「き」から始まる用語一覧
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既存不適格建築物(きそんふてきかくけんちくぶつ)
既存不適格建築物とは、竣工の時点では適法であったものの、法改正などにともない現行の法律に適合しなくなった建築物を指す。
建築基準法において、法改正などがあった時点ですでに建築されている、または工事中である建築物については、既存不適格建築物として存続させることができ、新たな規定を遡って適用する必要はないと定められている。ただし、増改築や大規模修繕など、一定の用途変更を実施する際には、法令に適合するよう工事しなければならない。既存不適格建築物でも、保安上、もしくは衛生上の危険性がある判断された場合には、所有者に除去を命じるケースもある。
北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)
北側斜線制限とは、建築基準法により定められた建物の高さ規制を指す。第1種・第2種低層住居専用地域、田園住居地域、第1種・第2種中高層住居専用地域で適用される。
自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、北側の隣人の日当たりを考慮し、南からの日照確保のために建築物の高さが規制される。具体的には、北側隣地の境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配で配された線(=北側斜線)の範囲内で家を建てなければならない。また、自分の敷地の北側に道路がある場合は、建築する建物の高さが緩和され、高くすることができる。
いずれも真北方向が基準になる。北側斜線制限の影響で、北向きに階段状のルーフバルコニーが設けられているマンションも多い。
北向き物件(きたむきぶっけん)
北向き物件とは、一番大きな窓がある最大開口部が面する方角が北の物件を指す。
また、マンションなどで北向きの角にある部屋も北向き物件である。北向き物件は夏場日差しが強くないため、南向きよりも部屋の温度が上がりにくい。室内に置いている家具や壁紙が日焼けしにくい上、直接光が差し込まない分、TVやパソコンモニターを見る時に部屋が明るすぎて困ることもない。自宅でデスクワークをするには最適な環境といえる。
北山杉(きたやますぎ)
北山杉とは、京都市北部の地域で生産および加工される杉を指す。室町時代ごろから伝統的な北山杉が育てられ、茶の湯文化や数奇屋建築の広まりとともに育林・加工技術が培われてきた。
木肌は滑らかで光沢があり、緻密で割れが生じにくい。その特性を生かして、主に床の間の床柱として用いられてきた。床柱には「磨き丸太」「絞り丸太」などの加工がある。桂離宮、大徳寺、金閣寺、修学院離宮などの有名建築物に使われ、住宅や店舗でも意匠構造材として活用されている。北山丸太は京都府の伝統工芸品、京都市の伝統産業品の認定を受けてブランド化が進み、家具やスピーカーなど多種多様なアイテムが生産されている。
亀甲模様(きっこうもんよう)
亀甲模様とは、亀の甲羅のように六角形を連ねた模様を指す。長寿吉兆の象徴である鶴亀に結び付き、甲羅で硬く身を守る亀の姿に重ねて健康や繁栄などを願った縁起がいいものとされ、吉祥文様のひとつである。
飛鳥・奈良時代に中国から伝来した歴史があり、着物や帯などのほか、組み木細工など内装や建具にも用いられている。単純な六角形をつなぎ合わせた亀甲つなぎのほか、六角形の中に花弁をあしらった亀甲花菱、亀甲を三つ組み合わせた毘沙門亀甲などの派生模様がある。
キッズルーム(きっずるーむ)
キッズルームとは、マンションなどの共用施設の一つとして設置されている、小さな子どもが遊ぶスペースを指す。
基本的に居住者専用ではあるが、居住者の友達も一緒に遊べるスペースとして利用されている。就学前の子どもを遊ばせるためだけではなく、マンション内でのママ同士や子ども同士のコミュニケーションをとる場所としても設けられている。何もない部屋に、簡単な遊具や玩具を置いてある独立した一室であることが多い。雨の日でも自宅から近い場所で濡れずに移動でき、思い切り遊べるので小さな子どもがいる家庭では非常に便利である。
キッチン(きっちん)
キッチンとは、流し台や加熱調理器、換気設備、作業スペース、収納庫などから構成された設備のことを指す。
ダイニングやリビングに面して、仕切りのない広々とした空間演出ができるオープン型、吊戸棚などで、少し視界が隠れたセミオープン型、ダイニングやリビングから独立した独立型などがある。
さらには、キッチン設備の形状によっても分けられる。コンロや流し台がシンプルに配置されたI型、2列に台所機能を分けた配置方法のII型、L字型に曲げられて配置されたL型、U字型に配置したU型などがある。
キッチンパネル(きっちんぱねる)
キッチンパネルとは、コンロ等のキッチン周辺の壁面に貼るパネル仕上げ材を指す。使用される素材によって特徴が異なる。
ステンレス素材は、耐食性に優れており機能性が高い。耐熱性にも優れており、調理後の油汚れ等の手入れも容易である。見た目もシンプルでスタイリッシュな仕上がりになる。アルミ素材も耐火性に優れシンプルな見た目だが、光を反射する性質があるため、明るいキッチンとなる。メラミン化粧板素材は、耐久性と耐水性に優れているので、手入れが非常に容易である。ホーロー素材は、耐久性と耐熱性に優れており、表面に光沢があるので、高級感のある仕上がりになる。マグネットを利用できる点も特徴的である。
貴人口(きにんぐち)
貴人口とは、茶室にある障子がたてられている客用の入り口のことを指す。
貴人とは身分の高い人のことであり、貴人を迎えるために用いられた入り口である。躙り口とは違い、立ったまま出入りできるのが特徴である。唯一の出入口として茶室に設けられる場合と、貴人の出入り口として躙り口とは別に設けられる場合がある。茶室に躙り口と貴人口が両方ある場合には、躙り口が優先され位置が決められる。貴人口は躙り口と直角になるよう設けられる。
機能性カーテン(きのうせいかーてん)
機能性カーテンとは、紫外線カットや防炎などの機能が備わったカーテンを指す。
具体的には、家庭用洗濯機で洗えるウォッシャブル機能や光を遮る遮光機能、紫外線の透過率を低減させるUVカット機能、外から部屋の中が見えにくいミラー機能、消防法に則した防炎機能などが一般的なものである。その他にも、消臭機能、遮音機能など、カーテンに付属する機能は多岐にわたる。遮光機能や遮熱機能のある機能性カーテンを使用すれば、外気温などによる部屋の温度の上下を防ぐことができ、省エネ対策につながる。またレースカーテンの中にも、高い機能性を持つものがある。
機能門柱(きのうもんちゅう)
機能門柱とは、ポスト、インターホン、表札や門灯などの機能が備わっている門柱を指す。
玄関先に必要な機能は多々あるが、機能門柱を導入することにより省スペースでスタイリッシュにまとめられる。宅配ボックスが設置できる機能門柱もあり、外出時でも荷物を受け取ることができる。また、ポストの投函口やインターホンを玄関から離れた機能門柱に取り付けることにより、犯罪対策になるというメリットもある。
キノコバエ(きのこばえ)
キノコバエとは、一般的にコバエと呼ばれる小さなハエを指す。2mm程度のサイズで、約150種が存在するとされる。
朽木や腐敗した樹木を摂食するため、植物の周りを好み、その腐葉土のなかで生息・発生する。家の中では、観葉植物の周辺で見られることが多い。また繁殖能力が高く、繁殖サイクルも早いため、大量発生のリスクが高い害虫である。幼虫はキノコの菌糸を食べることから、キノコバエという名がついたといわれ、キノコ栽培における害虫でもある。人を刺すなどの被害はない。
キノコバエは高温多湿を好み、梅雨時期~夏に発生しやすい。外からの侵入を予防するためには、網戸を締め、隙間を開けないことが重要である。また室内に観葉植物を置いている場合は、有機肥料を使わず、日当たり・風通しの良いところに置くのがいいとされる。
揮発性有機化合物(きはつせいゆうきかごうぶつ)
揮発性有機化合物とは、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称を指す。特に人工合成されたもの、トルエンやキシレン、酢酸エチル、ジクロロメタンなどの幅広い物質が該当する。
揮発性有機化合物は、水よりも重く粘性が低い、かつ難分解性の物質が多いため、地層粒子の間に深く浸透し土壌や地下水を汚染する原因になるため、環境に深刻な影響を与える物質とされている。また、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントに関わる大気汚染の原因のひとつとも言われている。
気密性(きみつせい)
気密性とは、住宅において隙間をなくして、外と室内の空気の出入りを少なくした状態を指す。
気密性が悪いとは、家にすき間があり、外気温の影響を受けやすいということである。せっかくエアコンを使って室内を快適にしても、すき間から侵入した外気と入れ替ってしまう。結果として気密性が低い住宅は、冬は寒くて、夏は暑い状態になり、快適な環境から遠ざかった状態になってしまう。
鬼門(きもん)
鬼門とは、中国から伝来した陰陽道において北東の方角を指す。鬼が出入りする方角とされ、反対側にある裏鬼門とともに、古くから不吉な方角として忌み嫌われてきた。家の間取り、配置、方位などを組み合わせることで家の吉凶をみる家相において、家の顔である玄関や、キッチン・トイレなどの水回りを北東・南西に配置することは避けるべきと考えられている。
客付け(きゃくづけ)
客付けとは、不動産仲介会社が所有者の依頼に応じて、物件の購入希望者や賃貸希望者を探す行為を指す。
また、所有者から依頼された不動産仲介会社だけが購入(賃貸)希望者を探すとは限らず、広告や不動産流通機構に情報を公開して他社にも探してもらうことも一般的である。所有者から直接依頼された会社は元付け(業者)と呼ばれ、元付けからの情報により購入(賃貸)希望者を探す不動産仲介会社を客付け(業者)ともいう。
キャットウォーク(きゃっとうぉーく)
キャットウォークとは、猫が室内で動き回れるように作られた猫用の通り道を指す。
建築用語では、設備などのメンテナンスのために高所に設けられる狭い通路をキャットウォークと呼ぶ。猫用のキャットウォークは、天井などに回遊できる通り道を設けたり、ジャンプアップできるように「足場」を設置したり、猫の動きを想定してさまざまな工夫が施される。愛猫家によるおしゃれなデザインの商品や、近年は分譲マンションや賃貸マンションでも「ペット共用住宅」が増え、多彩なキャットウォークが登場している。
キャットタワー(きゃっとたわー)
キャットタワーとは、室内飼いの猫が、部屋の中でも立体的に運動したりくつろいだりできるようにした猫用の室内遊具を指す。
主に支柱とステップ(棚板)で構成されており、猫の個性に合わせてさまざまなタイプが選べる。
床に置いて使う「据え置きタイプ」、ポールでキャットタワーと天井を固定する「突っ張りタイプ」、天井や梁、ドアから吊り下げる「吊りタイプ」などがある。
キャビネット(きゃびねっと)
キャビネットとは、物や書類を整理するための棚や装飾品を飾るための棚など、主に箱型の収納家具を指す。
書斎やキッチン、洗面所など多様な場所で使われている収納である。書類を整理するキャビネットは、オフィスなどの壁際やデスク周りでよく使われている。キッチンでは、食器のほかに、家電収納スペースやコンセントタップが付いているものもある。洗面所では、鏡の背面を利用したミラーキャビネットもよく使われる。キャビネットには、ガラス製の戸棚や引き出しが付いているものや、キャビネット自体が装飾され、インテリアとして楽しめるものなど、様々な種類がある。
キャンチレバー(きゃんちればー)
キャンチレバーとは、建物の一部が外側に張り出している構造を指す。
宙に浮いた状態の建築物を片側で支持するため、綿密な物理学と構造設計のもと建築される。キャンチレバーは元来、橋などの建築物で採用されていた。見た目のデザイン性もさることながら、機能面でも多くのメリットがある。雨風を凌ぐため、カーポートとしての役割も果たす。ガラス張りのキャンチレバーでは、眺望を楽しめるうえ、より多くの光彩を室内に取り込むことができる。一方、張り出しが長いほど、建築難易度があがりコストがかかる。