「ふ」から始まる用語一覧
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普通火災保険(ふつうかさいほけん)
普通火災保険とは、店舗や事務所などの事業所が火災などに遭った際に損害を補てんする保険を指す。
事業所と住宅を兼用している建物、倉庫など建物の付属施設、そこで使用される棚や机などの什器、備品、商品も保険の対象となる。
火災はもちろん、落雷や暴風、雹、雪、ガス爆発による損害も補償範囲である。
飲食店などで想定されるガス爆発による損害は含まれるが、水道管凍結による損害は含まれないことが多い。また、窓ガラスや屋根の破損は補償されるが、それにより外から異物が吹き込み建物内のものに損害が発生した場合は補償に含まれないなど、細かい条件があるので確認が必要である。
普通河川(ふつうかせん)
普通河川とは、河川の区分において、一級河川、二級河川、準用河川以外の河川を指す。下水道法に規定されている公共下水道や農業用水路は含まない。普通河川は河川法の適用または準用を受けない。管理者は市町村長で、必要に応じ条例等を定めて管理を行っている。
普通コンクリート(ふつうこんくりーと)
普通コンクリートとは、普通骨材(砂利、砕石、高炉スラグなど)を使用したコンクリートを指す。JISによる生コンクリート規格の強度範囲は18~45N/mm2である。一般構造用コンクリートとも呼ばれ、おもに建築構造物用コンクリートや土木構造物用コンクリートとして使用されている。
普通借地権(ふつうしゃくちけん)
普通借地権とは、1992年施行の新借地借家法により新設された借地権のひとつであり、権利の更新がある借地権を指す。対して期間の定めがあり、かつ更新のない借地権を定期借地権という。普通借地権の存続期間は当初30年とし、1回目で20年、2回目以降は10年の期限として更新ができる。契約の期限を迎えた際、土地を地主側に返却する正当な事由がなければ、借地人が希望する限り契約が更新される。更新の存続期間は定めよりも長くすることはできるが、短くすることはできない。契約が終了した時点で借地人が建てた建物が残っている場合、地主側に建物の買い取りの請求も可能である。また所有権が第三者に移った場合、借地人は第三者に権利を主張できる。
普通借家契約(ふつうしゃくやけいやく)
普通借家契約とは、契約期限のある賃貸契約を借主と貸主の間で取り交わす契約を指す。契約期間は1年以上で設定し、基本的に貸主は契約更新の拒絶はできず、契約更新を拒絶するには、6ヶ月以上の予告期間及び貸主側の正当な事由が必要になる。2000年3月1日より前は、契約年数の最長は20年までとされていたが、2000年3月1日以降は契約期間内に借主からの中途解約も可能になった。普通借家契約では、解約の予告期間や直ちに解約する場合に支払う金銭の額などを記した中途解約の特約を定めることが多く、解約を希望する際には特約に従わなければならない。普通借家契約では、借家の用途は居住用、事業用いずれも可能、契約成立の要件は書面や口頭による契約ともに可能、貸主が借主ともに賃料増減額請求権が認められているといった特徴がある。
不定形シーリング材構法(ふていけいしーりんぐざいこうほう)
不定形シーリング材構法とは、建物の開口部にガラスを納める「はめ込み構法」の1つで、流動性のある接合材を使う方法を指す。
予め工場で成形加工されたガスケットを使う場合は「定型シーリング構法」と呼ぶ。不定形シーリング材構法には「弾性シーリング材構法」と「パテ止め構法」の2種類がある。弾性シーリング材構法は、窓枠の溝に板ガラスをセットした後、すき間に弾性シーリング材を充填する方法で、止水・排水性が高く、溝の中に水が滞留しない。パテ止め構法とは窓枠とガラスの間をパテで埋める方法だが、耐震性が低いため、現在、新築では使われていない。
不適合接道(ふてきごうせつどう)
不適合接道とは、接道義務を果たしていない土地を指す。接道義務とは、建築基準法により、住宅など建築物の敷地は、幅員4m以上の道路(建築基準法で定められている道路)に2m以上接しなければならないとされている義務である。不適合接道の土地には建物を建てることはできず、接道義務が定められる前から建っていた物件や都市計画の変更などによって接道義務を満たさなくなったものは、維持はできるが、建て替えや大規模なリフォームはできない。
布団乾燥機(ふとんかんそうき)
布団乾燥機とは、布団の中に温風を吹き出すことで布団を乾燥させる家電を指す。
本体ヒーターで温めた温風を敷き布団と掛け布団の間に送風して乾燥させる。マットと呼ばれる袋に温風を送り込むタイプ、ホースで直接温風を布団の間に送り込んで乾燥させるタイプ、マットもホースも不要なタイプもある。どのタイプでも定期的にフィルターを掃除する必要がある。また布団を乾燥するだけでなく、ダニ対策や衣類乾燥、靴の乾燥などにも使える。冬は寝る前に布団乾燥機で布団を温めておけば、快適に入眠できる。
不動産(ふどうさん)
不動産とは、民法第86条第1項で定義された、土地および土地に定着している物を指す。一方、同条第2項はそれ以外のものは動産する、と定めている。
土地に定着しているものとは、建物、線路、立木、石垣などである。「建物」および立木ニ関スル法律により登記された立木は、独立した不動産とみなされる。そのほかの定着物、例えば線路や石垣などは土地の所有権に含まれるが、土地と分離して動産として売買することも可能である。
また、印紙税法での「不動産」では、上記以外に鉄道財団、軌道財団なども不動産に含めると定義されている。
不動産管理会社(ふどうさんかんりがいしゃ)
不動産管理会社とは、賃貸物件の管理を所有者の委託を受けて行う会社を指す。
賃貸物件の経営には、賃料管理、清掃、建物メンテナンス、入居者対応など多くの業務が必要である。所有者自身が行うこともできるが、専門の管理会社に委託することも一般的である。2021年6月には「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行され、委託を受けて賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全・金銭の管理)を200戸以上の規模で営もうとする会社は国土交通大臣への登録を義務付けられることとなった。
不動産会社(ふどうさんがいしゃ)
不動産会社とは、不動産に係わる事業を行う会社を指す。
広義には管理会社や建設会社も不動産会社とされるが、法で定義された宅地建物取引業者をいうケースが多い。
宅地建物取引業者の主な事業内容は不動産の分譲、賃貸、仲介である。大規模な都市開発も行う大手から個人事業主まで、幅広く存在している。
不動産公正取引協議会(ふどうさんこうせいとりひききょうぎかい)
不動産公正取引協議会とは、不動産広告の適正な運用と推進を目的とした不動産業界の自主規制団体を指す。全国9ブロック(北海道、東北、北陸、首都圏、東海、近畿、中国、四国、九州)に設置されている。主な業務は不動産広告の(1)監視、点検、(2)調査、(3)指導、警告、(4)相談、苦情受付である。
不動産仲介会社(ふどうさんちゅうかいがいしゃ)
不動産仲介会社とは、不動産の売買や賃貸借の取引において、売主と買主、または貸主と借主の間に立ち契約成立までの業務を行う会社を指す。自社所有の建物や土地を分譲したり貸したりする不動産分譲会社と区分する言い方でもあるが、単に不動産会社と呼ばれることもある。
不動産仲介会社が間に入って契約が成立した場合、依頼者は成功報酬として仲介手数料を支払う。売買では物件価格の3%+6万円+消費税(物件価格400万円超の場合)を上限として売主と買主がそれぞれ不動産仲介会社に支払う。賃貸では貸主と借主が合計賃料の1ヶ月分+消費税を仲介手数料の上限として不動産仲介会社に支払う。
不動産保証協会(ふどうさんほしょうきょうかい)
不動産保証協会とは、公益社団法人全日本不動産協会を母体とする宅地建物取引業保証協会を指す。1973(昭和48)年に社団法人として設立された。2011(平成23)年からは公益社団法人として活動を行っている。
主な業務は宅地建物取引業にかかわる取引に関する苦情の解決、弁済業務、宅地建物取引士等への研修活動、講演会の実施などである。
不同沈下(ふどうちんか)
不同沈下とは、建物全体が均等に沈下するのではなく、場所によって不揃いに沈下を起こす現象を指す。
発生する原因として、軟弱な地盤の上に建物を建てた場合、盛土をしてから締固めせずにすぐに建設工事を行った場合、自然災害等の影響で地盤が傾いたり崩れたりした場合などがある。
不同沈下が起きると、地盤や建物の基礎が場所によって異なる沈下をするために、建物にひびが入ったり、建物が傾いたりする。
家が傾くと、窓から雨が吹き込んだり、ドアや窓の鍵がかけられなくなったり、気密性が失われエアコンの効きが悪くなるなど、日常生活にも影響を与える。
船底天井(ふなぞこてんじょう)
船底天井とは、部屋の中央が高く、勾配がついた構造の天井を指す。壁の高さよりも天井の中央部が高くなっており、船の底を裏返しにしたような形状になっていることからこの名がついた。屋根の形状がそのまま天井になっているような錯覚から、部屋を広く見せることができるのが特徴である。主に和室や、古いタイプの浴室などにみられる。
不燃化特区(ふねんかとっく)
不燃化特区とは、東京都の制度で、木造密集地域のうち不燃化のために特別の支援を行うべく指定された地区を指す。正式名称は、不燃化推進特定整備地区である。特別区の申請に基づいて東京都が指定し、燃え広がらない・燃えないまちづくりを進める制度である。不燃化特区は、具体的には都市計画道路の整備、不燃化建替え、共同建替え、公園等の整備、防災生活道路の整備及び沿道の不燃化建替えのために活用されている。不燃化特区においては、不燃化のための更地化や建替えについての固定資産税・都市計画税の減免、老朽建築物の戸建建替えや除却のための費用の助成などを受けることができる。
不燃材料(ふねんざい)
不燃材料とは、文字通り燃えない素材を指す。建築用語では不燃材料のほかに、燃えない素材として難燃材料、準不燃材料という言葉があり、これら3つをあわせて防火材料と呼ばれる。火災などにより熱を加えられたとき、燃焼しないこと、変形や溶接などの有害な損傷が生じないこと、有害なガスや煙を発生させないことを満たしたものという3つの条件を満たしたうえで、上記を満たさなくなってしまう時間の長さの違いによって不燃材料、準不燃材料、難燃材料に分けられる。熱に耐えられる時間の長さは、不燃材料の場合で加熱開始から約20分となり、最も防火性能が高い素材となっている。
不燃性能(ふねんせいのう)
不燃性能とは、建築に使われる材料に求められている性能を指す。
建築基準法第2条第9号、建築基準法施行令第108条の2において、不燃性能は加熱開始後20分間に、燃焼しないこと、防火の際に有害な亀裂や溶融・変型などの損傷を生じないこと、避難上に有害である煙やガスが発生しないことの、3点の要件を満たすもので、防火材料のうちの不燃材料として分類される。
不燃材料には、コンクリートやれんが、瓦、陶磁器質タイル、鉄鋼、繊維強化セメント板、モルタル石など17の建築材料が定められている。
不燃積層石膏ボード(ふねんせきそうけっこうぼーど)
不燃積層石膏ボードとは、通常の石膏ボードの表裏面に不燃性の原紙を採用したものを指す。
石膏ボードの防火性能は主に厚さによって分かれ、厚さ9.5mmが難燃性2級の準不燃材、同12.5mm以上が難燃性1級の不燃材である。不燃積層ボードは、厚さ9.5mmで不燃材として認定されたものである。基材となる石膏板も若干組成が異なり、石膏や無機質系骨材の量が多め、有機系の接着増強剤が少ない。
化粧を施したタイプと化粧無しがある。化粧ありのタイプは、軽量で不燃材としての機能を持つため、天井直貼りの仕上げ材などに使われている。塗装やクロス貼りの後工程が不要なため、工期が早くコストも安い。