてきた。しかし近年、平屋の魅力が再評価され、古民家をリノベーションしたり、新たに新築したりする動きが出てきている。
平割(ひらわり)
平割とは、住宅建材のうち、厚さが7.5cm未満で幅が厚さの4倍未満である長方形の木材を指す。
平割は下地材として間柱と胴縁などに用いられる。和室の襖や障子等の引き戸の上部にあるレール付きの鴨居も平割である。