「こ」から始まる用語一覧
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勾配天井(こうばいてんじょう)
勾配天井とは、勾配を有する天井を指す。
一方向に傾斜している片流れと、二方向に傾斜する三角屋根のタイプがある。勾配天井にするメリット主に3つある。1つ目は開放感。勾配天井にすれば天井に高低差ができ、空間の広がりを演出できる。また天井が高くなることで、部屋に開放感が生まれる。2つ目は部屋の明るさ。高い位置に窓を設置すれば、採光がよくなり部屋全体が明るくなる。窓が高い位置にあることで、日差しが部屋の奥まで届き、1年を通して明るい部屋が実現可能だ。3つ目は通気の良さ。勾配天井で高窓をつければ、天井付近に集まる暖かい空気が窓から外に出て、低窓から空気が入ってくるため室内の空気が循環しやすい。
勾配屋根(こうばいやね)
勾配屋根とは、傾斜のある屋根のことを指す。切妻屋根、片流れ屋根、方形屋根、寄棟屋根などさまざまなタイプがある。屋根の勾配(傾斜)の度合いを表す言い方は一般的には寸勾配で表示され、屋根の底辺を10として縦の高さを寸で表現する。例えば5寸勾配とは、底辺を10とした時に、縦の高さが5の勾配を表す。金属や瓦などが勾配屋根の素材として使われているが、素材により必要な勾配の角度が決められている。金属屋根であれば1寸勾配以上確保されればよいが、瓦屋根の場合には瓦を重ねることで勾配が緩やかになってしまうため、最低でも4寸勾配以上確保しなければならない。
コウヤマキ(こうやまき)
コウヤマキとは、本州、四国、九州に分布するコウヤマキ科の針葉樹を指す。漢字では「高野槙」と表記される。和歌山県の高野山に多くみられることがその名の由来である。樹皮は繊維質が強く槙肌と呼ばれ、防水材として井戸の壁などの隙間の充填物に使われていた。水に強く腐りにくい性質のため、風呂桶や流し板の材料として、また流通量が少なく希少ではあるが外壁材にも用いられてきた。
辺材は乳白色、心材は淡黄褐色である。成長が遅いため、辺材の年輪の幅は狭い。
広葉樹(こうようじゅ)
広葉樹とは、葉が広く平たい被子植物を指す。代表的なものにサクラやケヤキ、ナラやチークがある。枝分かれして丸くこんもりと育つのが特徴。冬に葉を落とす落葉広葉樹と、四季を問わず葉をつけている常緑広葉樹の2種類に分けられる。さらに、光沢のある厚い葉を持ち、雨の多い暖温帯に見られる常緑広葉樹のことを照葉樹と呼ぶ。
広葉樹は細胞の密度が高く複雑な構造をしていることから、重く硬い材となる。傷がつきにくく、床材や家具材などに用いられることが多い。
高麗縁(こうらいべり)
高麗縁とは、白地の綾に雲形や菊花などの紋を黒く織り出した、畳の縁を指す。こうらいべりと読む。
紋には大小があり、古くは、親王や大臣などは大紋、公卿や僧正よりも下の僧は小紋と、使う場所に制限があった。後に白地の麻布に黒の小紋を染めた略式の高麗縁も登場する。さらに後世では中紋も使われるようになり、高麗縁を取り入れる場も幅広くなっていった。現代では、神社や寺院の座敷、茶室など格式のある場所や、住宅の床の間などに使われている。
小売店舗地区(こうりてんぽちく)
小売店舗地区とは、都市計画法で定められた特別用途地区の一つで、日用品等の小売店舗街として指定されている地区を指す。
都市計画法により、日用品を販売している商店のようなお店が並んでいるエリアの、健全な環境の維持向上を図る目的で定められているため、風俗営業関係にあたる施設、映画館や劇場・ホテル・キャバレーなどの建築は制限されている。
高力ボルト接合(こうりょくぼるとせつごう)
高力ボルト接合とは、ナットを締め付けることにより部材接合面に圧力が働き、発生した大きな摩擦力によって部材接合する工法を指す。摩擦ボルト接合とも呼ばれる。
鉄骨架構工事の際、溶接によって梁や柱を接合するのではなく、プレートでボルト接合する。高力ボルトは普通のボルトよりも強度が高く、高い引張力にも耐えられるため、建築ではほぼ全てが高力ボルトとなっている。
日本鋼構造協会において、建築高力ボルト接合管理技術者認定試験が実施されているが、認定者だけが施工できるという定めはない。
高齢者円滑入居賃貸住宅(こうれいしゃえんかつにゅうきょちんたいじゅうたく)
高齢者円滑入居賃貸住宅とは、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅として都道府県知事(またはその指定を受けた登録機関)に登録された住宅を指す。貸主は、自ら所有する賃貸住宅を高齢者円滑入居賃貸住宅として登録することができる。入居を希望する高齢者は、都道府県等の窓口やホームページで賃貸住宅情報を閲覧して入居先を探すことができる。入居申し込みの窓口は高齢者居住支援センターとなり、同時に家賃債務保証の申し込みも行うことができる。※2011年の高齢者居住法改正により、「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化された。
高齢者専用賃貸住宅(こうれいしゃせんようちんたいじゅうたく)
高齢者専用賃貸住宅とは、高齢者円滑入居賃貸住宅のうち、高齢者専用と登録されている賃貸住宅を指す。認定を受けるには、専有面積、室内設備(水洗トイレ、洗面所、キッチン、浴室、洗面所、収納)設置の条件を満たす必要がある。入居対象者は、自立あるいは軽度の要介護状態の高齢者となる。入居者は、高齢者居住支援センターの家賃保証を受けることができる。※2011年の高齢者居住法改正により、「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化された。
高齢者向け優良賃貸住宅(こうれいしゃむけゆうりょうちんたいじゅうたく)
高齢者向け優良賃貸住宅とは、「高齢者の住居の安定確保に関する法律」に基づき、都道府県知事に認定された賃貸住宅を指す。認定を受けるには、総戸数、専有面積、耐火基準、バリアフリー設計、緊急通報装置などの基準項目を満たさなければならない。入居対象者は、自立あるいは軽度の要介護状態の高齢者となる。一部、助成金制度がある自治体もある。※2011年の高齢者居住法改正により、「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化された。
子鍵(こかぎ)
子鍵とは、建物のドアを施開錠する際に使用する鍵を指す。いわゆるカギといえば子鍵を言う。
マンションやホテルなどで、すべての部屋の錠を1本で開けられる鍵をマスターキーと言い、通称「親鍵」と呼ぶことから、1つの部屋だけを開けられるものを子鍵と言うようになった。親鍵は建物の管理者やオーナーが持ち、子鍵は入居者や宿泊者が持つ。
なお、錠に合わせてメーカーが作ったものを純正キー、利用者が純正キーを紛失するなどして複製したものを合鍵と言う。
国産材(こくさんざい)
国産材とは、国内の原木を利用して製材や加工を施した木材を指す。
国産材の樹種は、杉、ヒノキ、カラマツ、ヒバ、クリなど、さまざまである。四季や高温多湿といった自然のもとで育っており、日本の住宅に適した木材である。内地材とも言う。政府は二酸化炭素の吸収効果や洪水や土砂災害の防止のために、木材自給率50%の目標を掲げている。
克雪住宅(こくせつじゅうたく)
克雪住宅とは、雪下ろしの必要がない家を指す。克雪住宅の主なものとして、耐雪型住宅、落雪型住宅、融雪型住宅がある。耐雪型住宅は、住宅の構造が2~3mの積雪の重さに耐えられるように強化されている住宅である。1カ所に雪がたまることのないよう屋根の勾配をゆるくするなど雪庇対策が取られている。落雪型住宅は、滑りやすい屋根材を用いたり、屋根に急勾配をつけたりすることにより、自然に雪が滑り落ちる住宅である。屋根は片流れ屋根か切妻屋根になっており、高床落雪型住宅ともいう。融雪型住宅は、ガス、灯油、電気などのエネルギーや生活排熱などにより屋根の雪を融かす住宅で、電熱式、温水式、ヒートパイプ式などがある。
黒檀(こくたん)
黒檀とは、東南アジアからアフリカに広く分布するカキノキ科の広葉樹を指す。紫檀、タガヤサンとともに唐木三大銘木と呼ばれる。樹木の成長が非常にゆっくりなため限られた数しか採れず、希少価値が高い。重硬で加工は難しいが、磨くと鏡のような光沢がでる。高級家具材や装飾材、額縁や箸などの日用品に用いられる。
縞黒檀、青黒檀、本黒檀、斑入黒檀に分類され、辺材と心材の色は樹種によりさまざまである。
国土交通大臣免許(こくどこうつうだいじんめんきょ)
国土交通大臣免許とは、宅地建物取引業法に定められた免許のひとつで、不動産仲介会社や不動産会社といった宅地建物取引にかかわる業者に向けた免許を指す。2つ以上の都道府県にまたがって事務所を置き、自ら売買、交換にかかわったり賃借の媒介、代理などを行ったりする宅地建物取引業者が必ず取得すべき宅地建物取引業免許である。宅地建物取引業者は、公衆の見やすい場所に掲示しなければならず、掲示内容には免許証番号と免許有効期間なども含まれる。免許の有効期間は5年間である。なお、1つの都道府県内にだけ事務所を置いている場合は、都道府県知事免許を取得すればよい。
黒板クロス(こくばんくろす)
黒板クロスとは、黒板のような表面を持つ特殊な加工を施した壁紙を指す。
黒板と同様に、チョークを用いて壁紙に直接文字などを書くことができる。ただし、消す際は黒板消しではなくブラシや布を使用する。筆記用具として使用できるのは、炭酸カルシウム製及び石膏カルシウム製のチョークのみである。子どもの知育用や家族のコミュニケーションツール、カフェを思わせるアートなインテリアとして、子ども部屋やリビングの一部などに取り入れられることが多い。
杮葺(こけらぶき)
杮葺とは、木の薄板を幾重にも重ねて施工する日本独特の屋根の葺き方を指す。起源は7世紀中頃の飛鳥時代まで遡り、平安時代の貴族文化の中で成熟し、江戸時代に完成したとされる。杉や椹などを薄い板状にし、上方向へ葺き重ねていく。
日本の伝統的建築物の屋根は、杮葺のほか、檜皮や茅など植物性資材で葺かれているものが多い。これは日本に豊富な森林資源があったためである。杮葺は、桂離宮の古書院、中書院、金閣寺の舎利殿など、多くが重要文化財になっている。
戸境壁(こざかいへき)
戸境壁とは、アパートやマンションなどの建物で、住戸と住戸の間にある壁を指す。
戸境壁には、同じ住戸内の部屋を区切る間仕切り壁に比べ、遮音性が求められる。そのため、遮音上問題のない構造かつ耐火構造か準耐火構造、もしくは防火構造で天井裏にまで達するように作らなければならないと建築基準法で定められている。マンションの戸境壁は、通常は遮音性に優れた鉄筋コンクリート製で施工され、厚さは20cm前後で作られることが一般的である。
腰板(こしいた)
腰板とは、室内壁の下部に張る板を指す。腰高である床面から90cm程度の高さのものが一般的である。素材は、ヒノキ・スギ・パインなどの無垢材や、突板・木目柄になっている樹脂シートの化粧合板などがある。
インテリアの一部として、リビング・寝室・廊下などに用いることが多い。壁を汚れや傷から保護する目的でも使われる。ひっかき傷等を防ぐ特殊な強化化粧シートを使ったペット用腰板もある。
腰板破り(こしいたやぶり)
腰板破りとは、扉のドアノブ周辺を刃物でくり抜いて鍵を開ける、犯行の手法を指す。
扉が丈夫な素材で、しっかりと施錠できるものであれば、ドアノブをくり抜くのは難しくなり、腰板破りを使った侵入を防げる可能性が高い。しかし勝手口などは比較的薄い素材が多いため、狙われやすい。腰板破りによる被害を防ぐためには、扉の強化の他にも、サムターンカバーを設置する、警報器や防犯砂利を敷いて侵入を知らせるなどの方法がある。