「さ」から始まる用語一覧
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砂質地盤(さしつじばん)
砂質地盤とは、砂質土が主な成分になっている地盤を指す。
砂質度とは、地盤工学上の土壌分類では、粒径が0.075~2.0mmの砂分の割合が多い土壌を言う。粘土やシルトなどの細粒分(粒径0.075mm未満)、礫分(粒径2~75mm)の混ざり方によって、さらに細かく分類される。
建築物の地盤としては、水の量や締まり方が良しあしに関係する。水が少なく硬く締まった砂質度は、強度が高く良質な地盤とされる。扇状地や自然堤防などの地形に多い。埋立地のような水で満たされた緩い砂質度は、地震で液状化して地盤沈下するおそれがある。液状化の恐れがある地域かどうかは自治体が発行している「液状化マップ」で推定できる。
サッシ(さっし)
サッシとは、金属製の窓枠のことを指す。窓枠の建具をすべてサッシと表現したり、サッシを使う窓そのものをサッシと呼んだりする場合もある。サッシに使われる主な素材はアルミ、樹脂、木が多い。アルミ製は耐候性が高く、軽量で開け閉めの操作がしやすいことが特徴である。アルミは熱伝導率が高いことから、寒冷地では熱伝導率が低く、熱性に優れた樹脂製が使用される場合もある。
サッシ高(さっしだか)
サッシ高とは、床から窓のサッシ部分までの長さを指す。
一般的なサッシ高の長さは1.8mほどであるが、サッシ高が長ければ、その分窓も大きくなる。サッシ高2.2m以上の窓は、ハイサッシと呼ぶ。最近では、サッシ高を長くして窓を大きくすることで、室内への採光を多くしたり、換気をしやすくしたりする物件が増えてきている。梁のある部屋でも、リフォームすることで窓を大きくし、サッシ高を確保することができる。
サテンシカモア(さてんしかもあ)
サテンシカモアとは、アカテツ科の広葉樹であるシルバーハート材の中でも、波状にシワがよったように見える縮杢が現れた木材のことを指す。光沢のあるサテンのような木材であり、カエデ科の広葉樹であるシカモアに似ていることから、サテンシカモアと呼ばれている。アフリカ中部のシエラレオネからケニアまで東西アフリカの熱帯雨林地帯に分布し、心材は桃色がかった白褐色、辺材は淡色の色調を持つ。建具や家具、建築材、化粧合板、突板など幅広い用途に用いられている。
サニタリー(さにたりー)
サニタリーとは、トイレ・浴室・洗面所などキッチン以外の水回りのことを指す。
またその中で使用されている洗面用具などの小物や消耗品、衛生商品、設備等も含めサニタリーとよぶ。
英語のSanitaryには衛生的という意味があり、身体の衛生面を維持するために必要な設備・スペースであるとともに、心のリラックスをする上での快適さも求められている。
水を使用してきれいな状態を維持する場所になるため、水に強い素材や耐久性が求められており、掃除のしやすさはもちろん、抗菌性・防カビ性なども重要視される。
錆壁(さびかべ)
錆壁とは、上塗りの壁土に鉄粉や古い釘の煮出し汁を混ぜた壁を指す。
時間の経過によって鉄粉が錆びることから、様々な表情を見せてくれる。離れて見たときに、錆びた部分が蛍のように白くなったり黒くなったりして見えることから蛍壁とも呼ばれる。錆壁の代表的な例としては、茶室の壁や老舗旅館の壁に使われている。近年、高度な技術を持つ左官職人が減少しており、こうした伝統的な技術が継承されにくくなっている。
錆丸太(さびまるた)
錆丸太とは、皮を剥いだ丸太の表面に、錆と呼ばれる黒、白、赤などの色が混ざった斑点状の模様のある丸太を指す。茶室や数寄屋造りの建物の柱、桁、垂木などに使用される。
錆のような斑点は、カビの付着によるものである。梅雨の時期に伐採した丸太を山の中で樹皮を剥ぎ、そのまま寝かせて適度にカビがついたら、倉庫などに保管して造材し、ロウを塗り磨き上げる。
模様は、天候、木の状態などに影響されるため一定しない。
白黒がはっきりした色合いのものや、斑点が大きく花模様に見える牡丹錆と言われるものが珍重される。
サブリース契約(さぶりーすけいやく)
サブリース契約とは、賃貸借契約の一種で、管理会社が賃貸物件を一括借り上げして、入居者へ個別に転貸する契約を指す。
本来、オーナーと管理会社との間で結ぶ契約は「マスターリース契約」と言う。オーナーは管理会社に賃貸経営や管理を任せる形になり、契約期間中は、空室や滞納の有無にかかわらず一定の賃料が得られる。管理会社は、満室想定時の入居者賃料から5~20%の手数料を引いた「借り上げ賃料(サブリース賃料)」をオーナーに支払う。礼金や更新料もオーナーには入らない。契約期間は「10年・30年一括借り上げ」などと長期でも、借上げ家賃は何年かごとに見直す場合が多い。管理会社の倒産や中途解約リスクもある。
国土交通省は「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」を公開し、サブリース事業者に関する「賃貸住宅管理業者登録制度」を設けている。なお、空室や滞納が発生した場合の賃料を補填する家賃保証とは異なる。
サペリ(さぺり)
サペリとは、西アフリカから中央アフリカに広がる熱帯雨林地帯に分布するセンダン科エンタンドロフラグマ属の広葉樹を指す。樹高は30~60mもの巨木になり、胸高直径は1.0~1.5mに達する。古くから高級木材として世界的に有名な銘木マホガニーに似た美しい色調と木目を持つため、マホガニーの代替品として利用されてきた歴史がある。心材の色調は、マホガニーのような桃色や赤色、赤褐色で、辺材は淡色である。使い込むほどに美しい赤褐色に変化していくことから、化粧単板や家具、楽器、内外装建具など幅広い用途で使用されている。
砂防指定地(さぼうしていち)
砂防指定地とは、砂防法に基づき、治水上砂防のための砂防設備を要する土地または一定の行為を禁止、もしくは制限すべき土地として、国土交通大臣が指定した土地を指す。
指定地の管理は都道府県知事が実施することとされ、治水上砂防のために支障のある行為を防止する観点から竹木の伐採や土石・砂れきの採取等、一定の行為に制限がなされる。行為制限の内容については、都道府県の条例等に定められており、砂防指定地内で制限された行為を行う場合は、都道府県知事の許可が必要となる。
サムターン(さむたーん)
サムターンとは、ドアの施錠のため室内側に付けられる錠の開閉を行うためのつまみを指す。
サムターンは、シリンダー錠と呼ばれる外側から鍵を差し込む筒とセットになっている。外側からは鍵を用いないと開け閉めできないが、室内側からはサムターンを回せば戸締まりができる。
サムターン回し(さむたーんまわし)
サムターン回しとは、ドアにドリルなどを使って穴を開け、金属の棒を使ってドア内側のつまみ=サムターンを回転させて解錠してしまう犯罪手口を指す。ドアとドア枠の間に工具を差し込むことで解錠する手口や、ドアスコープ、ドアの郵便受けなどから狙われるケースもある。サムターンにカバーを取り付けたり、押し回しのものや鍵付きの物に取り換える対策のほか、CP認定錠の補助錠を追加する、1ドア2ロックの対策が有効と言われている。
サムラッチ錠(さむらっちじょう)
サムラッチ錠とは、サム(親指)で操作することによりラッチボルトを引っ込めるタイプの錠前を指す。
主に一戸建ての玄関ドアなどに使われた錠で、装飾が施されていることが多いため装飾錠とも呼ばれる。縦型のグリップハンドルの上に小型の指掛けがついており、親指で指掛けを押すとラッチボルトが引っ込む構造である。経年劣化により、指掛けが固くなってくる事例は新しい油を注入するグリスアップという方法で改善する可能性があるが、サムラッチ錠は近年の家では採用されることがほとんどなく、廃盤品も多い。そのため修理・改善ではなく、取り付け可能な代替品や防犯性の高い錠に交換されることも多い。
サムラッチハンドルドア(さむらっちはんどるどあ)
サムラッチハンドルドアとは、ドアノブ形式の一種で、親指だけでラッチ(留め金)を操作して開閉するドアを指す。
縦長のハンドルの上部に小さなレバーがあり、開け閉めの際には親指でレバーを押したままドアを前後に動かさなければならない。主錠がハンドルの上に錠前が付くのが一般的で、サムラッチハンドルと錠前を併せて「サムラッチ錠」とも言う。また、玄関ドアに採用されることが多く、重厚な鋳物製でデザインが施されているものが多いことから「装飾錠」「アンティーク錠」とも呼ばれる。
さや管ヘッダー工法(さやかんへっだーこうほう)
さや管ヘッダー工法とは、樹脂製のさや管に樹脂製の給水管を通す二重構造のさや管を使い、給水・給湯を一元的に分配するヘッダー工法を採用した、給排水管の施工・配置工法を指す。
給水と給湯のさや管を色分けすることで、何の配管かが一目で分かるようになっている。
従来の先分岐配管方式の工法と比較し、給水管に鋼管のような継ぎ目がないので水漏れする可能性が低いことや給湯配管の場合の保温性が高い。ヘッダー工法により、水栓までの間に分岐点がないため、複数の水栓を同時に使用した場合でも、安定した給水量となる。また、給水管が故障した場合に抜き出して交換できるため、壁などを壊す必要がない。
更地(さらち)
更地とは、建物など建築物がなく、借地権のような使用収益を制約する権利のついていない土地を指す。
その土地の購入後は、建ぺい率や容積率の法規制以外の制約は受けずに、自由に住宅を建築することが可能である。なお、建物が建っていないだけでは更地とはいわず、市街化区域内であっても樹木のない山林などは含まれない。
サワラ(さわら)
サワラとは、ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹を指す。日本特産種の木材で、本州北部から中部、中国、九州地方と広範囲に分布している。樹皮に近い周辺部から採った辺材は白色、樹心に近い心材はくすんだ淡黄褐色をしている。ヒノキとよく似ているが、特有の香りがなく、光沢が少ない。湿気に強く軽軟で、乾燥や加工は容易だが、割裂しやすい。匂いがつきにくい特性を活かし、米を入れるお櫃や飯台、水桶などに使用されてきた。他にも造作用の建築材や障子、襖、家具、包装材など、日本古来のさまざまな製品の材料に用いられている。
3LDK(さんえるでぃーけー)
3LDKとは、3つの居室にリビング(Living)ダイニング(Dining)キッチン(Kitchen)が1室に併存した住宅の間取りを指す。
不動産取引で表示する場合のLDKの最低限必要な広さの目安について、不動産公正取引協議会連合会は、居室が1の場合は8畳以上、居室が2つ以上の場合は10畳以上と定めている。よって、3LDKのLDKは10畳以上の広さとなる。なお、1畳の広さは1.62m2以上との定めもある。
三角かすがい(さんかくかすがい)
三角かすがいとは、木構造の接合に用いる補強金物の1種で、断面形状が三角形になっているかすがいを指す。
かすがいは、棒鋼の両端を直角に折り曲げて先を尖らせたもので、曲げた部分を爪、中央部分を渡りと言う。土台、軸組、小屋組などで2つの材をつなぐ同一平面に爪を打ち込んで接合する。通常のかすがいは断面形状が丸、四角、長方形だがが、内側が頂点の逆三角形にすることで、木材に打ち込む時に渡りの部分までめり込みやすく、表面がフラットに納まる。
三角州(さんかくす)
三角州とは、河口付近において、河川で運ばれた土砂や粘土が堆積することで形成される地形を指す。
三角州は、名前の通り三角形の形をしている。土地は低く平らで、表面には細砂や粒のそろった砂が、その下には海成粘土などからなる厚い軟弱層がある。
三角州に沈積する肥沃な土は、古くから農業地帯として発展し、日本でも水田農業が発達した。近世以降、干拓や埋立てによって陸化され、交通機関や水路、港の整備により、農業のみならず、商工業が栄えた例もある。