「き」から始まる用語一覧
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強化ガラス(きょうかがらす)
強化ガラスとは、強度に優れたガラスを指す。
通常のガラスを約700度に加熱した後で急速に冷却することで作られ、同じ厚さの通常のフロートガラスに比べ、約3倍の強度を持つ。
万が一破損した場合でも、割れ口が鋭い刃物のようになる危険がある普通のガラスと異なり、強化ガラスは割れると細かい粒になるため、破片で怪我をする可能性が低く、安全性が高いガラスとされている。
強化ガラスは耐久性が強いことと安全面から、ガラス製家具、学校や高層ビル、商業施設、住宅、自動車など、ガラスが割れる危険性の高い場所に幅広く使われている。
強化石膏ボード(きょうかせっこうぼーど)
強化石膏ボードとは、芯材に無機繊維材料を加え、耐火性と耐衝撃性を高めた石膏ボードを指す。
強化石膏ボードは、通常の石膏ボードよりも衝撃に強く、防火性能も高い。耐火性能を高めるため、壁面に2重に貼ったり、厚さの薄いものを貼り重ねる形で施工する方法もとられる。
建造物の耐火壁の構造、準耐火構造の壁面、天井材の防火構造材料などとして使用される。
京壁(きょうかべ)
京壁とは、京都を中心として発展した伝統的な土塗り壁を指す。
左官仕上げをする土塗りの壁であり、別名「聚楽壁」とも言う。数寄屋建築や茶室によく用いられている。土とみじん砂・みじんスサなどを加え、砂の目が揃うように仕上げる。きれいに砂の目が揃っているものは美しく、左官の最高級の仕上げの一つである。近年、樹脂をベースにした京壁が全国に広まり、樹脂入りの土壁も京壁と呼ばれるようになっている。
狭小住宅(きょうしょうじゅうたく)
狭小住宅とは、狭い土地に建てられた住宅を指す。明確な定義はないが、一般的に敷地面積が15坪・約50m2以下のものをいう。地価が高い都市部で多く見られる。
建ぺい率を上限まで使い、3階建てにして総面積を増やしたり、素材や間仕切り等で開放感を演出したり、建て方やデザインに工夫があるものも多い。ハウスメーカーも狭小住宅の商品を出している。
共振(きょうしん)
共振とは、物体の大きさや重量などによって定まる固有の振動周期が2つ以上の物質の間で一致し、大きく揺れる現象を指す。
建築物はその高さや重量などによって固有周期が決まるが、これが地震の振動周期と一致すると共振が起きる。共振によって振動が増幅される。共振が起きると建築物にはより大きな揺れが生じ、損傷や倒壊等の危険が高まる。共振に対する対策としては、まず建築物の構造自体を振動に強い耐力のある構造にする耐震技術に加えて、振動自体を軽減する制震技術が有効である。また、振動を吸収するゴムやダンパーなどを利用した制震設備を取り入れることで、共振のリスクを軽減し、建物の被害を抑制できる。
強制乾燥材(きょうせいかんそうざい)
強制乾燥材とは、人工的に高温で強制乾燥させた木材のことを指す。
強制乾燥材は原木からの製材後、機械で2週間~1ヶ月ほどの短期間乾燥させる。強制乾燥によって木材の水分量を減らし、収縮性がなくなった木材は、表面のひび割れが少なくてすむ。現在の施工では、扱いやすさから強制乾燥材を使用するのが主流である。反面、強制的に乾燥させられた時点で木材の強度の上昇は止まり、その後は低下していく傾向がある。そのため強制乾燥材を使用した住宅の寿命は、自然乾燥させた木材であるAD材の住宅に比べて短いといえる。
強制執行手続き(きょうせいしっこうてつづき)
強制執行手続きとは、債務者に対する請求権を裁判所が強制的に実現する手続きを指す。
不動産においては、住民を強制的に退去させる民事執行手続きのことをいう。家賃や住宅ローンを期日通りに支払わずに数ヶ月間滞納し続けた場合、債権者から督促状や催告状が送付されたり、保証人への連絡なども行われる。債務者が督促に従わず放置し滞納を続けると、賃貸借契約解除を前提に立退きを求められる。債務者がこうした求めにも応じない場合、債権者は裁判所へ申し立て、財産を差し押さえて強制的に債権を回収する強制執行を行う。強制執行を実行された場合、自宅を立ち退かなければならないため、家賃を滞納した際には、大家や管理会社からの督促にきちんと応じることが必要である。
脇息(きょうそく)
脇息とは、座ったとき身体の脇に置き、ひじをのせて体をもたれさせる道具を指す。
古くからある道具で古事記、日本書紀にはすでに記載があり、わしづき、おしまづきと呼ばれていた。奈良時代には、挟軾(きょうしょく)と呼ばれた。挟は挟む、軾は中国の車馬における前に設けた横木を意味している。天板が直線状だったものが、平安時代からは形状も変化し、ゆるやかな三日月の形状となった。綿入りの肘を保護するタイプが用いられるようになり、この時代のものが、現在よく見られている脇息である。抽斗付きの女性用の脇息や、脚の部分に豪華な蒔絵の装飾がある貴人用などもあった。現代では料亭や旅館などで客用に置かれたり、囲碁・将棋の対局の場で見ることができる。
共同建て住宅(きょうどうたてじゅうたく)
共同建て住宅とは、2戸以上の建物で、階段や廊下などを共用する住宅を指す。
一般的に、アパートやマンションなどの多くの世帯が集まって生活をしている住宅のことをいう。限られた土地を有効活用できるため、人口が集中する都市部に多く見られる。
また、同じ床面積の場合に一戸建て住宅よりも安く購入することができる。近年では、都心のマンションを中心にオートロックや宅配ボックスなどセキュリティや利便性が高い物件も増えている。
共同トイレ(きょうどうといれ)
共同トイレとは、賃貸物件などで住居人が共同で利用するトイレを指す。近年増えているシェアハウスでは、リビングやキッチンなどと併せてトイレも共同の物件が多い。
共同トイレの賃貸物件は、毎月の家賃が抑えられる場合が多いが、普段の衛生状態も予め調べておくと、納得して入居することができる。
共同媒介(きょうどうばいかい)
共同媒介とは、ひとつの不動産に対して、複数の不動産会社が媒介する不動産取引を指す。
共同媒介には、売主と買主の双方に1社ずつ不動産会社がつく、売主、買主双方の不動産会社の間に中間業者が介在する、売主が2社以上の不動産会社に媒介を委託する、不動産流通機構や不動産情報データベースを介して物件を紹介する、代理店で一体的に仲介を行うなどのパターンがある。
迅速且つ公正に不動産の仲介を実施するには情報の共有が有効である。そのため大規模展開の不動産会社を除き、不動産取引は共同媒介で行われるのが一般的である。
共同風呂(きょうどうぶろ)
共同風呂とは、寮やマンションなどで見られる居住している住民で共用されている浴室を指す。
各部屋に浴室がなく共同風呂で代替される物件では、家賃を抑えることができるメリットがある。
近年はタワーマンションやリゾートマンションで、各部屋の浴室とは別に共同大浴場が設けられていることもある。この場合の共同風呂は生活のための基本設備ではなく、住民サービスという側面が強い。
強度抵抗型設計(きょうどていこうがたせっけい)
強度抵抗型設計とは、鉄筋コンクリート造の建物を設計する際に、大きな揺れでも建物が壊れないよう耐震性能を高める設計法を指す。
鉄筋コンクリート造の設計方法の中でも、耐震壁付きラーメン構造や壁式構造といった、壁を多く使う構造が強度抵抗型に分類される。耐震壁などを使用して建物の剛性を高めることにより、揺れで建物の形が変わることを防ぐ特徴がある。建物の高さや面積が比較的小さい建築物で採用されることが多い。
競売(きょうばい、けいばい)
競売とは、土地や建物の購入時に借りた住宅ローンなどの借入金を返済できなくなったとき、借入れの担保となっている土地や建物などの不動産を、裁判所を通して強制的に売却することを指す。売却された不動産の代金は、金融機関等の債権者で配当(配分)される。
競売物件(きょうばいぶっけん、けいばいぶっけん)
競売物件とは、所有者が住宅ローンの返済ができないなど債務を履行できなくなったため、債権者が裁判所に申し立てることにより、担保としていた債務者の不動産などの財産を差し押さえ、裁判所を通じて強制的に売却された物件を指す。
競売物件を購入するには、定められた期間の中で入札の手続きをとり、一番高い価格で落札する必要がある。
京間(きょうま)
京間とは、京都を中心とした西日本で用いられる、和室などを設計する際の基準尺を指す。畳割りの場合、基準の畳の大きさは6尺3寸×3尺1寸(191×95.5cm)である。
畳は大きく分けて、京間、中京間、江戸間、団地間の4種類あり、それぞれサイズが異なる。これは、1間の大きさが時代により異なっていたこと、地方により畳割り、柱割りなど家を建てる工法に違いがあったこと等の理由による。大きさは京間>中京間>江戸間>団地間の順で、京間が最も大きな畳である。
京町家(きょうまちや)
京町家とは、建築基準法が施行された昭和25年以前に建築された木造建築物で、伝統的な構造及び都市生活の中から生み出された形態又は意匠を有するものを指す。
狭い敷地でありながら、通り庭、続き間、坪庭、奥庭があり、うなぎの寝床とも呼ばれるように敷地形状に奥行きが深くなっている。外観の特徴としては、瓦屋根や出格子、虫籠窓、土壁などが挙げられる。また一戸建て以外に連棟となっているものも多い。平成29年11月に「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」(京町家条例)が制定された。京町家を保存するだけでなく、さらなる発展と継承のために貸し出されている物件も数多くある。
共鳴器型吸音材(きょうめいきがたきゅうおんざい)
共鳴器型吸音材とは、孔を音が通るときに共鳴して空気が振動し、そこでの摩擦により音エネルギーを熱エネルギーに変換して吸音する吸音材のことを指す。
住空間を快適に造るためには、遮音のみならず吸音も重要なポイントである。会議室に吸音性がない場合、声がこだまのようになり、聞きづらくなる。また、吸音性が過剰な部屋では、大声で話さないと届かない。オフィスや学校の教室など、人が大勢集まる空間では、適切な吸音機能を備えることで、話し手の声がよく届き、聞き手は音声を明瞭に聞くことが可能になる。共鳴器型吸音材の孔は多孔質型吸音材より大きいため、中低音が吸収されることで声がより明瞭に聞こえる。
鏡面仕上げ(きょうめんしあげ)
鏡面仕上げとは、塗装による表面加工の一種で、素材の表面が鏡のように、光を均一に反射するよう研磨する加工を指す。
幅広い素材に施すことが可能で、金属、木材、コンクリートなどに使用される。鏡面仕上げは手間と技術が必要な加工方法となっているが、代わりに家具に重厚感や高級感を持たせることが可能になる。
共有名義(きょうゆうめいぎ)
共有名義とは、複数人が一戸建てやマンション、土地などの一つの不動産の所有者として登記することを指す。主に複数の相続人で相続する場合や、複数人が出資して不動産を購入する場合に共有名義となることがある。共有名義での登記は、所有の割合を示す持分登記が必要である。一つの不動産を複数人で出資して購入する場合は、基本的に出資割合に応じて持分を決定する。