「た」から始まる用語一覧
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縦すべり出し窓(たてすべりだしまど)
縦すべり出し窓とは、縦方向を軸に半回転させながら、室外側へ滑り出させて開ける窓を指す。
縦すべり出し窓は全開の状態まで開けると、外壁に対して90度になる。そのため、風通しが良く、換気性に優れている。サッシの外側にも手が届き、掃除がしやすい。また防犯面においても利点があり、基本的に縦に長く幅が狭い縦すべり出し窓は、外部からの侵入が難しいとされている。これらの特徴から、一般的に浴室やトイレに使われることが多い。さらに防犯面に期待できることから、1階に設置されるケースもある。
建て付け(たてつけ)
建て付けとは、戸や障子などの建具と、隣接部材の納まり具合のことを指す。
通常ぴったりと収まる戸や障子などが、収まりにくい状態を「建て付けが悪い」という。建て付けが悪くなる原因には、建物自体の経年劣化、建具の枠の経年劣化、建具の蝶番などのゆがみ・破損、建具または枠など木材の湿気による膨張、地震や地盤沈下による建物や建具のズレ、などが挙げられる。
悪くなった建て付けを改善させるには、劣化した木部を削る、蝶番など劣化した部品の交換や調整など、建て付けが悪い原因を調査し、それぞれに適切な対処が求められる。
縦羽目板(たてはめいた)
縦羽目板とは、板張りの壁仕上げに使う板材の一種で、長さ方向を垂直に連続して張った板、またはその張り方を指す。「縦張り羽目板」「熨斗羽目(のしばめ)」とも言う。
板同士のつなぎ目は「合じゃくり(板側面の厚みを半分ずつ欠きとる)」「本実(ほんざね(板側面に凹凸をつける))」「矢筈(やはず(板側面に山谷型をつける))」「目透かし(継ぎ目に少しすき間を開け、裏に敷目板を貼る)」などの方法がある。和洋風、内壁・外壁ともに用いられる。横羽目板より雨仕舞いの問題は少ない。
縦舞良戸(たてまいらど)
縦舞良戸とは、板張り建具の1種で、表面に細い桟を縦に組んだ板戸を指す。
舞良戸は、建具枠に鏡板を張り、室外側に「舞良木」と呼ばれる細い桟を等間隔で奇数本(11~19本)入れた板戸を言う。通常、舞良戸と言えば、鏡板を縦張り、舞良木を横に組んだものを指すが、縦舞良戸は鏡板が横貼り、舞良木が縦組みになっている。
なお舞良戸は、平安時代後期に誕生したもので、明り障子(明り襖)の保護のために外部建具として設置された。現在の雨戸の原型と言える。のちに書院造りの引き戸の形式に取り入れられた。
建物譲渡特約付借地権(たてものじょうととくやくつきしゃくちけん)
建物譲渡特約付借地権とは、借地借家法に定められた定期借地権の一種で、借地契約の終了時に、借地上の建物を貸主が買い取る特約が付帯された借地権を指す。
借地契約の存続期間は30年以上と定められている。建物譲渡特約の設定は、確定期限付売買特約か売買予約契約のうちいずれかのパターンになる。借地権者にとってのメリットは、建物の解体費用が不要で、譲渡によって投下資金の一部を回収できる点にある。一方、土地を貸す地主にとっては、建物の簿価や固定資産税評価額などを参照した「相当の対価」で買い取る必要があるが、建物が賃貸物件の場合は、買い取り後にテナントとの賃貸契約を引き継いで運用できる。
建物譲渡特約付借地権上の用途としては、賃貸マンション、商業施設、社宅、高齢者施設などがある。
建物診断(たてものしんだん)
建物診断とは、物件の外壁、屋根、屋上、配管などの設備を各専門家が検査し、今の状況を確認することを指す。これから不動産を購入する場合や、所有している建物の劣化診断をすることによって、現在の資産価値を知ることができる。実施にあたっては、まずは資料の確認を行い、竣工図面や、過去に修繕した場合は改修履歴などを確認する。診断をすることで長期修繕計画を策定できるため、大規模修繕を実施する時期を検討できたり、建物や設備の状況を把握し維持することで、資産価値を長く保つことができるなどのメリットがある。
建物面積(たてものめんせき)
建物面積とは、1つの建物内の各階の床面積を合計した総面積を指す。
床面積は壁や柱の中心線で囲まれた範囲を計算したもので、実際の居住スペースは床面積よりも狭くなる。
床があっても壁で囲まれていないバルコニーや庇、ピロティ、ポーチなどは奥行きが2m以下は含まれないが、2mを越える場合には建物面積に含まれる。建物内にある地下室やビルトインガレージも建物面積に含まれる。
多灯照明(たとうしょうめい)
多灯照明とは、一部屋を複数の照明器具を使って明るく照らす照明を指す。例としてシーリングライトとダウンライトなどが挙げられる。
複数の照明器具を使うため、読書する場所にはスポットライトを設置するなど、生活シーンに合わせた無駄のない明るさの調整が可能となっている。また、ワット数が低く消費電力の少ない照明を分散して設置するため、快適性が高まるだけでなく電気代の節約ができる。
ダニ(だに)
ダニとは、ダニ目に属する節足動物を指す。
昆虫ではなく、頭、胸、腹が一体で胴体部にあり、クモやサソリと同類にあたる。胴体部の前方に、口器として使用する顎体部がある。
一般家屋などの屋内に生息するダニは、屋内塵性ダニ類と呼ばれ、ヒョウヒダニ(チリダニ)類、コナダニ類、ツメダニ類がある。中でも、ヒョウヒダニ類のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニは、屋内に生息するダニ類の7~9割を占める。チリダニは人を刺さないが、喘息やアトピー性疾患を引き起こすアレルゲンをもっている。
ダニは、人の衣類やバッグ・靴、ペットの毛に付着して屋内への侵入するが、侵入を防ぐことは難しいため、屋内で繁殖させないようにするのが重要である。また屋外に生息するダニは屋外ダニと呼ばれ、特にマダニは大型で刺されると感染症を引き起こす可能性がある。
田の字型間取り(たのじがたまどり)
田の字型間取りとは、玄関から、奥にあるベランダあるいはバルコニーに向かって伸びる廊下を軸にして、各部屋を漢字の「田」の字のように配置する間取りを指す。
マンションやアパートなどの集合住宅では代表的な間取りタイプで、玄関から入って左右に居室、中央部にキッチンや浴室、ベランダ(バルコニー)側にリビング・ダイニングと居室が配置されるのが典型的である。
タフテッドカーペット(たふてっどかーぺっと)
タフテッドカーペットとは、基布にパイル糸を刺し込んで形成し、裏面から固定したカーペットを指す。
具体的には、タフティング機を使い基布にミシン針でパイル糸を刺し込み、パイルの抜けを防止するため裏にラテックスゴムを塗布して麻、不織布などの裏地に接着する。大量生産しやすく安価な傾向にあるが、裏地があるため通気性に劣り、床暖房設置の床には使用できない場合が多い。タフテッドカーペットの種類としては主に、パイル糸を多めに使用したボリューム感のある「丸巻き」、丸巻きと比較して使用する糸が少ない「簡敷」がある。
ダブルシェード(だぶるしぇーど)
ダブルシェードとは、2枚の生地を使用したシェードカーテンを指す。
ドレープ生地、レース生地でできた異なる2枚のシェードを使い、シングルシェードよりも採光の調節ができるのが特徴である。
従って、おもに日照時間により採光のコントロールが必要な、リビングや寝室などに設置される。
シェードを下ろすと、ドレープ生地が上部、レース生地が下部に来て立体的な印象になる。
シェードを閉じると、ドレープ生地とレース生地は別々の状態で折りたたまれる。そのため、閉じたシェードにはやや厚みがある。
ダブルシンク(だぶるしんく)
ダブルシンクとは、1つの台所にシンクが2つあるキッチンのタイプを指す。
通常は大小があり、小さなシンクで使用済みの食器を漬けおきしたり、水切りプレートで洗った後の食器を水切りするために利用する。大きなシンクは野菜などの料理の下ごしらえをしたり、洗った食器を水で流したりする。それぞれ用途別に使える利点がある。ダブルシンクは、主に欧州・欧米で普及しているが、キッチンがコンパクトな現在の日本においては、ダブルシンクを使用している一般住宅は珍しい。
ダブルスキン構造(だぶるすきんこうぞう)
ダブルスキン構造とは、建物の外回りを一定の間隔を開けてガラス板で覆った二重構造の外装を指す。
最近の高層ビルや商業施設では、外装に全面ガラス張りのカーテンウォール(非耐力壁)を採用しているケースが多く、その外側をさらにガラスで覆うため「ダブルスキンカーテンウォール」とも言う。2枚のガラス面に挟まれた中空層を活かして冷暖房や空調の負荷を軽減できるため、省エネルギー性能が高い。夏季は、ダブルスキンの下部から外気を採り入れ、太陽光で熱せられた空気が上昇気流に乗って上部から自然換気で排出されるため、内窓から入る日射熱が低減される。冬季は、上部を閉じて滞留した中空層が蓄熱して断熱効果を持つので暖房負荷が下がる仕組みである。ブラインドを併用して熱環境の改善を図るケースも多い。
ダブルベッド(だぶるべっど)
ダブルベッドとは、幅140cm×長さ195cm程度を基本サイズとした、標準的な体型の大人が2人で使用することを前提に作られたベッドを指す。
大人が横になった時に狭さを感じないベッドの幅は、肩幅+左右に各15cm以上のゆとりが理想的とされているが、ダブルベッドの場合は、真ん中のゆとりを1人あたり7.5cmで計算して設計されている。
シングルベッドを2台並べるよりもスペースを節約できるので、面積にゆとりがない寝室に適していること、規格サイズとなっているため、マットレスやシーツ、カバーなどの寝具の選択肢が多いことがメリットである。
ダブルボウル(だぶるぼうる)
ダブルボウルとは、洗面所で水などを溜めることができるボウルがふたつ並んでいる洗面台、またはその形状を指す。
朝の歯磨きや洗顔など使用時間が重なる時間帯に、ふたり同時に使える利便性がある。
ダブルロック(だぶるろっく)
ダブルロックとは、玄関ドアなどに2つの鍵が設置されていることを指す。
ダブルロックは鍵が1つのものに比べると、ピッキング時の開錠に時間がかかるため侵入抑止効果があり、防犯性が高いと言われている。2つの鍵は同じ鍵を使用することもあれば、それぞれ別の鍵にすることもある。
もともとダブルロックは、戸建てを中心に設置されている防犯対策の鍵であった。しかし、近年では戸建てに限らず、新築物件や賃貸物件でもダブルロックを採用する物件が増えてきている。
ダブルロック工法(だぶるろっくこうほう)
ダブルロック工法とは、セメント系の特殊な薬液を地盤に圧力注入し、隙間を無くし、強い地盤の層を新しくつくり出す工法を指す。
地盤沈下の修正や地盤改良に行われる工法である。セメント系の薬剤は収縮が少ないため、時間経過による地盤の再沈下の可能性が低いとされている。ダブルロック工法は、施工精度が高いことから、近接物への影響が少なく、基本的には目的の建築物のみの地盤を固めることが可能となる。また耐久性においても優れており、建物の下にある地盤全体を固めることから、地震の際の被害を軽減できる。狭い場所や建物内部でも施工が可能で、その工期も比較的短く済む工法とされる。
タペストリー(たぺすとりー)
タペストリーとは、壁に掛けるなどして室内を装飾する織物を指す。
ウール、綿、絹、麻などの素材を用いて、織りによって絵や模様などを描く。本来のタペストリーは、天然繊維を材料として、横糸により色柄を出すつづれ織りという技法で織られている。現在の日本では、化学繊維にプリンタなどで印刷を施し、掛けたり吊るしたりする装飾用の布が、素材、製法を問わずタペストリーと呼ばれている。
ダボレール(だぼれーる)
ダボレールとは、壁に棚を取り付けるための支柱を指す。細長い支柱に等間隔で穴が空いており、穴にブラケットと呼ばれる棚受けの金具を付け、その上に棚板を置いて棚を作る。ポールを取り付ければ洋服ハンガーとしても利用できる。棚の幅や長さを自由に調整できるので、好みの棚を作れるのが特徴である。素材は主にアルミやステンレスで、ステンレスのほうが強度は強い。DIYでも簡単に取り付けることができる。ホームセンターなどで材料が揃い、比較的安価で購入することが可能である。