「た」から始まる用語一覧
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多雪地域(たせつちいき)
多雪地域とは、建築基準法おいて規定される、垂直積雪量が1m以上の区域、または、当該区域中の積雪部分の割合が2分の1を超える状態が継続する期間の日数を指した初終間日数の平年値が30日以上の区域、のいずれかの基準を満たした区域を指す。多雪区域とも呼ぶ。
多層式駐車場(たそうしきちゅうしゃじょう)
多層式駐車場とは、建物や機械装置によって多層化・立体化した駐車場を指す。立体駐車場とも呼ばれる。
ドライバー自身が運転して入出庫する自走式と、機械を操作して入出庫する機械式に大別される。駐車台数を確保するため、マンションや商業施設、公共施設などで採用されることが多い。
自走式立体駐車場には、駐車場の各階がスロープで連結されたフラット式、駐車場を半階分ずつずらしたスキップ式、緩い勾配の駐車スペースで構築された連続傾床式がある。機械式駐車場には、車をエレベーターで運搬して収容するタワー式、車を載せたパレットを上昇・横行して収容する多段式があり、狭小地でも多くの台数を確保することができる。
三和土(たたき)
三和土とは、土や漆喰、コンクリートなどで仕上げた床材を貼らない土間を指す。
もともとの和風建築では、土に石灰と苦汁(にがり)を混ぜ合わせて練ったものを、3寸(約9cm)程度の厚さで土間に塗り、叩いて固めた仕上げ方を意味する。3種類の原料を混ぜることから「三和土」という当て字になった。「敲き土」「叩き土間」の略とも言われ、「漆喰叩き」とも呼ぶ。
現在の土間はコンクリート下地にモルタル仕上げが一般的で、材料を叩かないが、俗に「たたき」と称されている。
畳(たたみ)
畳とは、日本独自の床材のひとつを指す。
畳床(畳の芯)に、イグサを編んだ畳表を貼り付けて作られており、ほどよい硬さとクッション性を両立させているのが特徴で、湿度調整機能を持つ。本来は、圧縮した藁を畳床に使用するが、現在ではフォームポリスチレンなどの素材を利用するのが一般的になっている。主な畳の大きさは田舎間(江戸間・関東間)が1,760mm×880mm、中間(中京間)が1,820mm×910mm、京間(本間・関西間)が1,910mm×955mmで、地域や物件によって異なる。近年は縁無しの正方形の畳(琉球畳)を使用するケースも増えている。
畳表(たたみおもて)
畳表とは、い草などを編み込んで作られた畳の表面を指す。
畳表は、麻や綿の経糸(たていと)を並べたものと交差するようにい草を織り込んで作られる。目を細かく詰めて織り込むと耐久性が高くなる。
国産い草を使った畳表が上質とされるが、近年は中国産のい草の畳表や和紙や樹脂の糸を織り込んだ畳表もある。和紙や樹脂の畳表は、カラーバリエーションが豊富なため編み方で模様を作ることもでき、ダニやカビが発生しにくいメリットがある。
畳下収納(たたみさげしゅうのう)
畳下収納とは、畳の下のスペースを有効利用する、床下収納を指す。和室の一部に収納ユニットを埋め込むタイプと、フローリングの上などに設置する、移動可能な置床式のタイプがある。開口部はハッチ型の蓋または置き蓋があるが、置床式のタイプの場合、その他、引き出し型がある。
畳床(たたみとこ)
畳床とは、畳の胴体となる芯材のことを指す。
畳は、畳床の上にい草を織り込んで作られた畳表を張り、周りを畳縁と呼ばれる綿糸などの細い帯で縁取る構造になっている。元々は稲わらを圧縮して固めた「藁床」が使われていたが、近年では入手しにくくなったことで「建材畳床」や「化学床」が主流になっている。藁床は、弾力性、保温性、調湿作用、空気浄化作用などの高い機能のほか、長寿命で繰り返し張替えが可能だが、重量がありダニやカビが発生しやすい。
建材畳床は、藁床の代わりに木材ボードを使用したもので、廃材を利用することもでき環境にやさしく経済的だが、機能的には藁床に劣る。化学床は、ポリスチレンフォームを使用しており、ボードのみ、あるいは稲わらや木材でフォームを挟んだものがある。断熱性や遮音性、衝撃性があり、軽量なのが特徴である。
畳ベッド(たたみべっど)
畳ベッドとは、床板に畳を設置したベッドを指す。畳の上には、マットレスではなく布団を敷くのが一般的である。
寝心地は畳の上に布団を敷いて寝るのとほぼ同様である。高さがあるのでホコリなどを吸い込みにくく、立ち座りの動作が楽にできる。布団の上げ下ろしの負担も軽減するが、布団を敷いたままにすると湿気がこもりカビ等が発生しやすくなるため、布団を上げて風を通すなど湿気対策は必要である。ベッドを使わない時は布団を片付けて、小上がりとしても使用できる。
畳縁(たたみべり)
畳縁とは、畳のふち、またはそのふちにつける布を指す。畳床と畳表を覆って畳を補強するために付けられる。
古くは模様や色によって身分等を表していたが、現代では自由に選ぶことができ、錦糸、麻のロウ引き糸、化学繊維など、素材も様々である。柄も、オーソドックスな柄縁、無地縁、花柄やチェックなど和モダンのおしゃれなものまでカラーも多彩になっている。
立足束(たたらづか)
立足束とは、床の間の床框が本柱のない壁に当たる部分に、床框から立ち上げる形で付ける小束を指す。
特に、床の間への採光のために書院を奥まで入れた「取り込み書院」の場合、床框は書院の腰壁の間に中途半端に交じり合う格好になるため、ここの納まりをよくするために採用されることが多い。書院の甲板(地板)を支える役割も果たす。格式のある書院造りでは、床框や座敷造作材と同じ材料にする。茶室や数寄屋風の床の間の場合はほとんど使われない。
なお、同じ読み方で「栭束」と表記する場合は、社寺建築の高欄に用いる束を意味する。
立ち上がり補助便座(たちあがりほじょべんざ)
立ち上がり補助便座とは、電動あるいはスプリング式で便座が昇降し、立ち座り動作を補助する便座を指す。
便座が垂直に持ち上がるタイプと、便座の後方から斜めに持ち上がり前方へ便座を送り出すタイプの2種類があり、股関節や膝関節の可動域、痛みの有無、立ち上がり方や座り方によって使用者に適したものを選ぶ。車いすからの移乗がしやすいようにアームサポートが取り外せるものなどもある。
導入する際には、便座を上げた状態で移動したり車いす等へ移乗するためのスペースがあるかどうか、便座の高さが通常より高くなるため、足がつくかどうかなどの確認も要する。また、傾斜昇降タイプの場合、上昇時に前に滑りやすいので注意が必要である。
立退費用(たちのきひよう)
立退費用とは、借家や借地などを立ち退いてもらうために、賃貸人が賃借人に支払う費用を指す。立退料ともいう。
明確な支払い根拠はなく、その意味や金額、立退費用が発生するケースはさまざまである。多くは、賃貸人の理由により明け渡しを依頼する場合に支払われる。法律上の根拠なしに立ち退きを依頼する場合の補償金として支払うもの、移転費用に伴う補償、立ち退きによる利益損失や利用権損失の補償などである。立退費用は、基本的に賃貸人と賃借人の間でやり取りをし、合意まで至る。
タッピングビス(たっぴんぐびす)
タッピングビスとは、先端部分に錐状の刃が付いたタイプのビスを指す。薄い鉄板や軽量鉄骨にボードなどを固定する際に用いられる。インパクトドライバーなどでこのビスを打ち込むと、ビス自身が材を切り込んでメスネジを切りながら進むので、下穴を開ける必要がない。使用できる鉄板の厚さは1~2mm程度までで、それより厚い場合は下穴を開けてネジを切ってから打つ必要がある。外張断熱用、ステンレス瓦用、窯業系サイディング用、波板用など、目的に応じたタイプのものがある。「タップビス」または「シートメタルスクリュー」ともいう。
建替え(たてかえ)
建替えとは、既に存在している建物を壊して撤去し、新しく建物を建築する行為を指す。
マンションの場合は、住民の合意形成や建替え費用の捻出、法律や条例の準拠など難しい問題が多い。そのためマンション建替え円滑化法が2002年に公布・施行された。建替事業の主体、運営ルールおよび意思決定の手続きの明確化や区分所有権および抵当権、賃借権などの権利関係が再建マンションに円滑に移行されるための手続きなどが定められている。2014年には同法律が改正され、耐震性不足の認定を受ければ、多数決(区分所有者の5分の4以上の賛成)により、マンションおよびその敷地を売却できる制度が創設された。
竪額障子(たてがくしょうじ)
竪額障子とは、紙貼り障子の中間部に額縁状の板ガラスが組み込まれた額入障子のうち、縦長にガラスが入っているタイプを指す。「竪額入り障子」とも言う。
横に長いガラスが入っているものは「横額入り障子」と呼ぶ。竪額障子の下の部分は基本的には、足元30cm前後を板張りにした腰付障子と同じである。腰板のすぐ上に横幅いっぱいのガラスを入れたタイプを「直ガラス障子」、ガラスの前に開閉できる小障子を付けたものを「雪見障子」(「上げ下げ障子」「猫間障子」の別称もある)と言う。
縦型照明付洗面化粧台(たてがたしょうめいつきせんめんけしょうだい)
縦型照明付洗面化粧台とは、鏡の左右に縦長の照明を配置した洗面台を指す。
天井だけでなく、左右からも照らすため、顔全体を均等に明るく照らすことができる。そのため肌の色合いをよく確認しながら化粧することや、身づくろいをすることができる。近年の製品はLED照明が主流であり、非常に明るく、デザイン性も高い。蛍光灯と異なり、ライトの幅がせまくスリムであり、収納にも優れている。調光機能を持つ製品もある。
建具(たてぐ)
建具とは、外部との仕切りや部屋の仕切りなどに取り付け、開け閉めすることができる襖・窓・障子・戸などを指す。
部屋と外部との遮断、空間を遮る間仕切り、開口部を閉じるといった機能を持つ。建具には、戸・ドアなど玄関や勝手口にある出入り口建具、窓まわりの窓建具、室内ドアや襖・障子など建物の中にある内部建具、門や塀、垣根などの外構建具といった種類がある。
縦繁障子(たてしげしょうじ)
縦繁障子とは、横組み障子を基本として、これに縦の組子を多く入れた障子のことを指す。
縦方向の組子が7本以上あるものは、柳障子と呼ばれる。縦繁障子は主に関西地方で多く使われており、目が細長く、優しく光を取り込むため落ち着いた感じを与える。
竪繁障子(たてしげしょうじ)
竪繁障子とは、横組み障子を基本として、これに縦の組子を多く入れた障子のことを指す。
縦繁障子と表記されることもあり、また縦方向の組子が7本以上あるものは、柳障子と呼ばれる。竪繁障子は主に関西地方で多く使われている。目が細長く、優しく光を取り込むため落ち着いた感じを与える。
縦すべり出し窓(たてすべりだしまど)
縦すべり出し窓とは、縦方向を軸に半回転させながら、室外側へ滑り出させて開ける窓を指す。
縦すべり出し窓は全開の状態まで開けると、外壁に対して90度になる。そのため、風通しが良く、換気性に優れている。サッシの外側にも手が届き、掃除がしやすい。また防犯面においても利点があり、基本的に縦に長く幅が狭い縦すべり出し窓は、外部からの侵入が難しいとされている。これらの特徴から、一般的に浴室やトイレに使われることが多い。さらに防犯面に期待できることから、1階に設置されるケースもある。