「ほ」から始まる用語一覧
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防火シャッター(ぼうかしゃったー)
防火シャッターとは、防火性能を備えたシャッターのことを指す。性能に応じて、「特定防火設備」「防火設備」として認定される。主な設置場所としては、外壁開口部とされており、防火設備は、延焼するおそれのある部分に、特定防火設備は、防火区画と面積区画を有する部分と、その他に建築基準法で規定され区画において用いられている。
防火性能(ぼうかせいのう)
防火性能とは、建築物の周辺で火災が発生した際に、延焼を抑制するために必要な性能のことを指す。建築基準法施行令により、火災の際に構造に支障をきたす損傷(変形・溶融・破壊)を30分間発生させない「非損傷性」、加熱を受けてから30分間、可熱物の燃焼する温度を超えない「遮熱性」の2点が、防火性能の基準となっている。
防火設備(ぼうかせつび)
防火設備とは、火災時に炎がまわるのを防ぐ設備のことを指す。建築基準法において、建物の外壁などで延焼の可能性がある箇所に設けられ、防火戸などの火災を遮る設備のことを指し、周囲で発生した火災に対して、20分間は加熱面以外の面に火災を出さない遮炎性能を有していることが規定されている。建築基準法において、耐火建築物、準耐火建築物および技術基準に適合した建築物の外壁で、延焼の恐れのある部分には設置が義務づけられている。
防火ダンパ(ぼうかだんぱ)
防火ダンパとは、建物や室内の空気調和や換気を目的とするダクトの内側に設置される防火設備を指す。ダクトが準耐火構造の建物の防火区画を貫通する場合、建築基準法によって設置が義務づけられている。防火ダンパには溶解温度が設定されたヒューズが取り付けられており、設定温度を超えた空気が通るとヒューズが溶け、ダンパが自動的に下りることでダクト内への炎の進入を遮断し、火が燃え広がるのを防ぐ役割を果たす。
防火ダンパー(ぼうかだんぱー)
防火ダンパーとは、火災の際のダクトの内部での延焼を防止するため、ダクト内に取り付けられたダンパーのことを指す。防火ダンパ―は羽根状や板状の形をした扉で、火災による煙や、温度が上昇した際に自動的に閉じる仕組みとなっている。換気設備であるダクトが準耐火構造の防火区画を貫通する場合において、設置が義務づけられている。
防火地域(ぼうかちいき)
防火地域とは、市街地における火災の拡大を防ぐために定められる地域地区を指す。主に市街地の中心部や幹線道路沿いのエリアが指定されており、このエリアの中では、建築物の規模に見合った十分な耐火性能を有する建築物でなければ建築することができない。具体的には、地域内全ての建築物を最低でも準耐火建築物とすることや、階数が地下の階数も含む3階以上の建築物、または延べ面積が100m2より大きい建築物は、必ず耐火建築物とすることが義務付けられている。
防火塗料(ぼうかとりょう)
防火塗料とは、木などの可燃物に塗布することによって不燃材料、準不燃材料あるいは難燃材料とする塗料を指す。高い熱や火炎に触れると数百倍に膨張して発泡し、塗膜自体が難燃化して基材の着火温度への到達を遅らせる能力をもつ発泡性防火塗料と、消火性ガスを発生して熱と炎の伝導を抑止する非発泡性防火塗料があり、後者には有機質のものと無機質のものがある。
防火戸(ぼうかど)
防火戸とは、防火性能を持つ扉を指す。
防火戸には防火性能の異なる「防火設備」「特定防火設備」の2種類が存在し、求められる性能が異なる。
「防火設備」は、閉鎖時に通常の火災時における火炎を有効に遮るものと定義されていて、多くは建築物の外壁に設置される。
防火設備より防火性能の高い「特定防火設備」は、通常の火災の火炎を受けても1時間以上火炎が貫通しない構造と規定されている。火災時に確実に閉鎖させるため、人間が開けない限り常に閉鎖されている「常時閉鎖型防火戸」と、火災を感知すると閉鎖される「随時閉鎖型防火戸」の2種類の構造だけが認められている。
防火壁(ぼうかへき)
防火壁とは、火災発生時の急激な延焼拡大を防止することを目的として、一定面積以上の建築物に備えられる壁を指す。仮に火災によって片方の部分が燃え落ちてしまっても、防火壁自体が残ることによって、類焼を防ぐという目的があるため、耐火構造であるだけでなく、防火壁そのものが自立していることが条件となっている。現在は、一定以上の面積の建築物には、厳格な防火、避難規定が定められており、準耐火建築物もしくは耐火建築物として設計や建築が行われるケースが一般的となっている。準耐火建築物や耐火建築物であれば、主要構造体自体が耐火性能を持っているため、改めて防火壁を設置する必要がなく、現在では防火壁はほとんど採用されていない。
防火間仕切り(ぼうかまじきり)
防火間仕切りとは、火災時に延焼防止を必要とする建築物に対し、建築基準法で設置が義務付けられている間仕切りを指す。「防火上主要な間仕切り壁」ともいう。設置が求められる建築物は、学校、病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、寄宿舎および児童福祉施設、マーケットなどで、設置が求められる範囲は建築物の種類により異なる。
防火木材(ぼうかもくざい)
防火木材とは、不燃材料の性能を有する木材、または不燃薬剤で処理された、不燃材料、準不燃材料または難燃材料のどれかの性能を有する木材を指す。難燃薬剤の水溶液を木材に注入(含浸)させる方法で製造する。建築基準法では防火戸(旧乙種防火設備と同等)の材料として認められている。
防蟻工事(ぼうぎこうじ)
防蟻工事とは、建築物のシロアリ被害を防ぐために行う工事を指す。
木造住宅の場合、建築基準法で、柱や土台などの構造材のうち地面から1mの部分に防腐防蟻処理をするか、特定の耐久性の高い樹種を採用しなければならないと規定されている。床下や壁体内の通気を確保することも重要である。防蟻処理には、骨組みを施工した後に防蟻剤を散布する方法と、予め薬剤を加圧注入された部材を使う方法がある。薬剤散布の場合は、5年ごとの施工が必要になる。防蟻剤をめぐっては、2003年7月の建築基準法改正によりシックハウス症候群の原因となる有機リン系薬剤のクロルピリホスの使用が禁止された。その後、有害性の低い薬剤が開発されているが、健康被害を心配する人の中には、防蟻剤を使用せず、シロアリの成長や生殖阻害効果を持つベイト剤を使ってコロニーの全滅を図る手法も採用している場合もある。
防災再開発促進地区(ぼうさいさいかいはつそくしんちく)
防災再開発促進地区とは、火災や震災などの防災面で危険な状況である密集市街地を防災街区として、総合的に市街地の再開発を促進する地区を指す。2003年に密集法が改正されたことで、この防災再開促進地区の指定がされた。木造住宅が密集する地域において、防災機能の確保や防災街区の整備を促進し安全で暮らせるよう、再生を図ることが目的である。
防災シェルター(ぼうさいしぇるたー)
防災シェルターとは、災害時に緊急避難するための施設を指す。
津波、地震、核、地下核、火山灰、竜巻といった災害ごとに特化した開発が行われており、機能はさまざまである。住宅用の防災シェルターとして、自宅の敷地内に埋める地下型シェルターのほかに、庭やガレージに置くだけで、子ども部屋などとして普段使いできるルーム型のシェルターも開発されている。
防災センター(ぼうさいせんたー)
防災センターとは、建物などの施設内の防災管理を集中的に行う場所を指す。消防法及び消防法施行規則により一定の防火対象物に設置することが定められ、火災の監視や消防設備を備えている。主な設備は、自動火災報知機の受信設備、スプリンクラーや消防用ポンプなどの監視設備、遠隔操作設備、非常放送設備などである。マンションなどでは管理事務所が防災センターの役割を兼ねていて、この防災センターを中心とした防火管理体制がとられていることが多い。防災センターには、火災や震災などに対応するために、公的な講習を受けた防災センター要員を配置する必要がある。
防災ベッド(ぼうさいべっど)
防災ベッドとは、大きな地震により万が一自宅が倒壊しても身を守れるベッドを指す。ベッド上にアーチ型の屋根が設置されており、就寝中に家具などが倒れてきても下敷きになるのを防げる。
防災ベッドのフレームは主に鉄骨製であり、重さが100kg以上あるため、建物の1階にしか設置できない。
旧建築基準の木造住宅の場合、大地震が発生した際に倒壊の危険性が高いものの、耐震工事を行うとコストがかかるため、代替処置として取り入れられている。
防湿気密フィルム(ぼうしつきみつふぃるむ)
防湿気密フィルムとは、建物の壁の中に発生してしまう結露を防ぐフィルムを指す。
外壁の内側に水蒸気を通さない素材のフィルムを貼ることで、水蒸気の壁内への流入を防いで壁内結露を防止する。素材はポリエチレンやアルミの場合が多く、厚さは0.mm以上である。フィルムの継ぎ目は下地がある場所で10cm以上重ね、さらに面状の部材でフィルムを固定することにより防湿性を高める。2006年に関連する法律が改定され、防湿性と気密性が別になり防湿機密フィルムは防湿フィルムと呼ばれることになった。フィルムの性能自体に変わりはなく、高品質の防湿フィルムは気密性も保持している。
防湿シート(ぼうしつしーと)
防湿シートとは、壁や床などの水蒸気や湿気の透過を防ぐために用いられるシートのことを指す。主に、水蒸気を通さない厚さ0.1mm以上のプラスチックフィルムやアスファルトルーフィング、防湿ポリエチレンシートなどが使用される。壁内への水蒸気流入を防いで、壁内結露を防止する効果がある。なお、住宅金融支援機構における断熱施工の技術基準では、「防湿材は幅広の長尺シートを用い、連続させ、隙間の出来ないように施工。また、継目は下地材のあるところで30mm以上重ね合わせる」とされている。
防湿ミラー(ぼうしつみらー)
防湿ミラーとは、鏡面が錆びて機能が低下するのを防ぐために、側面や裏面に錆止め処理した鏡を指す。「浴室用鏡」「耐食鏡」とも言う。
通常の鏡は、板ガラスの裏面に光を反射する銀膜を引き、その銀膜を湿気から保護するために銅メッキをして保護塗料でコーティングされている。しかし、鏡を一定の形にカットした際に表れる側面の小口部分は保護塗料がないため、浴室などの湿気の多い場所で使用すると、時間がたつにつれて銀幕や銅メッキが腐食し、黒や茶色の汚れが目立ち始める。これを防ぐために、小口に防腐加工を施す。裏面全体を防腐加工した全面防湿加工のタイプもある。なお、防湿ミラーには曇り止め効果はない。鏡面が曇らないものを防曇ミラーと言う。
防振ゴム(ぼうしんごむ)
防振ゴムとは、機械の運転に伴う振動あるいは衝撃が基礎に伝わるのを防止するのに使われる部材を指す。
ゴムの特性として防振とともに緩衝、防音にも効果を発揮できるので、エアコン室外機の防振架台や、冷蔵庫など室内で振動する機械を用いる際に、防振ゴムで共振を防ぎ騒音を低減できる。建築物では、地震や強風などの揺れ対策に用いられる。また電車や地下鉄に近い建物の基礎部分などで、固体伝播音を抑え室内の騒音問題を解消する手段としても用いられる。ゴムは加工しやすいため、ブロックやシート状に作られたもの、内部にバネを仕込み振動吸収性を高めたもの、ボルトを埋め込み他の機械や設備に設置しやすくしたものなど、目的、用途に応じて様々な形状がある。