「い」から始まる用語一覧
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居空き(いあき)
居空きとは、家人が在宅しているときに、窃盗目的で住居内に侵入する者またはその手口を指す。
特に聴力障害者や高齢者など、物音に気づかれにくい住人の被害が多い。最も多い侵入手口は、無施錠とガラス破りであるが、ガラス破りであってもライターやバーナーを使用する手口の場合は破壊音がほとんどしない。しかし、万が一犯人と遭遇してしまうと非常に危険なためしっかりと対策を講じることが重要である。
防犯対策としては、窓ガラスに補助錠を取りつける、窓ガラスに耐貫通性の高い防犯フィルムを貼る、防犯カメラを設置する、などが有効である。
イエシロアリ(いえしろあり)
イエシロアリとは、日本に生息するシロアリの一種を指す。
千葉県以西の本州南岸や中国四国地方、九州沖縄地方など、温暖な沿岸地域を中心に生息している。近年は温暖化の影響で生息地域は拡大している。
日光や風通しのよい場所を嫌い、湿った木材の中など暗く湿気のある場所を好む。水を運ぶ能力があり、乾燥した木材も湿らせながら加害していくため、被害が大きくなりやすい。また一群を形成する個体数が多いため、食害のスピードも速い。駆除するには、指定の薬剤で登録技術者に依頼する必要がある。
イエローパイン(いえろーぱいん)
イエローパインとは、アメリカ東部から南部を中心に分布するマツ科の針葉樹を指す。マツ科の中ではヤニが出にくく、塗装がしやすい。釘やその他の締め金具を使用した際に高い保持力を発揮するため、構造材や家具材として活用されている。また、保存薬剤処理を施したうえでデッキ材として使用されることもある。
辺材は白から淡黄白色、心材は黄色から赤褐色で心材の部分は極めて少なく、境目は明瞭で見分けやすい。木目や色合いは日本の松に似ている。
イオニア様式(いおにあようしき)
イオニア様式とは、古代ギリシア中期頃の建築様式を指す。
初期のドーリア様式と比較してやや細めになった柱に、柱頭に2つの渦巻きをあしらった装飾を持つことが特徴である。イオニアとは、ギリシアからエーゲ海を挟んだ対岸で、ギリシア人が植民したミレトスなどの都市がある地域である。イオニア様式の代表例には、アテネのアクロポリスにあるエレクティオン神殿などがある。ドーリア様式、コリント様式と並んで古代ギリシアの主要な建築様式とされる。
生き節(いきふし)
生き節とは、木の幹が大きくなる途中で生きている枝を巻き込んだ部分を指す。円形もしくはだ円形で、色は一般に暗褐色。生きたまま一体化しているため周囲の組織と結合しており、製材しても抜け落ちることはない。色も薄くあまり目立たないため、生き節があっても模様として捉えられる。
対義語として、枯れた枝が幹の中に巻き込まれ、周囲の組織と結合していないものを死に節という。
生節化粧用一等(いきぶしけしょうよういっとう)
生節化粧用一等とは、木材の化粧面の見た目を表す、等級決定基準の等級を指す。大小の節がたくさんあり、強度的には問題がない程度の死節やハチクライ(虫食い穴)等が多少含まれている状態である。生節化粧用一等の木材の中に死節がある場合は、節埋め加工などを施して用いる。木材の等級は、節の有無や状態、大小などをもとに、人間の見た目で決定される。
イギリス式庭園(いぎりすしきていえん)
イギリス式庭園とは、18世紀イギリスの自然回帰を目指した庭園様式を指す。
17世紀後半までは、広大な平地に幾何学的なモチーフを人工的に作り込むフランス式庭園がイギリスでも流行していたが、イギリス式庭園は、自然に見えることに重きを置いた風景庭園である。クロード・ロランやサルヴァトール・ローザなどの画家たちが描いたローマ的風景画が、当時のイギリス貴族の間で流行し、貴族たちが絵画の風景を現実の庭園に求めたことが背景となっている。
非対称や曲線が意識され、高低を利用してなだらかな起伏を持つように土地を整形することで、庭園に森林の中のような風景を表現することが特徴である。また、絵画のような自然な雰囲気の美しさを作り出すために、自然風景との境目を消すことで、自分の庭が永遠と続いているかのような錯覚を起こす「ハハー」と呼ばれる空堀なども生まれた。
い草(いぐさ)
い草とは、単子葉植物イグサ科の植物を指す。畳表やゴザの原料として知られ、和室を作り上げるときには欠かせない材料の1つである。
い草の特徴は、まず花茎が円柱状で内部に灯芯部とよばれるスポンジ状の組織が詰まっており、多くの空気が含まれていることである。花茎の表面にはたくさんの気孔があり、綿の2倍の吸湿性と放湿性を持っている。次に、スポンジ構造が適度な弾力を生み、転んでも衝撃が少なく、防音効果もある。さらに、有害物質による人体への影響も下げる効果があり、パルプやウールに比べて、シックハウス症候群の原因物質となるホルムアルデヒドの吸着に優れ、タバコやペットのにおいを抑制する効果がある。
藺草(いぐさ)
藺草とは、主に畳表やゴザの材料として用いられる多年草を指す。
水辺や湿地に自生する多年草であり、苗を植えて栽培し、刈り入れを行う農産物である。畳表やゴザ、寝具などの材料となる藺草の茎は吸湿性が高く、空気中の湿度調整を行う特徴があるため、湿度の高い日本の気候に適しているといえる。藺草を用いた置き畳は、和室のない住宅で容易に和風インテリアを演出することができる。また藺草の芳香成分の約20パーセントがフィトンチッドという成分で、樹木から放散され、殺菌作用をもち、リラクゼーション効果が高い香りとされている。
標準和名では「イ」と表記される。沖縄の方言で「ビーグ」とは藺草のことである。
異形コイル鉄筋(いけいこいるてっきん)
異形コイル鉄筋とは、異形鉄筋の一種であり、表面に凹凸の突起があるコイル状の鋼材のことを指す。凹凸の突起があることで、通常の鋼材(丸い棒状の鋼材なので、丸鋼といわれる)に比べて抵抗力が強いことのほかに、コンクリートやモルタルと鋼材を定着させるための加工が簡略化できるといった特徴もあるため、主に鉄筋コンクリート構造物に使われる構造用鉄筋として用いられることが多い。そのほか、鉄骨造の基礎部分やブロック構造を補強するためにも用いられる。
異形鉄筋(いけいてっきん)
異形鉄筋とは、丸鋼の表面に凹凸を付けたコンクリート用棒鋼を指す。「異形棒鋼」「異形丸鋼」「異形鋼」とも言う。
横方向や斜めに回り込む形につけた突起を節、縦方向に直線でつけた突起をリブと呼ぶ。節には、リング状、ジグザグ状、クロス状、スクリュー状など様々な形状がある。凹凸を付けるのはコンクリートの付着性をよくするのが目的で、鉄筋コンクリート造の鉄筋には、基本的に異形鉄筋を用いる。突起のない丸鋼は全体をコンクリートに埋め込まないブレースやアンカーボルトなどに使う。
異形棒鋼(いけいぼうこう)
異形棒鋼とは、丸鋼の表面に凹凸を付けたコンクリート用棒鋼を指す。「異形鉄筋」「異形丸鋼」「異形鋼」とも言う。横方向や斜めに回り込む形につけた突起を節、縦方向に直線でつけた突起をリブと呼ぶ。節には、リング状、ジグザグ状、クロス状、スクリュー状など様々な形状がある。凹凸を付けるのはコンクリートの付着性をよくするのが目的で、鉄筋コンクリート造の鉄筋には、基本的に異形鉄筋を用いる。突起のない丸鋼は全体をコンクリートに埋め込まないブレースやアンカーボルトなどに使う。
生け垣(いけがき)
生け垣とは、家の境界を明確にし、外部からの侵入を防いだり、目隠しのために植物を列植して作られた垣根を指す。
生け垣には防風、防塵、防火などの効果もあり、目的によって適した樹種は異なる。生け垣に適する樹木の条件は、列植により間隔が狭くなるので密集状態でもよく育ち、枝葉の密度が高く遮蔽性に優れた品種であることが挙げられる。また、剪定による刈り込みにも耐えられ、萌芽力の高さも必要となる。さらに丈夫で枯れにくく害虫がつきにくいこと、手入れや水やりといった手間が少なく済むことなども重視される。
衣桁(いこう)
衣桁とは、和服などの衣類を掛ける家具を指す。
鳥居に似た形をしており、1枚の衝立式のものと、真ん中に蝶番があり畳める屏風式がある。衝立式は呉服店での着物の陳列・展示や、染織工芸品の展示に使用されることが多い。屏風式のものは中央から二つ折りにできるようになっており、部屋の端に直角の状態で置けるもので、脱いだ衣類の汗取りや皺伸ばしとして利用でき、和風旅館の客室などでよく見られる。一般家庭で見ることが乏しくなった和室の家具調度品だが、軽量なため移動も簡単にでき、使用しない時は邪魔にならず使いやすいので、置く場所を選ばない衣桁も登場している。
石垣(いしがき)
石垣とは、石を積み重ねて作られた壁もしくは柵のことを指す。
日本では主に、城郭などの建築敷地や人工斜面の道路に使用されている。また古くから石の生産が盛んであった地域では、住宅地ののり面に石垣が多く使われており、特徴的な街並みとして評価されている。現代では、ほとんど新たに作られることがなくなっており、城の石垣などは文化財に指定されているが、補修や保存が課題となっている。なお、石垣は石の加工程度によって3種類ある。形や大きさが異なる自然石を積み上げていく「野面積み」は、多少の隙間ができるので排水性に優れている。表面に出る石の角や面を平たくし、隙間を減らして積み上げる「打込み接ぎ(うちこみはぎ)」は、高さと勾配が出せる。方形に整形した石材を密着させ、積み上げる「切込み接ぎ(きりこみはぎ)」は、隙間なく石を積み上げるため美しく、水はけのための排水口が設けられている。
石瓦(いしがわら)
石瓦とは、粘板岩を使用した屋根瓦のことを指す。
粘板岩は、地殻変動の変成作用により形成された岩石で、薄板の状態にすることが容易なため屋根用に加工しやすい。ヨーロッパでは古くから建築材料に使用されている。
石瓦は耐水性・耐久性に優れており、また自然素材のためそのまま取り外して外構など別の箇所に再利用できるので、環境にもやさしい。なお採掘される国や地域の気候状況によってさまざまな色味があり、年月ともに風合いが変わっていくことも自然素材ならではの特徴である。
石畳(いしだたみ)
石畳とは、平らな石材を敷き詰めた地面や道路を指す。
雑草が生えにくく、雨天時のぬかるみを防止できるなどの理由から、住宅においては玄関前のアプローチや駐車場に施工されることが多い。石畳の敷き方には、正方形の石材を市松模様に並べた市松敷き、正方形の石材を45度の角度で並べた四半敷き、長方形の石材を半枚分ずつずらして並べた馬踏み、不規則な形の石材を並べた乱張りなどの種類があり、それぞれ異なるデザインを楽しむことができる。
石段(いしだん)
石段とは、石材を用いて造られた階段のことを指す。
飛鳥時代に造られ始めたとされ、切石を階段状に並べて造られている。日本では、神社の参道などでよく見られる。熊本県にある釈迦院御坂遊歩道の石段は3,333段あり、日本一の石段として有名である。また群馬県の伊香保温泉では石段をシンボルとしており、石段街として古くから親しまれている。小規模な石段は住宅の玄関やアプローチ、庭などに取り入れられることもあるが、その場合は石張りの階段が多い。素材は花崗岩(御影石)、玄武岩などが多く用いられている。
石塀(いしべい)
石塀とは、石材を用いて作られた塀のことを指す。
四角く切り出された石を平積みや柾積みなどの積み方で積んだ重厚感のある姿が一般的だが、洋風建築が増えて以降、様々な形状の石を組み上げる温かみのあるテイストの石塀も一戸建て住宅などで見られるようになった。使用される石はさまざまで、利用頻度の高いものとしては大谷石や御影石が挙げられる。大谷石は、堆積岩の一種で、加工しやすく耐火性にも優れている。御影石は、火成岩の一種で耐久性が高く、風化に強いという特徴がある。
地震には弱く、倒壊や崩壊が起きやすい。塀が倒壊すると事故や道路の遮断につながる恐れがあるので、地域によっては塀の高さを1.2m以下にする、厚さを15cm以上にするなど、地震の多い日本では石塀は低く厚くすることが推奨されており、熟練した庭師の施工が必要である。
石水瓶形手水鉢(いしみずがめがたちょうずばち)
石水瓶形手水鉢とは、水瓶の形をした水を入れておく鉢を指す。
元来手水鉢は、神仏を参拝する際に、神聖な水で不浄を洗い流すために用いられた。茶道の発達により、茶席に向かう前に手を清める作法が手水鉢を発展させ、周りに手燭石や湯桶石を配置して蹲踞となった。現在では蹲踞は景色として尊重され、日本庭園のポイントの一つとなっている。また、手水鉢に水を引くための筧も景色において重要とされ、筧は青竹も見映えが良いが時を経て黄色になると風格が出て落ち着いた印象になる。