「も」から始まる用語一覧
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モール(もーる)
モールとは、配線の収納や保護を目的とした化粧用の部材を指す。配線を床や壁に固定し、配線自体も保護するモールは、断線や事故やネットワークトラブルを防ぐ役割を持つ。モールの材質は、プラスチックが多い。金属でできたモールはメタルモールと呼ばれる。また、モールは床用・壁用といったように使用する場所によって、さまざまな種類があり、形状や強度が大きく異なる。
モールディング(もーるでぃんぐ)
モールディングとは、天井と壁の継ぎ目部分や、窓枠などの納まりを隠すために用いる装飾用造作材を指す。
内装では、天井と壁の接合部をはじめとして部材やデザインなどが変化する場所に縁取りとして使用される。外装の壁の継ぎ目やドア、柱や軒下、さらには屋根などにも施され、輸入住宅などで多く見られる。装飾のアクセントとして部材の接合部を美的に処理し、また壁面を保護する役割もある。
モールディングには、セメント、人造石、金属、セラミック、樹脂、人工木材などの様々な材質があり、用途や使用部位、建物の様式に適したものが用いられる。
モアビ(もあび)
モアビとは、主にアフリカの赤道地帯の密林に分布するアカテツ科の広葉樹を指す。硬く強度があり、摩耗に強い。シロアリやヒラタキクイムシなどの虫害にも耐性を持つ。塗装との相性がよくサテン状の光沢が出やすいため、内装材や家具材、装飾材、床材として使用される。また、外装材やデッキ材にも向く。
辺材は灰褐色または桃白色で、心材はくすんだ桃色から赤褐色である。まれに珍しい杢が出るため、杢の出たものは珍重される。
申込金(もうしこみきん)
申込金とは、不動産の購入もしくは賃貸の検討場面において、一般的には契約の意思を示すために契約前に支払うお金を指す。申込証拠金とも言われる。
新築分譲住宅の購入申し込みに際しては、売主や売主代理に支払い、契約時の手付金に充当されることがほとんどである。中古住宅購入や賃貸に際しての不動産仲介会社を介する支払いでは、契約締結や返金についてのトラブルが懸念されるため、あまり推奨されていない。
申込証拠金(もうしこみしょうこきん)
申込証拠金とは、不動産を購入する際、購入する意思をはっきりと示すために、売主や不動産業者に支払う金銭を指す。通常、数万円から10万円程度となっており、売買契約後は手付金の一部に充当され、契約にいたらなった場合は全額返金されるのが一般的である。申込証拠金を支払うタイミングは買主が物件購入の意思を持ち、売主と売渡承諾書を授受した時であるが、法的に定められているものでなく、必ず支払わなければならないという決まりや金額についてのルールはない。
木材等級(もくざいとうきゅう)
木材等級とは、木材製品の取引において、強度や品質を表す木材のランクを指す。
代表的なものとして、JAS(日本農林規格)が定めた基準が用いられており、等級の区分は、節や丸みなど強度に関して目視で見分ける「目視等級区分」とグレーディングマシンという強度を調べる測定器で強度区分に分ける「機械等級区分」に分類される。また、JAS認定外の木材はすべて無等級扱いとなる。なお、強度ではなく見た目の良さを基準に等級を判断する場合もある。
木材保存剤(もくざいほぞんざい)
木材保存剤とは、腐敗や虫害による木材の劣化を抑制し、耐久性を向上させる薬剤を指す。
防腐剤、防虫剤、防蟻剤、防かび剤、防火剤等であり、そのほとんどが無着色である。木材に対して薬剤処理をするための注薬缶と呼ばれる機械の中に木材を入れ、缶内部を減圧することにより木材に含まれる空気を排出し、その後高い圧力をかけながら缶内に充満させた木材保存剤を木材内へ深く注入する「加圧注入処理」、木材表面に無数の傷をつけ木材保存剤の浸潤を助ける加工をした後、全面に薬剤を噴射して吹付け含浸させる「深浸潤処理」、浸漬槽に木材保存剤を溜めて木材を漬け込み、木材表面に木材保存剤を定着させる「浸潤処理」などの処理方法がある。
木質系壁紙(もくしつけいかべがみ)
木質系壁紙とは、天然木やコルクを素材として作られた壁紙のことを指す。薄くスライスした天然木やコルクに紙やアルミを裏打ちして作られる。天然木ならではの色や柄、木目の風合いを楽しめる他、調湿作用も得られる。カントリー調の空間にしたり、温もりのある雰囲気を作ったりすることができ、腰壁として採用することで、空間全体をスタイリッシュにまとめることもできる。
目視等級材(もくしとうきゅうざい)
目視等級材とは、ヒノキ・スギ・マツなどの針葉樹構造材に関して、節、割れや丸みなどの強度を検査員によって見た目で評価し、等級区分されている木材のことを指す。JAS(日本農林規格)が定めている規格であり、構造計算を行う際の許容応力度の設定を可能にするために設けられている。目視等級材は1級から3級までの3段階で認定され、数が小さい級ほど木材の強度が強いことを示している。
木製サイディング(もくせいさいでぃんぐ)
木製サイディングとは、建物の外壁に張る、木製の外壁材を指す。
集成材や無垢材などの天然木材を薄い板状にして用いるため、木ならではの味わいや温もりが感じられる。
また断熱性に長けているため、夏は外気から熱が侵入してくるのを防ぎ、冬は屋内の熱が外に逃げないようにする。そのため家屋などに用いると、年間を通じて快適な生活を送ることが可能になる。
木製サッシ(もくせいさっし)
木製サッシとは、木材でつくられた窓枠を指す。
木製サッシは、熱伝導率が低いことから結露しない、気密性や断熱性が高いなどの特徴がある。
木材の質感や風合いが楽しめるサッシには、他に、耐火性や耐久性を補う特殊加工を木材に施したものや、木材とアルミを組み合わせた複合サッシなどがある。
木製建具(もくせいたてぐ)
木製建具とは、木材で作られた建具を指す。主に障子や襖、室内ドアなど、家の中の仕切り部分として使われる。開閉方式はドアタイプと引戸タイプに分けられる。一方で網戸やアルミサッシ、玄関ドアなどは金属製建具であることが多い。近年ではシンプルで使いやすい既製品の建具が増えつつあるが、建築士の設計に創意工夫を求められる場合や工務店のオリジナリティを出したい場合には、オーダーメイドの建具が用いられる。
木製フェンス(もくせいふぇんす)
木製フェンスとは、材質に木を使用した柵、囲いのことを指す。
主に道路や隣家などからの視線を遮ることを目的として、庭や住宅の周囲に設置される。使用する材質によって次のような種類に分けられる。
ソフトウッド製フェンスは、レッドシダー材、サイプレス材などの針葉樹を板材に使用した木製フェンスで、柔らかい素材であるため、いろいろなデザインへの加工がしやすい。ハードウッド製フェンスは、ウリン材、イペ材、アマゾンジャラ材、セランガンバツ材などの紅葉樹を板材に使用した木製フェンスで、硬く頑丈な材質であるため、耐久性に優れている。その他、耐久性の高い人工木製もある。
木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)
木造軸組構法とは、日本の伝統的な工法で、それを発達・発展させた工法を指す。
柱と梁で建物を支えるのが特徴である。一般的に木造とよぶ場合は、この工法を表す傾向にある。コンクリートで造られた基礎に柱を立て、その柱に梁を組み合わせる方法でフレーム状の骨組みをつくり、そこに壁や屋根など加えていくことで建物が出来上がる。柱と梁でつくられるフレームの中に、X字状の筋交いと呼ばれる建材を入れ補強する。これにより耐力壁を設けている。耐力壁の適切な配置により、高耐震・高耐久な建築物の実現が可能となる。
木造住宅(もくぞうじゅうたく)
木造住宅とは、柱や梁など住宅の主要な部分が木材でつくられた住宅を指す。
主な工法として、木造軸組工法や2×4工法、2×6工法、木質パネル工法などがある。間取りの自由度が高く、木材ならではの温もりを活かした空間づくりができる。また、木材には吸水・吸湿効果があるため、鉄やコンクリートなどの素材と比較して結露やカビの発生を抑制しやすいという特徴があり、日本の気候風土に合った構造形式として普及率が高い。
木造ラーメン構造(もくぞうらーめんこうぞう)
木造ラーメン構造とは、接合する部分を強く頑丈にすることにより、柱や梁だけでも水平力に耐えられるフレームを形成する構造を指す。
本来のラーメン構造とは、S造やRC造により発展してきた剛接合で架構を形成する。木造ラーメン構造の場合は、S造やRC造とは異なり、完全なる剛接合ではないため、回転や滑りが生じて曲げモーメントが作用する半剛接合となる。半剛接合におけるシステム開発が進展したことにより、中大規模木造建築物で採用されてきた。その後は自由度の高い構造として、一般住宅などでもニーズが高まってきている。半剛接合である木造ラーメン構造の忍耐力は、モーメントの抵抗接合部によって決定するのが一般的である。つまり、木造ラーメン構法では接合部の設計が非常に重要である。
木造枠組壁構法(もくぞうわくぐみかべこうほう)
木造枠組壁構法とは、2×4インチ等の木材を用いて枠組みをつくり、その上に構造用の合板を打ち付け、壁や床をつくる構法を指す。耐力壁と剛床を一体化した箱型の造りになっており、面材で建物を支えている。木造軸組構法と比較すると部材の種類が少なく、つなぎ目も簡単な造りになっている。そのため、建築経験が浅い職人でも施工しやすい構法である。また、構造方式などに多くの法的制限がある。この法的制限の厳しさにより、木造枠組壁構法の安全性が保証されている。
目標耐震性能(もくひょうたいしんせいのう)
目標耐震性能とは、建築物の耐震補強工事において目標とする耐震性能を指す。
建築基準法で定めている耐震性能は、人命の保護を第一にあげている。そのため地震が発生した場合、住宅などの建物の構造体は部分的に損傷しても、居住者が屋外に避難することが可能な程度の耐震性を求めている。
耐震性能には柱や梁の強さや粘り、壁の多さ、地震に強い耐力壁のバランスよい配置など、いろいろな要因が影響するため、建築物や土地に合わせて目標耐震性能を決める必要がある。
官公庁など公共の施設においては、国土交通省で構造体・非構造部材・建設設備にそれぞれ耐震安全性の目標が設定されている。
木片セメント板(もくへんせめんとばん)
木片セメント板とは、小さな木片を防水・防腐の薬剤処理した上でセメントと混合して加圧成型したボードを指す。
主に間伐材や製材残材などを砕いて、大きさが5cm以下のチップや薄いフレーク状にした木材が用いられる。建築用としては、かさ密度が0.9以上の「硬質木片セメント板」しか現在は生産されていない。準不燃材料のため耐火性を求められる部位、鉄骨造の屋根下地(野地板)や外壁下地などに使われている。断熱材や吸音材との複合製品もある。
杢目(もくめ)
杢目とは、鋸などで木材を切断したときに、現れる模様を指す。
複雑で美しい木理模様が特徴で、花や鳥などの形に見立てて楽しむなど、古くから味わいのある模様として親しまれている。杢目には、丸い玉杢やコブの玉杢、虎の縞模様のような虎杢、濃淡のある縞模様のリボン杢など、模様によって多くの種類に分けられる。同じ木でも切り方や切り取る場所によって杢目は異なる。特に装飾性や希少性の高い杢目は、その模様を活かして和風建築や美術品などに使用されている。