「す」から始まる用語一覧
116件
スラブ(すらぶ)
スラブとは、鉄筋コンクリート造の建築物における床板を指す。鉄筋コンクリート造では、大梁や小梁と一体化して成形される。格子状の鉄筋を埋め込んで強度を確保している。木造などに比べて騒音や歪みに強いとされており、公共施設やマンションに多用される。柱や梁で支えるコンクリート製の床である構造スラブや、梁がなく柱のみで支える構造のフラットスラブなど、様々な種類がある。
スラブ面積(すらぶめんせき)
スラブ面積とは、鉄筋コンクリートのマンションの床などで、四隅を梁で囲まれている箇所の面積を指す。細かく梁で区切られた床になっていてスラブ面積が小さいほど、変形に対して抵抗する力(剛性)が高くなり、スラブ面積が大きいほど剛性が低くなる。スラブ面積が大きい場合でも床スラブを厚くすれば剛性は高くなるが、厚みをあまり増やせない場合は、適度に小梁を入れることによりスラブ面積を小さくすることができる。
3WAYキッチン(すりーうぇいきっちん)
3WAYキッチンとは、リビングや洗面所、廊下など3箇所につながる動線を確保したキッチンを指す。
2WAYキッチンに比べて出入口が多く、ゴミ捨てや洗濯をしながらの料理など、家事を並行して行え、家事の時間短縮も可能になる。洗面脱衣所とキッチンの動線、さらに洗面脱衣所から廊下につながる出入口があると移動がスムーズになる。行き止まりがない動線は回誘動線と呼ばれる。複数の出入口があることで風の通り道が増え、換気しやすいことも特徴である。
3WAY洗面所(すりーうぇいせんめんじょ)
3WAY洗面所とは、3つの出入り口がある洗面所を指す。
3WAY洗面所は、3方向から洗面所への出入りが可能なため、家事や生活の動線を短くできる。例えば、キッチンや廊下、洋室から洗面所へ出入りできれば、料理と洗濯を並行したり、洋室から洗面所へ行き、身支度が可能になる。他にも、洗面所から玄関への動線があれば、朝の身支度を済ませたあとすぐ出かけることも可能である。但し、複数の動線があることから、洗面台や収納の設置場所が限定される。
スリーブ(すりーぶ)
スリーブとは、コンクリートの柱や梁を成型する前に、電気やガス、給排水管を通す貫通穴を確保するために、事前に挿入しておく筒状の菅を指す。具体例として下水道管・電線管などに用いられる、塩化ビニル樹脂を主原料とした塩化ビニル管や、設備配管のための管を抜くのに使う紙製のボイド管や、円形のコンクリート柱の枠に使うボイドチューブなどが挙げられる。
摺上猫間障子(すりあげねこましょうじ)
摺上猫間障子とは、上下に開閉する障子戸が付いた猫間障子を指す。大阪猫間障子、上げ下げ障子とも呼ばれる。障子を上方に摺り上げて開放でき、摺り上げた障子がずり落ちないように縦桟に猫バネを仕込む。摺り上げる部分の小さな障子は孫障子と呼ぶ。
猫間障子とは、障子の下部に小障子戸付きの小窓を設けたもので、猫が自由に出入りできるように作られたことから名付けられた。小窓部分にガラスをはめ込んだものも多く、その場合猫は通過できない。小障子戸の開閉の仕方により、摺上、引分、片引がある。
スリット窓(すりっとまど)
スリット窓とは、縦長もしくは横長の窓を指す。
スリットは隙間や切れ目の意味を持ち、その形状からスマートでモダンな印象を与える。小さなスペースでの設置が可能で、住宅密集地ではプライバシーを確保しつつ採光できる。
縦長のスリット窓は、主に玄関の明かり取りや、廊下の暗さの解消、換気を目的として設置される。横長のスリット窓は、窓が横に長いぶん部屋の奥まで光が届く。開閉できないスリット窓として配置すると、部屋の上部に溜まった暖気やニオイを排出できるため、キッチンにも適している。低い位置に取り付ければ、日差しを気にせず換気できる。
スリム型レンジフード(すりむがたれんじふーど)
スリム型レンジフードとは、キッチンコンロの上を幅広く覆うフード付きファンの1つで、フードが薄い板状になっているものを指す。
フードが斜めに大きく張り出すブーツ型レンジフードは、独立キッチンや対面キッチンの壁面に設置して、リビングダイニング(LD)から隠すのが一般的だが、スリム型レンジフードは、LDから見えるオープンなペニンシュラ型キッチンやアイランド型キッチンに設置しても見栄えが良く、圧迫感が出ない。
スリム型レンジフードには、金属製フィルターが付かないノンフィルタータイプも多い。このタイプは、油を捕集するオイルトレーを定期的に掃除する以外、普段は、フードの下部に付いた整流版を吹きとるだけで簡単に手入れできる。
スリムプラグ型機器(すりむぷらぐがたきき)
スリムプラグ型機器とは、スリムプラグ型の接続器が使われているガス機器を指す。ガス炊飯器、ガスファンヒーター、ガス衣類乾燥機などに、スリムプラグ型がある。
器具用スリムプラグは、ガス栓もしくはガス機器から一度とりはずすと内部のゴムが変形することがあるため、再使用しないで、新しいものと取り換える必要がある。
スレート(すれーと)
スレートとは、屋根や外壁などに使用される建築材を指す。
粘板岩を薄く加工したもので出来た「天然スレート」と、繊維質を混ぜたセメントをプレスして固め、着色して作られる「人口スレート」に分けられる。
人口スレートは、薄くて軽量なため、建物への負担が少なく耐震性に優れている。また、屋根材の中では加工が容易で比較的安価なうえ、色や形のバリエーションが豊富である。
ただし、他の屋根材と比べると耐久性が低く、劣化が起こりやすいため、定期的なメンテナンスが必要になる。
以前はアスベストと呼ばれる石綿入りのスレートが使用されていたが、健康被害が出る可能性などから現在は製造・使用禁止になっている。
スレート瓦(すれーとがわら)
スレート瓦とは、セメントを主原料とした屋根材を指す。
天然の粘板岩を板状に薄く加工した天然スレートと、それを模してセメントに繊維素材を混ぜ、5mm程度の板状に加工した人工(化粧)スレートの2種類があり、現在使用されているスレート瓦の大半は加工しやすく安価な人工スレートである。色や形のバリエーションが豊富な他、比較的軽量のため地震の揺れの影響を受けにくい。ただし、苔が生える、割れや反りが生じるなどで劣化しやすく、定期的なメンテナンスが必要となる。
スレート葺き(すれーとぶき)
スレート葺きとは、住宅の屋根をスレートと呼ばれる材料で覆って仕上げる方法を指す。施工できる業者が多く、施工費を抑えられるのがメリットである。
粘板岩という石を薄い板状にした天然スレートや、セメントを加工した人口スレートが使用される。人口スレートの方がカラーバリエーションが豊富で、天然スレートより価格が抑えられるため、一般的に広く普及している。
スレート屋根(すれーとやね)
スレート屋根とは、主にセメントを主材料とした人工スレートを使った屋根を指す。
人工スレートは、薄くて軽量のため、施工性が高く、コストパフォーマンスに優れた屋根材である。さらに、耐震性が高く、人気が高まっている。人工スレートの種類の中で、主に一般住宅で使用されているのが平板スレートで、厚さは5mmほどで、平たく薄い板の形状をしている。
また、スレート屋根の種類の中には天然スレートがある。天然スレートは、天然石を使用し、独特の質感が楽しめるが、加工の手間がかかるため高価である。
スロープ(すろーぷ)
スロープとは、高低差のある通路や廊下で、車椅子の利用者や高齢者、幼児などが通行しやすいように、ゆるやかに傾斜した通路のことを指す。
住宅の玄関には、一般的に3段ほどの段差があることが多い。スロープを設置することで、階段の段差を使用せずスムーズに自宅に出入りできるため、家族に車椅子の利用者がいる場合や、小さな子どもがいる家庭にとってのメリットは大きい。また、バリアフリー住宅の観点だけではなく、玄関まわりのエクステリアとして導入するケースも多い。
スロップシンク(すろっぷしんく)
スロップシンクとは、一般的なシンクや手洗い場よりも底の深い流しを指す。
一般的なシンクでは洗いづらい泥汚れのものや掃除道具などの洗い場に用いられる。一戸建てでは庭に、マンションではバルコニーに設置されることが多く、間取り図では洗面台やキッチンと区別するためにSKと表記される。新築住宅にスロップシンクを設置する場合は、何を洗うために使うかによって設置場所を決めるケースが多い。たとえば玄関に設置すれば、子どもが家に上がる前に汚れた手足や靴などが洗え、バルコニーや庭に設置すれば、植物の水やりや家庭菜園の収穫物、作業道具の洗い場などに活用できる。
寸(すん)
寸とは、尺貫法における長さの単位を指す。尺の10分の1で、33分の1m(約30.303mm)である。寸や尺は古代中国で生まれた単位で、地域や時代によって長さはまちまちだったが、日本では1891年(明治24年)に定義された。現在の日本ではメートル法を用いるのが一般的だが、建築業界では現在でも尺や寸を単位として用いられることが多々ある。