「せ」から始まる用語一覧
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セーフティネット住宅(せーふてぃねっとじゅうたく)
セーフティネット住宅とは、セーフティ制度に基づき登録され、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅のことを指す。
空き家や空き室を活用し、条件が整えば安価で借りることができる。セーフティネット住宅は、低所得者向けの公営住宅制度をもとにしている。現在は最低限の安全を保障する社会制度の一環として、施策が行われている。対象は低所得者のみならず、外国人、災害による被災者などを「住宅確保要配慮者」として、登録された住宅を提供している。また、2017年10月から新たな住宅セーフティネット制度が始まっており、貸す側と借りる側の不安要素を排除し、促進に向けた仕組みを整備している。
生活空間(せいかつくうかん)
生活空間とは、日常の生活を送る場として必要とされる環境の範囲を指す。
生活空間で大切なことは、その家に住む全員が自分の居場所を確保でき、人との繋がりを持ちながらも自分らしさを守れることである。近年注目されているオープンスペースの住宅では、仕切りを用いるなど、プライベートな空間をつくる工夫が必要となる。物件を選ぶ際には、プライベートの空間に人の視線が行かない工夫がされているなど、日々の生活の上での動線における視線をコントロールされる空間であることも重要となる。
生活支援サービス(せいかつしえんさーびす)
生活支援サービスとは、在宅の高齢者に提供される介護保険適用外の生活サポートサービスを指す。原則として、地域ごとに民間企業、NPO法人、ボランティア団体などが行う。生活支援サービスは、介護保険を補うものとして実施され、自治体によって提供される内容は異なる。介護保険で提供できないサービスとしては、食事の提供や認知症の人の見守り、家事の支援や代行、外出時の付き添い等である。サービス提供事業者に対しては、一定の基準に基づき国や都道府県が助成を行っている。
生活臭(せいかつしゅう)
生活臭とは、生活を送る中で家に染みついた臭いを指す。多くは不快な臭いを意味する。キッチンであれば料理そのものの臭いや、飛び散った油が酸化した臭い、生ごみの臭いなどが当てはまる。トイレの場合、便器から跳ねて床や壁に付着した尿が発生させるアンモニアに似た臭いが該当する。人間の皮脂が蓄積したカーペットなどから発生した臭いや、家の中で喫煙している場合の煙草の臭いも生活臭に含まれる。
生活騒音(せいかつそうおん)
生活騒音とは、足音や話し声、または電化製品をはじめとした家庭用機器など、日常生活における様々な行動から発生する騒音を指す。
一般家庭のピアノや、ヒートポンプ給湯器から生じる音、集合住宅での風呂・トイレの給排水音、自動車のアイドリング音といったものなどが幅広く「生活騒音」と言われる。
生活騒音は、人々が生活するうえでどうしても発生してしまうものも含まれるため、生活騒音を全てなくすことは非常に難しい。そのため、各個人が日常生活において騒音を防止するために配慮することが必要になる。
生活用品(せいかつようひん)
生活用品とは、人が毎日の生活を送る上で使用する頻度の高い、日常生活に根ざしている品物を指す。家具や筆記用具などの雑貨、手指の消毒用のアルコール、トイレットペーパーなどの衛生用品、口紅やファンデーションなどの化粧品などが該当する。また、スポーツ用品や楽器、趣味に使われる道具や仏具なども含まれている。一方、日常生活で多く使われていても、飲料やお菓子といった食料品や、下着を除く衣類などは生活用品として扱われない場合が多い。生活用品は人の生活に必要であるが、災害時には入手困難になる場合もある。そのため、食料品などとともに普段から備えておくことが重要である。
生活リズムセンサー(せいかつりずむせんさー)
生活リズムセンサーとは、ひとり暮らしの高齢者や身体障害者などの生活リズムをチェックし、安否を確認するための緊急通報システムを指す。日常的に利用する居間の天井やトイレの扉、廊下などに設置する。一定時間居住者の動きが確認できない場合、事前に登録している連絡先や警備会社などに自動的に通報されるため、室内での急なトラブルで居住者の身動きが取れない場合でも、遠隔で異常に気付くことができる。
生活利便性(せいかつりべんせい)
生活利便性とは、日常生活をする上での住宅の立地の便利さの尺度を指す。
主には日常の買い物施設、公共施設、医療施設、幼稚園や学校、それらへの行きやすさや配置関係に影響される。入居者の生活や家族構成によって、生活利便性の良し悪しの尺度は変わる。
制菌加工カーテン(せいきんかこうかーてん)
制菌加工カーテンとは、菌の増殖を抑える加工が施されたカーテンのことを指す。
制菌加工カーテンは、臭いの原因となる黄色ブドウ球菌だけでなく、肺炎桿菌などの人間に有害な菌の増殖を抑える効果を持つ。一般家庭用では、レースカーテンや遮光厚地カーテンとして窓辺に使用されることが多い。制菌加工カーテンとして売られているものは、基本的にJTETCの基準を満たしていることを示す認証マークが付けられている。
整形式沈床庭園(せいけいしきちんしょうていえん)
整形式沈床庭園とは、庭園の中央部を低くした整形式庭園を指す。
整形式庭園とは、庭園空間の軸線に対して、左右対称、直線、円などの幾何学的な模様を基調に図案化された庭園様式である。沈床庭園とは、地盤より低い位置につくられた半地下の庭園で、一般的に庭園の中心となる低くなったスペースに花壇、池や噴水などが配置される。
整形式沈床庭園は庭園の中央部が低くなることで、庭園を広範囲に見渡すことができ、また、斜面にも草花を植栽できることで、景観に立体感や開放感が生まれる。整形式沈床庭園の代表的なものとして、イギリスのハンプトン・コート宮殿やケンジントン宮殿の庭園、日本国内では東京都調布市の深大寺植物公園のバラ園などが挙げられる。
整形地(せいけいち)
整形地とは、長方形や正方形の整った形をしている土地のことを指す。建物を建てる上で、敷地全体を有効に活用することができ、土地の形状による制約が少ないので、ハウスメーカーなどの規格住宅や工業化住宅の建築がしやすいのが特徴である。また、一般的には、売買価格をはじめ、固定資産税評価額、相続税評価額なども高く設定されるケースが多い。
政策誘導型リフォーム(せいさくゆうどうがたりふぉーむ)
政策誘導型リフォームとは、国や地方公共団体が奨励・誘導するリフォーム工事を指す。バリアフリー、省エネルギー、耐震化工事など、住宅をより質の高いものにするのが目的で、政策誘導型リフォームに該当する工事を行う場合に融資や助成金などの優遇措置が受けられる。
当初は、バリアフリー住宅工事や長寿社会対応住宅工事、環境共生住宅工事、長期耐用住宅工事などがあった。現在では、日本全国の地方公共団体で政策誘導型リフォームとして、多角的なリフォーム工事へ補助金や融資などの措置を提供している。
生産緑地地区(せいさんりょくちちく)
生産緑地地区とは、市街化区域内において、緑地を保全する目的により制定された生産緑地法によって指定された土地や区画を指す。
生産緑地地区は、最低30年間は農地または森林などとして維持しなければならない制約があるが、税制面での優遇がある。一定の要件を満たして、管轄自治体により指定を受ける必要がある。一定の要件とは、生産緑地法第3条において規定されているもので、主な内容は大きく3である。
(1)良好な生活環境の確保に相当の効果があり、公共施設等の敷地に供する用地として適しているもの
(2)500m2以上の広さがあること
(3)農林業の継続が可能な条件を備えていること
生産緑地地区内では、建築物などの新改築、宅地造成などを行う場合、市町村長の許可が必要となり、農林漁業を営むために必要な建物でなければ許可されない。
制振(せいしん)
制振とは、免振や耐震と同様に、建造物における地震の揺れの被害を建物の構造で防ぐという建築設計上の概念を指す。
制振を実現するための仕組みとして、建物の構造体に振動軽減装置を組み込み地震のエネルギーを吸収して、地震の揺れを少なくする建物も多い。そのための装置としては、錘やダンパー、制震パネルなどがある。
また制震と書くこともあるが、近年では制振で統一されつつある言葉である。
制震金物(せいしんかなもの)
制震金物とは、地震などの揺れを熱などのエネルギーに変換して吸収する方法を用いた特殊部品を指す。比較的寿命が長く効率よく揺れを吸収するため、余震にも効果を発揮するとされているオイルダンパーや、輪ゴムのような伸縮性に優れているため、繰り返し起こる地震にも柔軟に対応することができるゴムダンパー、比較的安価で設置が可能である鋼材ダンパー、特殊粘弾性体を挟み込んだガルコンVなどがある。いずれも建物の地震被害の抑止を目的として、壁や柱などの交点である接合部分に設置する。
制振構造(せいしんこうぞう)
制振構造とは、地震エネルギーを吸収する制振装置を組み込むことで建物の揺れを軽減する構造を指す。地震だけでなく台風などの強風の揺れも抑える。主に高層のマンションやビルなどで用いられてきたが、阪神・淡路大震災以降、制振技術が注目されるようになり戸建住宅にも採用されている。また、新築時だけでなくリフォーム工事の際に制振装置を設置することもできる。
制振装置は、柱や壁に設置し建物の揺れを低減させる「ダンパー」や、建物の揺れを感知するとその揺れを打ち消すように揺れる「錘(おもり)」などである。なお「耐震構造」は柱や梁などの基本構造により建物の強度を高め地震に耐える構造のことで、基本的に制振構造は耐震構造に加えて施す。「免震構造」は建物と地盤の間に装置を設置し地震の揺れを受け流す構造で、揺れの軽減に大きな効果がある反面、耐震構造や制振構造と比べて施工費用が高い。
整水器(せいすいき)
整水器とは、浄化した水をさらに電気分解して、電解水素水を生成する装置を指す。除去フィルターを通じて、水道水に含まれる残留塩素やその他の不純物を除去し、浄化した水を電気分解する。電解水素水はアルカリ水素水とも呼ばれ、飲用に用いられるアルカリ性電解水を生成する商品は「家庭用電解水生成器」と呼称され、医薬品医療機器等法施行令で「医療用物質生成器」として規定される「家庭用医療機器」である。電解水素水の他に、酸性水や浄水も用途に応じて作ることができる。
セカンドリビング(せかんどりびんぐ)
セカンドリビングとは、住まいのメインとなるリビングの他に設けられた小さめのリビングを指す。
二世帯住宅において、二世帯で共有するメインリビングとは別に、親世帯もしくは子世帯用の単独リビングとして設置されることが多い。また、家族の団欒や寛ぎの場としての役割を持つメインリビングに対し、ゲストルーム、書斎、趣味の空間など多目的スペースとして設置されることもある。メインリビングの続き間として設け、来客時などにリビングスペースを広くするという活用法もある。ただし、使用しなければ無駄な空間となってしまうため、使用目的を明確にして計画を立てる必要がある。
積層材(せきそうざい)
積層材とは、何枚もの単板を重ね合わせ接着した人工の木材を指す。角材を成形し、繊維方向を揃えて積層、接着することで、伐採した木をそのまま切り出した無垢材に比べ、反りや割れが少なく、長さ・幅の調整も容易になり、資源効率も高い木材となる。さらに防腐剤や防火薬剤などの注入により木材の性能を向上、また圧縮強度や比重を増加させることで大型材や曲材などの作成も可能となり、幅広い用途に対応できる。
石造(せきぞう)
石造とは、石材を用いて造られた建造物あるいは造られたものを指す。
石造の歴史はエジプト文明まで遡る。この時代の石造建築は宮殿や墳墓などで、その後も城や屋敷など主にヨーロッパで普及したが、地震の多い日本では大規模な石造建築物は多くない。塔や門、橋などが大半で、一般に石造建築と言われる建築物では、日本銀行本店本館、旧日本郵船小樽支店、ニコライ堂などが有名である。内部に木造の骨組みを持ち、外壁に凝灰岩などの軟石を積んだ「木骨石造」、純粋に石積みで作られた「本石造」がある。
石材は天然の建築材料として最も古くから使われてきた。石材は熱容量が大きいため、冬場は太陽光を蓄熱し、夏場は涼しくなる。耐火性にも富んでおり、重厚な印象となる。