「そ」から始まる用語一覧
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SOHO(そーほー)
SOHOとは、Small Office Home Officeの略称で、小規模事務所や自宅の一部を仕事場として事業を行う形態を指す。またはその用途に対応した物件を指す場合もある。
明確な定義はないが、財団法人日本SOHO協会は、ITもしくはICTを用いて事業活動を行う従業員10名以下程度の規模の事業者としている。近年では都市郊外に、FAXやコピーなどOA機器を有する小規模SOHO施設が登場している。
ソーラーサーキット(そーらーさーきっと)
ソーラーサーキットとは、外断熱と二重通気を組み合わせた建築技術、及び工法を指す。
建物の断熱・気密性能を高め、計画換気システムを導入することで、寒暖差や温度差の激しい場所でも快適な住環境を実現する。具体的には、構造体の外側全体に断熱材を施し、地熱を蓄えて外気の影響をシャットアウトする。また、躯体の中に二重の通気層をつくり、夏はその通気層を解放することで熱気・湿気をためずに外に逃がし、冬は閉じて冷気の侵入を防ぎ室内の暖気を逃さない。これにより、冷暖房に頼らず、夏は涼しく冬は暖かい環境をつくることが可能となる。
ソーラーシステム(そーらーしすてむ)
ソーラーシステムとは、熱エネルギーを効率的に循環・媒介するシステムを用いて運用する太陽熱利用システムを指す。
太陽熱を吸収する集熱器とその熱で水を湯に変えて貯蔵する蓄熱槽、熱を取り出す機械など、比較的大きな設備を利用するソーラーシステムを「アクティブソーラー型」、自然のエネルギーを人工的に熱に転換せず、簡単な装置で建築物内に貯蔵したり、工夫して良好な屋内熱環境をつくり出すソーラーシステムを「パッシブソーラー型」という。集めた熱エネルギーは給湯や暖房などに利用できる。一般の家庭での利用はもちろん、ホテルや病院、福祉施設などでも利用されている。
ソーラー住宅(そーらーじゅうたく)
ソーラー住宅とは、太陽熱をエネルギーとして活用できるように設計されている住宅を指す。
エコロジー性に特化して、光を多く採り入れられる高い窓、蓄熱性が高い建築設計などによって、エネルギーの消費を抑えている。大きく分類するとパッシブソーラー住宅とアクティブソーラー住宅の2種類に分けられる。パッシブソーラー住宅は機械などをできるだけ使用せずに自然光や太陽光を採り入れて、冷暖房の使用を控えながら、太陽エネルギーや自然のメカニズムを利用する。アクティブソーラー住宅は集熱装置を屋外に置き、熱媒体を利用して屋内に熱を採り入れ、蓄熱装置に蓄える。蓄えた熱は屋内で放散させ、暖房に用いられる。
創エネ(そうえね)
創エネとは、自治体、企業、一般の家庭など、電力会社のエネルギー施設以外でもエネルギーを創り出せるという考え方、およびその方法を指す。創エネルギーの略称である。
創エネは、二酸化炭素や窒素酸化物といった環境負荷の高い物質を排出しないクリーンエネルギーによって行われることが一般的で、太陽光発電、燃料電池を用いる水素発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などがある。
騒音(そうおん)
騒音とは、うるさく不快にさせる音や、行動を阻害したり、苦痛を与えたりする音を指す。
騒音が発生するのには、物理的な現象として発生する音のほか、ある音に対し聴覚・心理的に「うるさい音」と認識することなどが要因になる。
そのため、環境基本法第16条第1項に基づき「生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準」が規定されている。昼間は50デシベル以下・夜間は40デシベル以下、昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下など地域によって環境基準は異なるが、各地方自治体においてはこの環境基準に基づき、騒音による影響を緩和する取り組みが実施されている。
騒音規制法(そうおんきせいほう)
騒音規制法とは、騒音について必要な規制を行うとともに、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とした法律を指す。工場及び事業場に発生する騒音や自動車騒音の許容限度、飲食店やカラオケ店の深夜営業騒音についても規定されている。
規制の対象は、特定工場・事業場、特定建設作業、自動車騒音、深夜騒音の4つである。
特定工場・事業場と特定建設作業は、事前に市町村長への届出が必要で、違反があれば市町村長は改善の勧告や命令を行える。自動車騒音は、市町村長が都道府県公安委員会に道路交通法の規定による措置を執るよう要請できる。飲食店営業などによる深夜の騒音、拡声機を使う放送による騒音は、地方自治体が営業時間の制限など、必要な規制を行える。
騒音対策(そうおんたいさく)
騒音対策とは、生じる騒音に対し、発生を防ぐ・聞こえてこないように工夫するなどの措置全般のことを指す。
人が日常生活を送るうえでは、騒音を発生させている原因への対処が重要になる。具体的には、騒音の伝播を制限する「遮音」と、吸音材を用いて騒音の拡散を防ぐ「吸音」を組み合わせて行われる。
例えば、騒音の発生源を住民の生活圏から離れた場所へ移動させる、壁や塀あるいはスチールプレートなどで遮蔽し周囲へ音が伝わらないようにする、などといった対策が挙げられる。
集合住宅においては、時間帯によっては大きな話し声や足音に気をつけ、テレビや楽器演奏により生じる音量を抑えるなど、日ごろから個々が注意することも、重要な騒音対策となる。
騒音等級(そうおんとうきゅう)
騒音等級とは、実際に室内で聞こえる騒音のレベルをランクわけしたものを指す。「N値」(Indoor Noise LevelのN)で表す。数値が低いほど静かであることを示す。物理的に遮音性能の同じ建物でも、周辺環境、各住戸の状況などによって異なる。日本建築学会では、居室はN-35(「小さく聞こえる」レベル)を好ましい性能水準(1級)、N-40(「聞こえる・会話に支障なし」レベル)を一般的な性能水準(2級)と定めている。
騒音トラブル(そうおんとらぶる)
騒音トラブルとは、近隣住民が発生させる音が原因となって生じるトラブルを指す。
代表的な原因には、ピアノやバイオリンなどの楽器演奏、子どもの叫ぶ声や走り回る足音、ペットの鳴き声などがある。また、夜遅くや朝早くに洗濯機を回す音や、掃除機をかける音でトラブルになる場合もある。
騒音規制法という法律は、工業騒音を対象としたもので住民同士のトラブルには適用されない。そのため主な対応策は、管理会社や管理組合などに相談することである。それでも解決が困難な場合、警察や弁護士を通して警告したケースもある。
層間変形角(そうかんへんけいかく)
層間変形角とは、地震などによる横揺れにより、住宅やマンションなどの建築物が水平方形に変形した際の、各階の床と、その直上や直下の床との水平方向における変形角度を指す。階間の水平移動距離の差を垂直方向の高さで割って算出する。
建物の耐震性を保つ為に重要な基準であるため、設計の際にフロア毎の変形をどこまで許容できるかを検討するための指標とされる。
建築基準法では、高さ13m超または軒の高さ9m超の木造特殊建築物をはじめとする特定建築物に対し、層間変形角が1/200以内であることと定められている。
総揮発性有機化合物量(そうきはつせいゆうきかごうぶつりょう)
総揮発性有機化合物量とは、VOCつまり揮発性有機化合物の総和で汚染濃度の水準を指す。Total Volatile Organic Compoundsの略でTVOCと表記される。
TVOCは、溶剤や燃料として重要な物質で、幅広く使用されているが、近年ではホルムアルデヒドによるシックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康被害を引き起こす可能性のあるものとして問題になっている。
各国で削減の取り組みがされていて、日本では経済産業省より事業者のVOCの削減をするため、産業構造審議会において産業環境リスク対策合同ワーキンググループを設け、VOC削減のための支援制度を整備している。
倉庫(そうこ)
倉庫とは、荷物を保管または管理するための蔵を指す。倉庫は利用者と設備基準によって営業倉庫と自家用倉庫に分けられる。
営業倉庫は、倉庫業法に基づき国土交通大臣の登録を受けた物件であり、火災などの事故を防ぐための施設・設備基準を満たしているほか、荷主のために保管サービス利用における約款や火災保険加入が義務付けられているという利点がある。
自家用倉庫は、営業倉庫以外の倉庫を指す。主に倉庫所有者自身が荷物の保管・管理を行う場合を想定しており、倉庫業法で定める基準を満たすことは任意であり、設置場所や利用についての自由度は高い。
総戸数(そうこすう)
総戸数とは、一棟に入居できる世帯数、または分譲住宅の開発区域内に建築される住宅の総数を指す。不動産の表示に関する公正競争規約施行規約には「新築分譲住宅においては、開発区域内に建築される住宅(建築予定の住宅を含む。)の戸数をいい、新築分譲マンションにおいては、現に取引しようとするすべての建物の一棟ごとの住戸の戸数をいう。」と定義されている。
総合設計制度(そうごうせっけいせいど)
総合設計制度とは、一定の条件を満たす建築プロジェクトに対して、建築物の容積率・絶対高さ・斜線制限が緩和される制度を指す。
対象は、500m2以上の土地で、敷地内に地域の歩行者が自由に利用できる公開空地(公的な広場)を設け、建築物の形態が街づくりや環境改善に貢献すると認められる建築プロジェクトである。建築基準法第59条2に基づいて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可を受けると、たとえば、容積率は1.5~2.0倍(かつ200~400%増以内)のボーナスが出る。
各自治体では、国が設けたガイドラインに沿って総合設計制度許可要綱を制定して運用を行う。都心居住型、一定のマンション建て替え型など、いくつかのタイプがある。
早材(そうざい)
早材とは、一年輪のうち春から夏にかけて形成される木材の細胞部分を指す。
春から夏に形成されることから「春材」とも呼ばれる。春は年間を通じてもっとも樹木の成長が活発なため、色は白く密度は小さい。この色が薄い早材と、色が濃く夏から秋に形成される「晩材」の切り替わりにより、板に美しい木目を生む。
総二階建て(そうにかいだて)
総二階建てとは、2階建ての建物で、1階と2階の面積がほとんど等しい住宅を指す。限られた土地面積のうち、建物部分に利用できる床面積をフル活用でき、効率的な家づくりができる可能性が高い。通し柱や梁などの構造がシンプルになるので、耐震性が高まるとされる。外壁面に凹凸がないので、材料を節約でき、コストダウンも可能となる。また、1階部分の屋根がないため、2階から家に侵入される可能性が少なくなり、防犯性を高めることもできる。
層崩壊(そうほうかい)
層崩壊とは、強い地震がおこった際に、建物の一部の階だけが潰れてしまう現象を指す。
大きな地震によりマンションの1階駐車場のみが潰れることがあるが、これは1階に層崩壊が発生したものである。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物で、階によって形を大きく変えると、耐震構造も異なるため、階ごとに地震に対する強度が変わってしまう。そこへ強い地震が発生すると、地震の揺れによる負荷が剛性の低い階に集中し、その階の柱が折れ、階を維持できなくなり潰れてしまう層崩壊が発生する。
双務契約(そうむけいやく)
双務契約とは、契約の当事者同士の法律上の利益、報酬が対等な状態であり、それぞれに債務を負担する契約を指す。契約の当事者に債務の負担があるかないかで契約を分類する方法の一つである。双務契約は、民法が規定する13の典型契約のうち、売買や交換、賃貸借、請負、組合、有償の委任、有償の寄託、雇用などである。売買においては、商品を引き渡す債務と代金を支払う債務を互いに負う。双務契約においては、債務の一方が成立しない場合は他方も成立しない。また、一方が債務を履行しない場合は他方が債務を履行しなくても責められず、自分の債務不履行を主張できる。
添え柱(そえばしら)
添え柱とは、補強を目的として柱の脇に添わせて設けられた小柱を指す。また、古くなった建造物の柱や腐りかけている柱の腐食部分を除去した場合、新たに継ぎ足す部材として添え柱が使用されることもある。
添え柱は、地震が多い日本においては耐震補強として重要な役割を担う。一般的な木造建築で使われる添え柱は木を使用しているが、トンネルなど強度がより必要とされる建築物においては、コンクリートを使用した添え柱が用いられている。コンクリートを利用した添え柱は、鋼管柱やCFT鋼管柱とも呼ばれている。